本、マニュアル、報告書などのブック形式出版物のWebページをどのように作成するか?

本、マニュアル、報告書などをWebページとして公開するにはどういう風にWebを構成したら良いか?

これがCAS-UB V5のバージョンアップにおけるテーマの一つです。

今年の春先に、いろいろな本のWebページの作り方を調べて、次のブログ[1][2]で簡単に整理してみました。

[1] 本はWeb化するか? PDFとブック型WebページとEPUBを考える
[2] 本はWeb化するか? (続き)Webアプリケーション化したオンライン版の本 vs シンプルなHTML+CSSの本

その結果は次のWebページに整理しています。

[3] ワンソースマルチユースで拓く、ブック型Webページの未来

Webページの目的あるいは種類として「ブック型Webページ」があります。本は、ずっと長いこと紙に印刷して製本する形態で提供されてきました。そして、現在、本の内容が電子媒体で提供されはじめています。そこでブック型Webページをどのように構成すると良いか、が重要な検討課題になっています。

CAS-UBのV5では、そのブック型Webページの形態として3つのポイントを考えました。

①表紙に相当する「タイトルページ」(書名や版元・発行日・著者名など)を作るかどうか。
②本の目次はナビゲーションのためには重要な要素です。これをどのように画面に表したら良いか。
③読み進める順序をナビゲーションとして表す。

次はCAS-UB V5で制作したブック型Webページの見本です。

『XSL-FOの基礎 第2版』

上の見本では目次のフレームをレスポンシブにしており、ノートPCなどの広い画面では次のように、目次のフレームと本文のフレームを横に並べて表示します。

画面の幅が狭くなったときは、目次のフレームをアイコンとして表示します。

目次のアイコンをクリックしますと、目次のフレームを本文の上にオーバラップして表示します。

CAS-UB V5にアップグレードしました。レスポンシブなWebページ生成や、UBテキスト機能の公開などが目玉です。

12月7日(木)の定期メンテナンスにて、CAS-UBのシステムをアップグレードしました。昨年(2016年)12月以来の大幅な機能強化です。今回でCAS-UB V5となりました。

12月7日に追加した機能の一覧は次の通りです。

Webページを生成の強化

1.フレームによる目次の表示をレスポンシブ方式に変更

目次と本文を分割したindex-multiview.htmlを廃止して、目次のメニューアイコンを追加しました。目次のメニューアイコンを生成すると、広い画面のときは目次を左側に常時表示し、スマホや画面幅が狭いときはメニューアイコンのクリックやタップで目次をオーバーラップ表示します。

動画をこちらに用意しています:レスポンシブなWebページ生成

2.出版物全体を通しての全文検索機能を追加

全文検索機能を追加できるようにしました。目次に「全文検索」のリンクが追加され、クリックすると目次が全文検索画面になります。検索ワードを入力して[検索]ボタンをクリックすると、ヒットした記事と該当部分周辺のテキストが一覧されます。

3.WebページのレイアウトをEPUBとは別に自由にカスタマイズ

style_epub3web.css というファイルをスタイルシート画面にアップロードしておくと、Webページを生成したときに、すべてのファイルにリンクされます。この場合、style.cssはリンクされませんので、EPUBとはまったく別にカスタマイズできます。ユーザー・ガイドにWebページのカスタマイズ方法を追加しています。

4.タイトルページの追加

タイトルページを最初のページ(index.html)にできるようにしました。

5.生成設定をEPUB3と分離

従来は、Webページの生成設定はEPUB3の設定を適用していましたが、EPUB3と分離して、Webページ生成専用の設定をできるようにしました。

UBテキスト形式のダウンロードとアップロードを追加

「UBテキスト」は、CAS記法でマークアップして、出版物の構成を示せるようにしたテキストファイルです(UBはUniversal Bookの略)。「UBテキスト」では、出版物の構成とツリー構造を表現できます。各記事の内容は、CAS記法でマークアップします。

ダウンロード画面で、「UBテキスト」のダウンロードとアップロードをします。ダウンロード画面は、記事編集画面などの[その他のメニュー]のクリックで表示されるメニューの「ダウンロード」で表示されます。

バックアップ/リストア機能の操作性改善

1.バックアップファイルのリストアで、書誌情報もリストアできるようにしました。
2.[その他のメニュー]に バックアップ を追加しました。ホーム画面に戻らなくても、編集画面などからバックアップ画面に遷移できます。
3.出版物新規作成で、バックアップファイルをリストアして作成できるようにしました。

その他の強化強化と改善

1.記事編集画面のCAS記法入力支援ボタンを変更

[インクルード]ボタンを廃止して[引用]ボタンを追加しました。[引用]ボタンで、ブロック引用 と 整形済みブロック をマークアップできます。

2.画像画面の変更

画像画面で、各画像のファイルサイズと更新日時を表示するようにしました。

3.スタイルシート画面の変更

スタイルシート画面で、各ファイルのサイズと更新日時を表示するようにしました。

4.生成の一般設定の変更

PDFやEPUBの生成で、書誌編集画面でISBNが登録されていても、ISBNなしを選べるようにしました。

5.PDFの生成設定の複製を強化

PDFの生成設定の複製で、他の出版物の生成設定も複製できるようにしました。

FormatterClub
12月8日のFormatterClubでは主要な機能に絞って紹介させていただきました。

FormatterClubセミナーのプレゼン資料は次のSlideShareにて公開しています。
Slideshare:デジタル出版物制作Webサービス CAS-UB V5による シングルソースパブリッシング(2017年12月8日)
個別の機能強化ポイントについて、順次、ブログでも紹介して行く予定です。よろしくお願いします。