電子書籍(EPUB)の制作:画像への回り込み解除するためのCAS-UBの指定方法

昨日は、画像を左右に寄せてテキストを回り込みさせるためのCAS-UBの指定方法を説明しました([1])。今日は回り込みを解除する方法を説明します。

画像にテキストの回り込み(フロート)を指定すると、後続のテキスト・見出し・画像などの要素があるとき、それらの要素も回り込みしてしまいます(図1)。

20141002
図1 画像に回り込みを指定すると後続の要素も回り込む

後続の要素の回り込みを解除するには、CSSでクリア(clear)プロパティを指定します。CAS-UBのCSSテーマではクリアを指定する方法が規定されていません。そこで、解除を設定したい要素に自分でクリアを設定します。

直接的な方法として、CSSを書いてしまうことができます。例えば、次の見出しでフロートを解除したいとき、その見出しにクリアを設定するには次のようにします。


...転換するのに最適なツールです。

==:style=clear~:both 見出し

360ピクセル×360ピクセルの正方形画像を右フロート

解説
CAS-UBでは、マークアップ(’==’はランク2の見出し(h2)のマークアップ)の直後に、次のように記述すると
:X=a
Xが属性名、aが属性の値と解釈しますので、HTMLでは<要素 x="a">となります。続けて’:’があると属性の始まりと解釈しますので’^:’のように前に’^’を置いて、’:’の役割を適用しないように(エスケープ)します。

上の例では、見出しの部分のHTMLコードは次になります。


<h2 style="clear:both"> 見出し</h2>

プレビュー(内容)表示で確認しますと、見出しの回り込みが解除されています(図2)

20141002a
図2 見出しで回り込みを解除

見出しに直接スタイルを指定するのではなく、(1)見出しにクラス属性(:clear)を設定し、(2)クリアクラス属性にクリアプロパティを指定するユーザー指定スタイルシート(style.css)ファイルを用意する方法もあります。


...転換するのに最適なツールです。

==:clear 見出し

360ピクセル×360ピクセルの正方形画像を右フロート

style.cssに次のようなCSSプロパティを指定します。


.clear {
clear:both;
}

[1] 電子書籍(EPUB)で、テキストを画像に回り込みさせるためのCAS-UBの指定方法

電子書籍(EPUB)で、テキストを画像に回り込みさせるためのCAS-UBの指定方法

今日は、CAS-UBで制作する電子書籍(EPUB)でテキストを画像に回り込みさせる指定方法を説明します。

CAS-UBの編集画面の「画像」入力支援ボタンで画像をアップロードすると、編集画面では次のようにマークアップが入力されます。


360ピクセル×360ピクセルの正方形画像

[[[:fig
{{img-360q.png}}
]]]
CAS-UBは、ブックオンデマンドに使えるPDF, 商用に耐えうる高品質な電子書籍・・・

解説
[[[:fig

]]]
は画像(fig)クラスの属性をもつブロックとなります。

CAS-UBのCSSテーマでは、画像はブロック内で中央配置するように設定されています(図1)。
20141001a
図1 CSSテーマ・グリーン2を指定してプレビュー(内容)表示したところ

この画像の周りにテキストを回り込みさせるには次のように指定します。:float-startは編集画面より追加入力してください。


360ピクセル×360ピクセルの正方形画像を左フロート

[[[:fig:float-start
{{img-360q.png}}
]]]
CAS-UBは、ブックオンデマンドに使えるPDF, 商用に耐えうる高品質な電子書籍・・・

解説
:float-start/:float-endはCAS-UBのCSSテーマに組み込まれている回り込み指定属性です。

:float-start 画像を行頭に配置してテキストを右(横書き)または下(縦書き)に回り込ませる。
:float-end 画像を行末に配置してテキストを左(横書き)または上(縦書き)に回り込ませる。

上のコードの例では、画像が行頭側に配置されて、テキストが画像の右に回り込みます(図2)。
20141001b
図2 テキストの回り込みをプレビュー