CAS-SUPPORT ブログより6年間を振り返る(2)


前回は、CAS-SUPPORT ブログから6年間を振り返るの前半でした。今回は後半2014年~2016年を振り返ってみたいと思います。

2014年

毎年一番最初に開催される大きな展示会はPageです。Page 2014での第一印象は電子書籍ブームは去ったということでした[1]。ちなみに、ブームが去ったということは、電子書籍がビジネスとして成長していないということを意味するわけではありません。むしろ、興味本位というと言い過ぎかもしれませんが、新たなビジネスチャンスを探して電子書籍界隈に大勢の人が集まった時期が終わり、地道なビジネスとしての取り組みのフェーズに移行したということを表します。

2014年はEDUPUBへの取り組みが注目された年でもあります[2]、[3]

2013年のEPUBマニュアル研究会は2014年も継続して行い報告書を発行しました[4]

2015年

2014年でEPUBに対する新規需要の盛り上がりが一段落したこともあり、2015年のCAS-UBプロジェクトでは、本をプリントオンデマンドで作るための最適なPDFレイアウトの検討に重点的に取り組みました。

まずは、基本版面の見直しを行いました[5]、[6]。日本語の本の場合、特に本の構成や扉の設定があまり標準化されておらず大きな構造がバラバラです。CAS-UBでは、記事の種類毎に、部分的にレイアウトを変更できます。この機能を強化してプリントオンデマンド用のPDFをより複雑なレイアウト構成にできるようにしました。例えば縦組の本に横組のページをいれるなどになります[7]

2015年末には過去に出版した報告書や本をアマゾンのプリントオンデマンドによって販売を開始しました。

2016年

2016年前半は、主に自社の製品や技術に関連する啓蒙書を、プリントオンデマンドで出版することに積極的に取り組み、例えば次のようなタイトルを発行しました。

『PDFインフラストラクチャ解説』POD版とKDP版が揃い踏みとなりました。
『XSL-FOの基礎 – XML を組版するためのレイアウト仕様』POD出版顛末記

2016年後半も、CAS-UBでプリントオンデマンドで本を出版するためのPDF生成技術の開発に重点的に取り組んでいます。

現在は、POD出版の実践として、ECMJ流! インターネットマーケティングのシリーズを出版しています。POD本を出す実践を積み、同時に開発課題の整理・CAS-UBの機能拡張を行っています。

[1] Page2014 終了しました。電子書籍のブームは去り、組版ソフトに注目があつまりました。
[2] EDUPUB プロファイル仕様 (5/28ドラフト) のあらまし
[3] EPUB標準化関連活動のアップトゥデイト 2014/9/15
[4] 『マニュアルEPUB化ハンドブック2015年版』紙版もアマゾンで販売開始。制作期間等を整理しました。
[5] 本のかたちを考える:基本版面のパラメータ設定の考え方を整理してみました
[6] 本のかたちを考える:四六判・基本版面の推奨値を検討する(案)
[7] CAS-UB V3.0をクラウドサービスにて提供開始。PDF縦組を大幅に強化しました。

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