CAS-UBで編集中の出版物をダウンロードし、テキストエディタで編集し、元に戻す(2)UBテキスト

(前回)
今回はUBテキストについて解説します。

UBテキストは、CAS-UBの一つの出版物全体を表すテキスト形式です。UBテキストを理解するには、最初にCAS-UBの出版物の構成方法を理解する必要があります。

次の図は、例として『投資信託による資産運用のイロハ』という書名の出版物を対象に、CAS-UBの編集画面の記事一覧を示したものです。

CAS-UBの出版物は複数の記事から構成しており、この出版物は7つのファイルから構成されています。記事一覧では各記事に1~7の番号が付いていますが、番号は仮に付けているものです。

記事一覧には各記事のタイトル、ファイル名、記事の種類を表示しています。

タイトルは記事単位で見たときの最上位の見出しになります。例えば、記事の種類が「章」のときタイトルは章見出しに相当します。ファイル名はサーバー側で記事を管理するときの名前です。出版物の中ではユニークでなければなりません。
記事の種類は、出版物の中での記事の位置付け/役割を表します。どのような記事の種類があるかは、ユーザーガイドの「4–1 記事の種類一覧」を参照してください。

ユーザーガイドの「4–1 記事の種類一覧」

この出版物のUBテキストは次のようなテキストファイルです。ダウンロードしたファイルの一部のみ示しています。

+ updated: 2017-08-01T05:36:46+0900
+ ahax$kind: article
+ author:  
+ title: 『投資信託による資産運用のイロハ』
+ name: publ
+ ahax$entryClass: book3

++++++++
+ updated: 2017-07-25T05:47:43+0900
+ ahax$kind: article
+ name: i01-0001
+ ahax$parent: publ
+ ahax$entryClass: body-title

.

.

.

.

.

:center 『投資信託による資産運用のイロハ』

:center 毎月分配型を中心に

++++++++
+ updated: 2017-07-24T11:07:11+0900
+ ahax$kind: article
+ title: はじめに
+ name: i01-0002
+ ahax$parent: publ
+ ahax$entryClass: preface

どんなひとでも普通に生活していくには、…
(省略)
…

++++++++
+ updated: 2017-07-19T07:43:57+0900
+ ahax$kind: article
+ title: 投資信託とは
+ name: i01-0003
+ ahax$parent: publ
+ ahax$entryClass: chapter

投資信託(ファンドとも呼ばれます)は、…
(省略)
…

++++++++
+ updated: 2017-07-25T09:31:13+0900
+ ahax$kind: article
+ title: 基本知識
+ name: i01-0004
+ ahax$parent: publ
+ ahax$entryClass: chapter

本章では投資信託のリターン…
(省略)
…

++++++++
+ updated: 2017-07-24T08:17:43+0900
+ ahax$kind: article
+ title: 最後に
+ name: 201707240759
+ ahax$parent: publ
+ ahax$entryClass: postface

Webなどのニュースやブログを見ますと、…
(省略)
…

:end 著者

8個の‘+’の並んだ行と、それに続く‘+’で開始する行が記事の先頭(記事のヘッダー)です。

‘+ title’に記事のタイトル、‘+ name’に記事のファイル名、‘+ ahax$entryClass’に記事の種類(記事クラス名)が設定されます。

UBテキストのファイル形式についての説明は、ユーザーガイドの「5–2 UBテキスト」の項をご参照ください。

ユーザーガイドの「5–2 UBテキスト」

(続く)

CAS-UBで編集中の出版物をダウンロードし、テキストエディタで編集し、元に戻す

先日のバージョンアップで追加した二つ目の新機能を紹介します。

CAS-UB V5からクラウドで編集中の出版物を外部に取り出し、使い慣れたテキストエディタで編集して、元に戻せるようになりました。

このテキスト形式はUBテキストという名前です。UBテキストを取り出したり元に戻したりする画面は、編集画面の「ダウンロード」をクリックして表示します。

「ダウンロード」をクリックすると次の画面になります。この画面でUBテキストを取り出したり、戻したりします。

UBテキストとはCAS-UBの出版物全体を表現できるテキスト形式です。
UBテキストZIP形式を使うと、画像ファイルも一緒に入出力できます。

UBテキストでできること
1.出版物の取り出しと戻し
・ダウンロードで保存すると出版物全体を取り出します。
・テキストエディタで出版物全体を編集してアップロードで元に戻すことができます。

