縦組みにおける英数字正立論13―UTR#50著者の考え方


UTR#50の仕様についてはForumなどでいろいろ議論がされていますが、UTR#50が提案されたことで、いままで混乱していた全角英数と半角英数の使いわけを解消するチャンスが来ているのも確かです。

エディタの意識

UTR#50のエディターはEric Muller氏(Adobeの人)ですが、UnicodeのForumでこんなことを言っています。

「DTP/Web users have taken advantage of the existence of the fullwidth characters, in the following way: they use the ASCII code points when they want a cl-27/sideways in vertical treatment, and they use the fullwidth code points when they want a cl-19/upright treatment. Tools such as Word and InDesign allow that usage, and I am pretty sure that a significant fraction of the users would complain if they were told “don’t use the fullwidth characters any longer, use styling instead to indicate if you want cl-27/sideways or cl-19/upright”」
(Eric Muller:http://www.unicode.org/forum/viewtopic.php?f=35&t=252 より引用)

簡単な訳:

「DTPとWebのユーザーは、次のように全角文字の利便を享受している:縦組みではASCIIのコードポイントを使って横倒しにして、全角のコードポイントを使って正立させている。WordやInDesignはこういう使い方を許しており、”もう全角文字は使わない、そして、横倒しと正立を示すにはスタイルを使いなさい”といったら多くのユーザーは不満をもつだろう」

これを見ますと、Eric Muller氏は従来のような全角文字と半角文字の使い分け推進論のようです。しかし、もし、UTR#50で全角文字正立、半角文字横倒しをデフォルトにされてしまうと、「現在の実現方法と問題」で指摘したような問題を解消するチャンスはほぼ永久になくなると思います。

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