講談社電子文庫の27文字×11行は適切なのだろうか?


イーブックイニシアティブのWebページ(総合図書)で講談社電子文庫の「1ページ27字×11行の新組版で、どこの電子書籍より美しく、読みやすい」という宣伝を見ました。

イーブックイニシアティブ・総合図書

本の広告で組版を宣伝するとは・・・しかも版のない電子書籍に版を持ち出すとは・・・という感想も沸きましたが、この言葉につられて、早速、1冊購入してiPadで読んでみました。

リーダーは、イーブックイニシアティブのebiReaderHD(1.0.5)です。こんな感じになります。

1.見開き表示

2.1頁表示

☆いずれも、「柳生月影抄 名作短編集(2)」(吉川英治 講談社電子文庫より)

ざっと短編をiPadで読んでみました。iPad向けには27文字×11行は少し文字量が不足しているように思います。文字の量が少ないため1頁を読むのに要する時間が短く、常に頁をめくっている印象になります。

また、余白が大きくて画面に光があふれてしまう印象です。iPadの液晶の特性もありますが、こうしたことから長時間画面を見続けるのが辛いので、短編を読む程度であればあまり問題ないですが、長編をこれで読むとどうなんだろうという疑問がわきます。

以上のことから、もう少し1画面の文字量を増やしても良いと思います。

余白や字詰・行数はiPadよりもむしろiPhoneも考慮して版面サイズを決めているのかもしれません。しかし、もう少し余白を減らしたり、字詰・行数を変えたいと思っても、固定なので、読者が自分の読むリーダーに最適になるように字詰・行数を変更できません。やはり電子書籍では版面を固定にしてしまうのはあまり賛成できません。

それにしても、先日は「EPUBの要求仕様」ではなくて、電子書籍の要求仕様というべきでしたね。

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