注釈の利用形態について(W3Cの注釈ユース・ケース)


W3Cの注釈ユース・ケース(Annotation Use Cases W3C First Public Working Draft 13 March 2014)より、注釈の利用としてどのようなケースが想定されるかをピックアップしました。

注釈には実に多様な側面があります。

○5分野
・出版物全体に対する注釈
・出版物の一部に対する注釈
・先進的な注釈
・注釈の出版
・アクセシビリティと国際化

○出版物全体への注釈
・書籍に対する注釈を購買の参考資料などとして公開する。
・所有する書籍にタグをつける。タグは用語集から抽出する。蔵書をタグ付けして分類する用途。
・出版物の構造化したレビューシステム。星の数などのフィールを用意する。テキストを含む。ビアレビューにも通じる。
・概要を伝えるWebと、対象となるWeb本体。
・注釈には相当のメタデータが必要。メタデータでユーザーなどを認識する。
・一つの出版物に対する複数の注釈。リソースが異なる。

○出版物の一部に対する注釈
・読んでいる位置にしおりを付ける。
・文章の範囲をマーカーでハイライトする。強調が目的。ハイライトした範囲を記録して比較、引用、などする。
・文章の範囲にコメントする。コメントの可視化ツールが欲しい。
・ビデオや画像など埋め込まれたオブジェクト、またはその一部、代替テキストへのコメント。
・出版物の複数個所を比較するための注釈。一つの出版物内、または複数の出版物同士の比較。
・対象が変化したときの妥当性を決定する。

○先進的な注釈
・フォーマットを超える注釈。EPUB-PDF-HTMLなどの間で共有。
・バージョン間の注釈。
・注釈のスタイル、レイアウトの保持。
・変化する状態に応じた注釈。オンラインホテル情報で単価に応じて、など。
・ユーザーの操作状態の記録。
・注釈が本文やターゲットに応じて複数の選択肢をもつ。言語、場所などに依存する注釈。
・多数の、動的に定義される対象に対する注釈。

○注釈の出版
・注釈の組の出版。または他人への提供。
・注釈の永続性。ユニークなIDなど。
・注釈をシステム間で移転する。
・注釈またはその一部を非公開とする。
・注釈をつけた出版物が非公開のとき。

○アクセシビリティ、国際化
・リソースにアクセシビリティを追加するための注釈。
・注釈の位置をわかるようにする。
・国際化情報のために注釈を使う。

[1]注釈実装と注釈サービスの拡大、EPUBリーダーでの実装、および注釈の標準化への動き。

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