「アマゾンマーケットプレイスでおこづかい!古本屋やろうよ」(舟橋 武志著)

神田三省堂に出版業界向けのコーナーができていました。出版業界向けといいますと、編集者になりたい人向けのものが多いのですが、古本屋さんが面白いという本もいくつかあります。

最近、古本といえば、ブックオフというイメージができつつあります。その一方で、アマゾンで古本を売ってお小遣いを稼いでいるという本書のタイトルに惹かれました。

購入しようかと思って少し迷いました。なにしろ、この本は造本があまりよくないのです。あまり解像度の高くないプリンタで印刷した本文、普通は報告書の表紙に使いそうなレザックの表紙、B5版で本文が大よそ240ページ。それで1,470円(税込み)というのは、やはり本としては高いほうでしょう。しかし、奥付けに発行部数が書いてあり、4回刷って1,000部発行とあります。

発行所は名古屋のブックショップ・マイタウンという知らないお店ですが、どうやら人気があるらしい。ということで思い切って購入しました(もちろん自腹です)。

で、読み始めたのですが、これがなかなか面白い。しまいには、造本の悪さも気にならなくなりました。やはり本は内容。

アマゾンのマーケットプレイスで古本販売にはまった古本屋さんの実地体験談。数年前の話なので、いまとは少し違うのかもしれないですが、次のようなことが書いてあります。

1.アマゾンでは古本の値段を自由につけることができますが、何人かが同じ本を登録している場合、本を探している人が検索すると価格が比較表示されるため価格競争になります。1円でも安いほうが良いということで780円→779円→778円と下がっていって最後は1円になってしまう。1円本が沢山あるようです。

1円では売っても儲からないだろうと思うのは早計。送料が別なのでアマゾンから出品者に送料が支給されます。そこで実際の送料をアマゾンからの支払い分より安くすれば1円で本を売っても利益をだせるのだそうです。古本屋さんにとって悩みの種は不良在庫ですが、本を不良在庫として廃棄するより1円で売ってしまおうということもあるかもしれません。

アマゾンでは消費者が王様です。出店者は地獄の競争を強いられています。

2.一方で、価格競争の反動からか、アマゾンでは他に出品のない本、ユニークな本は極端に高額になってしまうケースも見られます。「日本の古本屋」、「スーパー源氏」といった他のサイトで700円~2300円で出品されている本が、アマゾンで1店だけから8500円で出品されているなど。アマゾンの利用者はものすごく数が多いので、相当高い値段をつけても売れてしまうとのこと。高くても買う人がいるんですね。アマゾンで1店しか出品していない本を買うときは、他の古本販売サイトをチェックしましょう。

アマゾンでは怠慢な王様は損をすることもあります。

体験談としてはいろいろ面白いですが。アマゾンで古本屋は、やはり、本書の著者のように本が好きな人が、半ば道楽でやるには良いのかもしれません。これではとてもビジネスにはならないと思います・・・

古本は普通同じものが大量にあるわけではないので、大量に複製して販売してぼろ儲けということもできないし。

とりあえず、「自分の本を整理するときは、ブックオフよりアマゾンの方が面白い!」

○本書について
「アマゾンマーケットプレイスでおこづかい!古本屋やろうよ」(舟橋 武志著、ブックショップマイタウン発行、2010年増補版、ISBN798-4-938341-02-2、1400円(税別))

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