出版における情報アークテクチャーの必要性

出版=情報を流通させるということと考えます。出版がすなわち「紙に印刷し、本や雑誌のかたちに製本による流通」を意味していた時代は終わりつつあります。

紙の本や雑誌がなくなるということを主張するつもりはないのですが、いま、情報を広く流通させようとすれば、Web技術(Webページや電子書籍)と印刷技術(PDFや紙の本)という二つの方法を、うまく使いこなす必要があります。これはほとんど説明の必要がない事実でしょう。

しかし、Web技術と印刷技術は全く異なります。この両者をうまく使いこなしている事例もありますが、まだ主流になっていません。雑誌や本の場合は、現在は、DTPで紙に印刷するためのページをつくり、そのデータを基にしてWeb版を作る、という方法が主流です。Web版はWeb制作ツールや簡単なものはブログなどで作ります。電子書籍も別の制作ツールを使うことが多いでしょう。

しかし、このような方法では、効率が悪いのは明らかです。Webと印刷の両方を簡単・効率的に使いこなせない限り、出版は生き残れないでしょう。

ではどうしたら良いでしょうか。

CAS-UBは、そのひとつの解決策を提案するために作りました。2010年から2016年までほぼ5年間かかりましたが、ひとつの成果として本をつくりました。これです。
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5年間の経験に基づいていえることは、異なる二つの技術を使いこなすためには、上流、つまり情報を作るところからきちんと考える必要がある、ということです。

情報やその作り方の仕組みを設計するところから始めなければなりません。
出版における情報の設計、すなわち情報アーキテクチヤーが必要なゆえんです。