2.一部の記事だけの更新
・出版物全体から、一部の記事だけを切り取って編集して戻すことができます。
・記事をテキストエディタで、新しく書いて既存の出版物に追加することもできます。

3.全部の記事をテキストエディタで書く
・UBテキストをゼロからテキストエディタで作成することもできます。

上記の1.のような使い方ではUBテキストについて詳しい知識は必要ないでしょう。しかし、2.、3.のような使い方をするには、CAS-UBの出版物の記事とUBテキストの構造について詳しく知っていることが前提になります。

次回は、UBテキストについて少し詳しく説明します。

CAS-UB V5のプレゼン資料:デジタル出版物制作Webサービス CAS-UB V5による シングルソースパブリッシング
関連記事:CAS-UB V5にアップグレードしました。レスポンシブなWebページ生成や、UBテキスト機能の公開などが目玉です。

本、マニュアル、報告書などのブック形式出版物のWebページをどのように作成するか?

本、マニュアル、報告書などをWebページとして公開するにはどういう風にWebを構成したら良いか?

これがCAS-UB V5のバージョンアップにおけるテーマの一つです。

今年の春先に、いろいろな本のWebページの作り方を調べて、次のブログ[1][2]で簡単に整理してみました。

[1] 本はWeb化するか? PDFとブック型WebページとEPUBを考える
[2] 本はWeb化するか? (続き)Webアプリケーション化したオンライン版の本 vs シンプルなHTML+CSSの本

その結果は次のWebページに整理しています。

[3] ワンソースマルチユースで拓く、ブック型Webページの未来

Webページの目的あるいは種類として「ブック型Webページ」があります。本は、ずっと長いこと紙に印刷して製本する形態で提供されてきました。そして、現在、本の内容が電子媒体で提供されはじめています。そこでブック型Webページをどのように構成すると良いか、が重要な検討課題になっています。

CAS-UBのV5では、そのブック型Webページの形態として3つのポイントを考えました。

①表紙に相当する「タイトルページ」(書名や版元・発行日・著者名など)を作るかどうか。
②本の目次はナビゲーションのためには重要な要素です。これをどのように画面に表したら良いか。
③読み進める順序をナビゲーションとして表す。

次はCAS-UB V5で制作したブック型Webページの見本です。

『XSL-FOの基礎 第2版』

上の見本では目次のフレームをレスポンシブにしており、ノートPCなどの広い画面では次のように、目次のフレームと本文のフレームを横に並べて表示します。

画面の幅が狭くなったときは、目次のフレームをアイコンとして表示します。

目次のアイコンをクリックしますと、目次のフレームを本文の上にオーバラップして表示します。

CAS-UB V5にアップグレードしました。レスポンシブなWebページ生成や、UBテキスト機能の公開などが目玉です。

12月7日(木)の定期メンテナンスにて、CAS-UBのシステムをアップグレードしました。昨年(2016年)12月以来の大幅な機能強化です。今回でCAS-UB V5となりました。

12月7日に追加した機能の一覧は次の通りです。

Webページを生成の強化

1.フレームによる目次の表示をレスポンシブ方式に変更

目次と本文を分割したindex-multiview.htmlを廃止して、目次のメニューアイコンを追加しました。目次のメニューアイコンを生成すると、広い画面のときは目次を左側に常時表示し、スマホや画面幅が狭いときはメニューアイコンのクリックやタップで目次をオーバーラップ表示します。

動画をこちらに用意しています:レスポンシブなWebページ生成

2.出版物全体を通しての全文検索機能を追加

全文検索機能を追加できるようにしました。目次に「全文検索」のリンクが追加され、クリックすると目次が全文検索画面になります。検索ワードを入力して[検索]ボタンをクリックすると、ヒットした記事と該当部分周辺のテキストが一覧されます。

