「銃・病原菌・鉄」に見る縦組みにおける英数字の扱いーアラビア数字はほとんど正立する


「銃・病原菌・鉄」(ジャレド・ダイヤモンド著、倉骨 彰訳、草思社、2000年10月発行)は上下巻合計約650頁の大著です。最近、文庫本が出版されていますが、ここでは単行本版を対象にして英数字がどのように組版されているかを見てみます。

1.全体

本文は縦組みですが、索引は横組みです。なお、原書には巻末に参考文献一覧がありますが、訳文では参考文献一覧は省略されており、Webで公開されています。

また、ページ番号は小口側にアラビア数字で表記、左頁下に片柱で章番号と章タイトルを横組み表記しています。章タイトルは本文は漢数字表記ですが、柱はアラビア数字表記に変更しています。

図のキャプションは横組みで、図番号は図1-1の形式です。図の説明文はキャプションの下についており横組みで、例えば「紀元前7000年」のように年数はアラビア文字で表記しています。

表は横組みであり、表キャプションは横組みで、表の番号は表5-1の形式です。

2.目次

部番号、章番号、ページ番号はアラビア数字です。章番号は2桁まで、ページ番号は3桁までですが2桁以上は縦中横となります。

3.本文

3.1 ラテンアルファベット

(1) ラテンアルファベットが正立で使われている箇所

a.一文字づつ正立――91箇所

本文中ではラテンアルファベットが1文字ずつ正立で使われている箇所が一番多くなっています。記号、頭字語のほか、言語の表記や音を表すために使われています。

(本文中の頁)

B型やO型、A型(p.28)、「最古といわれていたX」より古いX、古いX (p.52) 、DNA (p.56)、BC (p.138に2回)、bc (p.138)、牡馬Aは牡馬B、C、D、Eより…牡馬Bは序列が上のAには…序列が下のC、D、Eを…CはAとBに服従し、DとEを従えて (p.257)、線文字B (下p.17、下p.18、下p.24、下p.28、下p.40、下p.42に3回、下p.48)、線文字A (下p.28、下p.48)、 他の欧州語にある「b」「c」「f」「g」「w」「x」「z」(下p.29)、「c」(下p.29)、「j」、「u」、「w」(下p.29)、頭音(a、b、g、dなど)(下p.30)、「g」が、「c」に、「g」を(下p.31)、「D」「R」「b」「h」を使って、チェロキー語の「a」「e」(下p.34)、「l」と「r」(下p.40 2回)、「p」と「b」、「g」と「k」と(下p.40)、「XがYを発明した」(下p.55)、黄色のHBが(下p.57)、QWERTY(下p.60に3回、下p.61、下p.62、下p.317に8回、下p.318に3回)、ABO型のBとMNS型のS(下p.138)、南方振動(ENSO)(下p.148)、カリフォルニア州ロスアンゼルス校(UCLA)(下p.281)、Dvorak配列(下p.318)

b.縦中横――23箇所

ラテンアルファベットを縦中横で表記している箇所の大部分は言語の音を表しています。

○出現箇所
「sh」や「th」(下p.17)、「ti」(下p.22)、(ta、ti、tu、te、toなどのように)(下p.24)、マヤの「ne」という音節は「しっぽ」を意味する「neh」と同じ…)(下p.24)、英語で「th」(下p.29)、「ts」(下p.29)、「si」「ni」の音節(下p.34)、「se」…「yu」「sa」「na」…「ho」…「li」…「nu」(下p.34)、「ph」、「kh」(下p.40)

