CAS-UB 6月26日改訂 (2) EPUB3、Kindle生成でCSSのテーマを追加しました。また、生成時のメモリ不足エラーを解消しました。

CAS-UBは本日の定期メンテナンスでEPUB・KindleのCSSテーマをそれぞれ22個増やしました。また、メモリ不足エラーの解消などの障害修正を行ないました。

1.CSSテーマの追加など
(1) CSSテーマを下記の表に示すとおり、22種類追加しました。
(2) テーマを横書きと縦書きに分類し、先に縦書きか横書きかを選択してからテーマを選択するように変更しました。
(3) EPUB3の「CSSのテーマ」で、従来は横書きだけ未定がありましたが、縦書きの未定が選べるようになりました。

未定を選択すると、CAS-UBで用意したCSSのテーマを適用せずにEPUB3を生成します。この場合、EPUBリーダーは自分が内蔵しているデフォルトのレイアウトを使って、最もシンプルな表示をすることになります。そこで、ご自分でCSSスタイルシートを自由に作成しやすくなります。

表 追加したCSSのテーマ

名前(日本語環境) 名前(英語環境) メモ
ブロック Block 背景色と太めの左右(上下)ラインで見出しを装飾しています。
ブロック縦書き Block Vertical
キャンディー Candy 丸っこい形とツヤで見出しを装飾しています。※ グラデーションを多用しているのでモノクロデバイスには向きません
キャンディー縦書き Candy Vertical
クロス Mesh 斜めの格子状の背景画像で見出しを装飾しています。
クロス縦書き Mesh Vertical
グルーブ Groove ブロックと似ていますが、見出しの背景は3階層までです。
グルーブ縦書き Groove Vertical
シンプルライン Simple Line 見出しを線で装飾した比較的シンプルなものです。
シンプルライン
縦書き
Simple Line
Vertical
マーカー Marker 見出しの先頭に「■」や「◆」などの記号をつけたものです。
マーカー縦書き Marker Vertical
フレーム Frame 大見出しを写真のフレームのような感じにし、それ以降の見出しも長方形ベースでまとめています。
フレーム縦書き Frame Vertical
プレート Plate 見出しを「板」のイメージで装飾したものです。
プレート縦書き Plate Vertical
ラウンドコーナー Round 見出しを角丸長方形でまとめています。
ラウンドコーナー
縦書き
Round Vertical
ヨコジマ Horizontal Stripes 大見出しを含む3階層に、横縞の背景イメージを採用しています。
ヨコジマ縦書き Horizontal Stripes
Vertical
タテジマ Pinstripes 大見出しを含む3階層に、縦縞の背景イメージを採用しています。
タテジマ縦書き Pinstripes Vertical

(4) CAS-UB V1のCSSテーマを廃止予定としました。次のCSSテーマが廃止予定となります。

  1. シンプル
  2. グリーン
  3. プレーン
  4. オールディーズ
  5. シルバーグレイ
  6. ノーマル明朝
  7. ノーマルゴシック
  8. シルバーグレイ縦書き
  9. ベーシック縦書き

2.障害修正

多数の障害修正を行ないました。《重要》このうち大きなものとしては、最近、サーバ上の出版物数が非常に多くなっており、EPUB/PDFの生成時にメモリー不足のためプログラム(プロセス)の起動に失敗してしまうエラーが発生することがありました。このメモリー不足の原因を特定し解消して、メモリ不足にならないようにしました。 (出版物の数が増えたことがメモリー不足の原因ではなく、プログラムに問題があったのが原因です。)

※この他多数の仕様変更と障害修正を行なっています。詳しくは下記のリンク先をご覧ください。

CAS-UB6/26のアップデート内容

CAS-UB 6月26日改訂予告 (1) PDFの表形式についての仕様追加と変更点

CAS-UBは、今週6月26日(木)の定期メンテナンスでいくつかの仕様改善を予定しています。

今日は、そのうちのひとつであるPDF生成における表のスタイルについての改善点をご説明します。

PDFの表スタイルについての強化と仕様変更は次の6点です。

1.表の罫線・網掛けスタイル

・従来、表の罫線と網掛けスタイルは一種類でした。今後、これをレポートと呼びます。
・新しい表の罫線スタイルとして、JIS X4051に記述されているスタイルを追加します。今後、これを組版JISと呼びます。
・PDFレイアウト詳細設定-表-表罫線のスタイルで、二つのスタイルの切り替えができます。デフォルトは組版JISです。

