PDF文書の永続性、Web文書の揮発性


PDF文書とWeb文書にはいくつかの点で本質的な違いがあります。一番大きな違いは前者の永続性に対して、後者の揮発性ではないかと思います。

PDF文書の永続性とは
PDF文書のモデルは、紙にインクで印刷したのと同じ状態を再現することです。紙に書かれた情報は1つの物体としての形を備えています。そして、それは、消去されるまで永続的に、人間の目に見える状態は同じものとして保存されます。

Web文書の揮発性とは
それに対してWeb文書は、分散した情報を瞬時に探して端末に表示するモデルです。情報が分散配置されていることに特徴があります。リンクによって探し出される毎に、端末を経由して人間の目に触れるわけですが、その都度、人間の目に見える状態が変わります。Web文書は、次に可視化されるとき、今表示されている状態と同じである保証がありません。

現在、出版などでは紙からデジタル媒体への転換が進んでいます。しかし、デジタル媒体としてみたときには、PDF文書とWeb文書には上のような本質的な相違があります。こうしてデジタル媒体としては、WebとPDFが今後かなり長い間両立するだろうと予想します。

2018/06/21
PDF資料室に論点を整理した次の記事を掲載しました:
「PDFとWebにはどんな違いがありますか? インターネットやWebがますます普及するとしてPDFは使い続けられますか?」

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