日本語文書の組版方法 JIS X4051 における縦組みの英数字の向き


日本語組版に関するJIS規格としてJIS X4051[*1]があります。「日本語組版処理の要件」(JLReq)の文字クラス[*2]はJIS X4051を元にしていますが、ベーシックラテンの文字についての考え方は、かなり異なっています。

JIS X4051では日本語組版に使う文字としてはJIS X0213の文字を対象としています。JIS X0201の文字は空白を除いて記載されていません。

ラテンアルファベットの大文字と小文字は、欧文用文字とされており、和字には含まれていません。
また、アラビア数字は、欧文用文字、連数字中の文字、単位記号中の文字(1~4)とされていますが、和字には含まれていません。

このように、JIS X4051ではラテンアルファベットやアラビア数字は、和字クラスには入らないのが、JLReqとの相違点です。

では、ラテンアルファベットやアラビア数字が縦書きで正立しないかというとそうではありません。

4.7和欧文混植処理

備考 和文と欧文を区別する方法は、処理系定義とする。

4.19 b)では縦書きの行中では、欧文の文字の向きを右回りに90°回転して欧文を横書きにし、a)に従う。

備考 縦書きの欧字または数字を和字として扱う場合は、ベタ組みとし、次のように配置する

とあり、JISを正立で表記した例が挙げられています。

すなわち、和欧混植処理では横倒しですが、ラテンアルファベットや数字を和字として扱うこともできて、そのときは正立になります。

このように、JIS X4051ではラテンアルファベットやアラビア数字は和字クラスには入れていないのですが、和字として扱うこともできるとしています。

念のために定義を確認してみますと次のように欧字も縦書きで使う全角形は和字として扱うことになります。

定義)
・和文
 和字で構成される文章であって欧文を含まないもの
・和字
 和文を構成する漢字、仮名、数字、約物およびその他の記号。縦書きの場合、全角の欧字を含む。
・欧文
 欧文用文字および欧文間隔で構成される文章であって、横書きとし、欧文ピッチ処理の対象となるもの。
・欧文用文字
 欧文を書き表すときに主な構成要素となる表音文字(欧字)、数字および記号(コンマ、ピリオド、コロン、セミコロンなど)。縦書きで用いる全角の欧字は、和字として扱う。

[*1] 日本語文書の組版方法 JIS X 4051:2004 平成16年3月20日改正
[*2] 「日本語組版処理の要件」に見る英数字の扱い

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