※将来的には罫線の太さや網の種類など自由に変更ができると良いと思われますが、当面は、両方とも固定となります。

2.表のセルの上下余白

・従来は、表のセル内テキストと上下罫線の間隔は1mmでした。今後、これをCAS旧スタイルと呼びます。
・新しく、表のセル内テキストと上下罫線の間隔は罫線がないとき文字サイズの1/4、罫線があるとき文字サイズの1/2とする設定を追加しました。今後は、これを組版JISスタイルと呼びます。
・PDFレイアウト詳細設定-表-表セル余白で、二つのスタイルの切り替えができます。デフォルトは組版JISスタイルです。

3.表のセル内文字サイズと行の高さのデフォルトを変更

従来、表のセル内文字サイズのデフォルトは1em、行の高さのデフォルトは1.5emでした。今後、デフォルトを、表のセル内文字サイズは0.8em、行の高さは1.2emに変更します(emは本文文字の大きさです)。

セル内の文字サイズ、行の高さとも変更できます。設定したい数値は本文の文字サイズを1とした相対値で記入します。単位はemです。[1]

4.図表キャプションとキャプション番号の文字サイズのデフォルトを変更

従来、図表キャプションのテキストとキャプション番号文字サイズのデフォルトはいずれも本文と同じ値(1em)にしていました。今後は、0.8em(本文文字サイズの80%)をデフォルト値に変更します。

図表キャプションのテキストとキャプション番号の文字サイズはいずれも、数値を直接入力して望みの値に変更できます。

サンプル
次にサンプルを示します。サンプルの文字サイズは本文10.5ポイントで表のキャプションと表内テキストの文字サイズは0.8em、表セル内の行の高さは1.2emです。

default-check-jis-jis
PDFサンプル
図1 罫線・網掛けスタイル:組版JIS、表セル余白:組版JISスタイル

default-check-jis-cas
PDFサンプル
図2 罫線・網掛けスタイル:組版JIS、上下余白:CAS旧スタイル

default-check-report-jis
PDFサンプル
図3 罫線・網掛けスタイル:レポート、表セル余白:組版JISスタイル

default-check-report-cas
PDFサンプル
図4 罫線・網掛けスタイル:レポート、上下余白:CAS旧スタイル

5.図表のキャプションのレイアウト

「図表キャプションの文字位置」→「行頭寄せ」で、「図表番号の付与」→「付与する」で、キャプションが2行以上に渡る場合、2行目以降を番号の後の位置にインデントするように変更しました。

6.PDFのテーマのうち廃止予定であった項目をメニューから削除

PDFテーマで廃止予定としていた、「一般書籍用横書きV1」、「一般書籍用縦書きV1」、「内容をそのままV1」の3項目をメニューから削除しました。

PDFThema

(注意)PDFサンプルの本文には参考文献へのリンクがありますが、サンプルPDFでは1ページだけ抽出したためリンク無効になっています。

[1] なお、フォントサイズ単位はem以外にmm、in、pt、lhが有効です。

CAS-UB上級テクニック: Kindleストアで販売する電子書籍の目次や移動メニューの作成方法。

今日は、6月12日の「Kindleストアで販売する電子書籍の目次や移動メニューの作成方法。特に、ランドマークの扱いの後退について。」の続きとして、CAS-UBでKindleストア向けの本を作る上級テクニックを説明します。[1]

CAS-UBにはKindle版を直接生成する機能がありますが、こちらは目次の作り方が固定です。それに対して、今日説明する上級テクニックを使えば、目次のパターンを使い分けられます。

1.作業の流れ

上級者は、CAS-UBの機能でEPUB3を生成し、KindleGenでEPUB3からmobiに変換する方法を使うと良いでしょう。そうすると、CAS-UBの目次設定をフル活用できますし、必要であればEPUBの目次を自分で編集できます(次図)。


Kindle

なお、KindleGenを使う代わりにKindlePreviewerでもEPUB3からmobiへの変換ができます。今回はKindleGenで説明します。

2.準備:KindleGenの用意

最初にKindleGenについて簡単に紹介します。KindleGenは、アマゾンのサイトから自由にダウンロードできます。Windows版、Mac版、Linux版がありますので、ご自分のPC環境にあった版をダウンロードします。現時点の最新版はバージョン2.9です。

KindleGen

以下、Windows版の例です。KindleGenはZIP形式で配布されていますのでダウンロードしたら自分のPCで任意のフォルダーに解凍します。フォルダーの内容は次のようになります。kindlegen.exeが、プログラム本体です。