3.WebページのレイアウトをEPUBとは別に自由にカスタマイズ

style_epub3web.css というファイルをスタイルシート画面にアップロードしておくと、Webページを生成したときに、すべてのファイルにリンクされます。この場合、style.cssはリンクされませんので、EPUBとはまったく別にカスタマイズできます。ユーザー・ガイドにWebページのカスタマイズ方法を追加しています。

4.タイトルページの追加

タイトルページを最初のページ(index.html)にできるようにしました。

5.生成設定をEPUB3と分離

従来は、Webページの生成設定はEPUB3の設定を適用していましたが、EPUB3と分離して、Webページ生成専用の設定をできるようにしました。

UBテキスト形式のダウンロードとアップロードを追加

「UBテキスト」は、CAS記法でマークアップして、出版物の構成を示せるようにしたテキストファイルです(UBはUniversal Bookの略)。「UBテキスト」では、出版物の構成とツリー構造を表現できます。各記事の内容は、CAS記法でマークアップします。

ダウンロード画面で、「UBテキスト」のダウンロードとアップロードをします。ダウンロード画面は、記事編集画面などの[その他のメニュー]のクリックで表示されるメニューの「ダウンロード」で表示されます。

バックアップ/リストア機能の操作性改善

1.バックアップファイルのリストアで、書誌情報もリストアできるようにしました。
2.[その他のメニュー]に バックアップ を追加しました。ホーム画面に戻らなくても、編集画面などからバックアップ画面に遷移できます。
3.出版物新規作成で、バックアップファイルをリストアして作成できるようにしました。

その他の強化強化と改善

1.記事編集画面のCAS記法入力支援ボタンを変更

[インクルード]ボタンを廃止して[引用]ボタンを追加しました。[引用]ボタンで、ブロック引用 と 整形済みブロック をマークアップできます。

2.画像画面の変更

画像画面で、各画像のファイルサイズと更新日時を表示するようにしました。

3.スタイルシート画面の変更

スタイルシート画面で、各ファイルのサイズと更新日時を表示するようにしました。

4.生成の一般設定の変更

PDFやEPUBの生成で、書誌編集画面でISBNが登録されていても、ISBNなしを選べるようにしました。

5.PDFの生成設定の複製を強化

PDFの生成設定の複製で、他の出版物の生成設定も複製できるようにしました。

FormatterClub
12月8日のFormatterClubでは主要な機能に絞って紹介させていただきました。

FormatterClubセミナーのプレゼン資料は次のSlideShareにて公開しています。
Slideshare:デジタル出版物制作Webサービス CAS-UB V5による シングルソースパブリッシング(2017年12月8日)
個別の機能強化ポイントについて、順次、ブログでも紹介して行く予定です。よろしくお願いします。

Webページ制作の生産性をアップする: ExcelファイルからQ-A(QuestionーAnswer)ページを自動生成

弊社では、11月下旬から、システム・ソリューション製品の「製品ナビゲータ」ページを公開しました(次のバナーをクリックしてみてください)。

弊社のWebページには、こうしたQ-Aページがいろいろあります。従来、こうしたページは手作業で編集していました。Q-Aページはリンクが多いこともあり、Q-A項目を追加する毎に、Webページを手作業で更新するのは結構面倒です。決して生産性が高い作業とは言えません。

大ボリュームのQ-Aページであれば、システムを作って自動化ということも考えられます。
しかし、数百件項目のQ-Aページへの自動化投資はちょっと重すぎます。

ということで、今回は、Excelファイルに質問と回答の内容を整理・編集し、Excelファイルをアップすると自動的にWebページに変換する仕組を作成しました。

レイアウトは従来のQ-AページのCSSを使っていますので、見栄えは従来のページと一見同じですが、作り方は全く異なります。

この仕組は完全に汎用というわけではないですが、お客様用のページに合わせて比較的簡単にカスタマイズできるかと存じます。
関心のお持ちのお客様には、カスタマイズして専用のものを構築致しますのでお問い合わせください。

slideshareでスライドを公開しました:「エクセルファイルをアップロードしてHTMLを自動生成」

お問い合わせ先:cas-info@antenna.co.jp