(2)ラテンアルファベットが横倒しで使われている――80箇所

横倒しで使う箇所は、原典を表したり、元の言葉の注記、言語表記に関わる使い方が中心です。

○出現箇所
「Cargo(積荷)」(p.18, p.29)、『人間はどこまでチンパンジーか(The Third Chimpanzee)』(p.38)、「持てるもの(Haves)」と「持たざるもの(Have-nots)」(p.133)、オリーブ(Olea europea)(p.197)、「family」が「fa-mi-ly」の…(下p.17)、英語で「four」…ロシア語で「chetwire」…フィンランド語で「neljä」…インドネシア語で「empat」(下p.20)、「-tion」(下p.22に2回)、「shun」(下p.22に2回)、「believe」という…「蜂(bee)の絵」と「葉っぱ(leaf)の絵」…「bee-leaf」(下p.22)、歯(tooth)、話(speech)、話し手(speaker)などを(下p.22)、二(two)、相互(each)、山頂(peak)を付加すれば、△two=tooth、△each=speech、△peak=speaker(下p.22)、’aleph=ox雄牛、beth=house家、gimel=camelラクダ、daleth=doorドア(下p.30)、裁判所の書記が「We order John to deliver the 27 fat sheep that he owes to the government」…「John 27 fat」(下p.40)、「lap」も「rap」も「lab」も「laugh」(下p.40)、とても寒い夜を意味する「five-dog night」(下p.148)、「tatoo(入れ墨)」と「taboo(タブー)」、「boondocks(未開の奥地)」、「amok(怒り狂う)」「batik(バティク、蠟染め)」、「orangutan(オランウータン)」(下pp.193-194)、「羊」を…「avis」…「ovis」…「oveja」…「ovtsa」…「owis」…「oi」…「sheep」…「owe」…「owis」)(下pp.203-204)、「goat」「horse」「wheel」「brother」「eye」など(下p.204)、「gun」…「gun」…「fusil」…「ruzhyo」(下p.204)、「two」「bird」「ear」「head louse(毛ジラミ)」(下p.204)、「pig」「dog」「rice」(下p.204)、「outrigger canoe」「sail」「giant clam」「octopus」「fish trap」「sea turtle」(下p.204)、「science」とは…「scire」…「scientia」(下p.322)、“GUNS, GERMS, AND STEEL : The Fates of Human Societies” (W.W.Norman & Company, 1997)(訳者あとがき)

3.2 アラビア数字

人類史ですので本文では4桁の年数、年月などが頻繁に出てきますがすべて漢数字です。従って、アラビア数字が使われているケースは少なくなっています。

本書は頁番号は、アラビア数字ですが、本文中の頁番号参照は漢数字を使っています。頁番号参照が3桁数字になることが多いためでしょう。箇条書きにも正立で使われています。

(1)アラビア数字が正立で使われている。縦中横を含む。

アラビア数字は、参照先の部・章・節番号の表記、参照先図番号の表記、参照先表番号の表記に多数使われています。1桁では正立、2桁のとき縦中横になります。

・参照先部・章・節の番号は頻繁に出てきますので数えません(数えきれない)。

・参照先図番号――36箇所

○出現箇所
(図1-1を参照)(p.51)、(図2-1)(p.80)、(図4-1を参照)(p.124)、(図5-1を参照)(p.141に2回)、図8-1 (p.199)、(図8-2)(p.204)、(図8-1→二〇七頁)(p.205)、図10-1 (p.263)、図10-2 (p.271)、(図12-1→二一頁)(下p.19)、(図12-1)(下p.19)、図15-1 (下p.132、下p.134)、図16-1(下p.175、下p.178)、(図17-1)(下p.193)、(図17-2)(下p.199)、(図18-1)(下p.247)、図19-1(下p.260、下p.261、下p.265、下p.266、下p.289)、図19-2(下p.265に3回、下p.266に2回、下p.268に2回、下p.269)、図19-3(下p.273、下p.276に2回)、図19-4(下p.285)、図10-1(下p.294)

・参照先表番号――23箇所

○出現箇所
(表5-1を参照)(p.142)、表7-1は(p.183、p184)、表8-1(p.205、下p.303)(表9-1参照)、(表9-1中の…)(p.236)、表9-2(p.240、p.241、下p.303)、表9-3(p.246)、表13-1(下p.82、下p.83)、表14-1→九一頁(下p.89)、表18-1(下p.232、下p.233、下p.234に4回、下p.235に2回)、表18-2(下p.243)、

・箇条書き――17箇所

○出現箇所
(1)(2)(3)(4)(5)(下p.63)、(1)(2)(3)(4)(下p.63と下p.64、下pp.102-103)

・その他――36箇所

○出現箇所
炭素14 (p.49に4回、p.67に2回、p.68に2回、p.136に9回、p.137に1回、p.138に6回、下p.235)、炭素12 (p.136に4回、p.138に2回)、窒素14 (p.136に1回)、3000BC、3000bc(一文字ずつ正立、p.138)、「4」という記号(下p.20)、数字の4(下p.34)

(2)アラビア数字が横倒しで使われている――4箇所

アラビア数字が横倒しで使われている箇所は4箇所しかありません。

○出現箇所
裁判所の書記が「We order John to deliver the 27 fat sheep that he owes to the government」…「John 27 fat」(下p.40)、(20×19÷2で)一九〇通り(下p.115)、(W.W.Norman & Company, 1997)(訳者あとがき)

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