KindleGen

KindleGenで、EPUB3をmobi形式に変換するのは次のように行ないます。
①WindowsのDOS窓を開く。
②カレントフォルダーをkindlegen.exeがあるフォルダーに変更します。
次の図は、仮に、c:ドライブのtempの下のKindleGenというフォルダーに解凍しています。
③コマンド入力状態になりますので、kindlegen(プログラム名)を入力し、その後ろに変換元EPUB3ファイルをドラッグ&ドロップ、-oの後ろに出力ファイル名を入力します。
④この状態でEnterキーを押すと処理を開始します。
④正常終了というメッセージが出て、EPUB3と同じフォルダーにmobiファイルが作られます。

KindlegenStart

これでEPUB3からmobiへの変換は準備完了です。

次にEPUB3の目次生成の設定とKindleアプリでの目次の表示の関係について説明します。

3.CAS-UBのEPUB3目次関係設定とKindleの目次の対応関係

前回の説明をもう一度整理します。CAS-UBのEPUB3生成「一般」メニューでは目次関連の項目が3つあります。それぞれKindlePreiewerのコンテンツ・ナビゲーション用メニューに対応します。対応関係を整理すると次の表の左端欄(CAS-UB)、左から2つ目の欄(KindlePreiewer)のようになります。

CAS-UBのEPUB「一般」設定 KindlePreviewer表示 AndoridのKindleアプリ iOSのKindleアプリ KindlePaperWhite
Navの目次 NCX表示 パネル移動メニューの目次 パネル移動メニューの目次 移動パネルの下部
本文の目次 本文の目次 本文の目次 本文の目次 本文の目次
Navのランドマーク 移動 表示されない パネルの一部 移動パネルの一部に割り当て

(注意)KindlePreiewerはV2.9、AndroidのKindleアプリは4.5、iOSのKindleアプリは4.3

実際に提供されているKindleアプリは、かなり頻繁にバージョンアップされています。
例えば、iOSのKindleアプリは、4.1.2(2014年2月5日)まで、パネル移動メニューに目次が表示されませんでした。しかし、4.2(2014年4月23日)でパネル移動メニューに目次が表示されるようになりました。また、Android版Kindleアプリは4.4では目次項目が正しく表示されていませんでしたが、4.5で正しく表示できるようになりました。

このように、パネル移動メニューはかなり頻繁に修正されています。現時点の最新版でAndroid版とiOS版で表示が同じになりました。

4.CAS-UBの設定

toc-0621

(1) 「本文の目次」は、HTML形式で作成した目次です。EPUB3で使えるCSSレイアウトを指定できます。もちろん縦書きも設定できます。従ってCAS-UBの設定では本文目次は常に「生成する」とすると良いでしょう。

Screenshot_2014-06-21-18-51-05
図 本文目次の例

(2) 次に「Navの目次」はEPUB3仕様に準拠するためには必須です。常に生成しますが、その内容としてCAS-UBでは次のどちらかを指定できます。

①論理目次を選ぶと、本文目次と同じように見出しを並べた目次とします。
②ランドマークを選ぶと、書籍の大枠の構造とします。(3番目のランドマークと同じ内容になります。)

具体的な例を示します。最初は本文目次と同じように見出しを並べた例です。本文目次との相違は、縦書きなどのレイアウト指定をしても実際にはリーダーが対応していないので意味がないことです。

Screenshot_2014-06-22-12-32-38
図 本文目次と同じように見出しを並べた目次

本文目次と同じように見出しを並べた場合、Androidアプリ、iOSアプリとも、現在のバージョンでは見出しの階層を折り畳みません。このため目次の項目が多いと見出しが縦に長くなってしまいます。あまり縦長になる場合、生成する階層を最上位だけにするのが良いでしょう。

Screenshot_2014-06-22-12-37-29
図 書籍の大枠の構造(ランドマーク)

このようにNavの内容をランドマークにすると項目が少なくなり、すっきりします。

見出しを並べるか、ランドマークにするかは、体裁の方針や書籍の内容によって決めると良いでしょう。

[1] Kindleストアで販売する電子書籍の目次や移動メニューの作成方法。特に、ランドマークの扱いの後退について。

7月8日AH Formatter事例紹介セミナーのお知らせ 参加者募集中(終了しました)

2014年7月8日に「AH Formatter 事例紹介セミナー」を開催します。今回は、XSL-FO の第一人者である Tony Graham 氏をアイルランドから招き、学術情報誌組版への『AH Formatter』の利用経験を踏まえての特別講演(同時通訳付)を行っていただきます!通常の事例紹介セミナーでは聴く機会がないビッグチャンスです。参加費は無料です。是非ともご参加ください。
事例紹介セミナーの詳細とお申し込み方法

AH Formatter事例紹介セミナーは終了しました。

IBM EPUBを社内文書の標準として使う

2月に「IBMがEPUBを社内文書の一つに正式採用」というニュースが流れました。[1]そのとき、IBMがEPUBについての白書を出すという予告がありました。5月27日にその白書が公開されました。白書自体もEPUB3になっています。

○ニュース:EPUB to Create Rich, Inclusive Content Across the Enterprise
Transforming the Mobile Experience – full paper(白書)(EPUB版の白書)

以下はその概要です。ざっと一読して記録したメモですので、詳しくは各自原文をご確認ください。

○はじめに
・コンテンツをモバイル環境向けに仕立てることを考える時期である。

○EPUBとは何か?
・EPUB3についての概要と期待

○なぜEPUBなのか?
EPUBは会社の新しい文書標準である。その理由は:
・PDFとHTMLではモバイルに不十分
・EPUBは標準であり、オープンなWeb技術ベースである
・アクセシビリティ
・PDFよりコンパクト
・対話的な文書ができる、クラウドサービスとの連携
・PDFを作るソフトのライセンスは高価
・EPUBリーダーは多い
・HTML5ベースなのでPDFより翻訳、データマイニングと分析に使いやすい
・IBMはDITAを基本の文書形式としており、DITAの生成物にEPUBを追加するのは容易
・Readium Foundationで問題を解決している
・IDPFとW3Cによる標準化推進

○製品のドキュメンテーションはDITAを使ってEPUBにする
・DITAはIBMが最初開発し、OASISに寄贈して標準となった。既に幅広い業界で利実績がある。
・IBM社内ではDITAをすべての製品のドキュメントに利用している。200万以上のトピックから1000万以上のWebページとPDFを生成している。
・DITA Open Toolkitのカスタム版でDITAからPDF, HTML, OpenDocument, RTF,ヘルプを生成している。EPUBはDITA for Publishersを使える。

○学習コンテンツを配布するためDITAとFrameMakerでEPUBにする
・EPUBは学習コンテンツを様々なデバイスに配布するのに適切である。
・DITAは、モジュール化した学習コンテンツの開発をサポートしている。Overviewトピック、Contentトピック、Summaryトピック、Assessmentトピックという学習トピック型がある。
・学習マップにより組み立てができる。
・IEEEのLOM(Learning Object Metadata)に従うメタデータドメインがある。
・Adobe FremaMaker12は、学習・訓練用のコンテンツをDITAでオーサリングするためのビルトインサポートがある。

○Adobe のInDesignでEPUBを作る
・ブランドマーケティング分野ではInDesignでPDFを作ることが多い。
・InDesign12からEPUB出力をサポートしている。
・DITAをInDesignにインポートしInDesignで洗練されたレイアウトのEPUBを作ることができる。DITAからOTで生成物の自動作成のと両方ができる。

○アクセシビリティの機能強化
・アクセシビリティの中核はオープンなWebにある。
・SVGにアクセシビリティを追加したSVG2が開発されている。SVG2をEPUBに組み込めば、アクセシブルな図版を提供できる。

○EPUB Reader
・EPUB Readerについては、Readium Foundationに期待している。しかし、Readiumはまだ実用的になっていない。
・IBMは暫定的な解決策を探した。IBM全社員向けのシステムはブラウザベースのEPUBリーダーが好都合である。Lucifox EPUBリーダーというFireFox用プラグインを採用し、Lucifoxに対してアクセシブルな機能を追加した。これは現在IBMの40万のシステムに組み込まれている。

[1]「米IBMが電子書籍ファイルフォーマットEPUB3を社内文書の1つに正式採用」、というニュースに接して。EPUBの現状と今後を少し考えてみる。

EDUPUB プロファイル仕様 (5/28ドラフト) のあらまし

EDUPUBプロファイル仕様(EPUB 3 EDUPUB Profile)のあらましは以下の通り。

■全体
EDUPUBプロファイルは、EPUB3の機能を、教育出版で要求される構造、意味、挙動に合わせるもの。

EDUPUB適合の出版物は、EPUB3として妥当な出版物である。しかし、EDUPUBでは追加の要求項目があるのでEPUB3として妥当であるからといって、EDUPUBとして妥当であるとはいえない。

○コンテントに関する追加準拠項目
・コンテント文書に関する構造
・意味構造はEDUPUB Structural Semanticsに従う
・ナビゲーションに関する要求
・メタデータに関する要求
・注釈を埋め込むことができる

○リーダーの準拠項目
・EPUB ウィジットを可視化する
・マルチプルレンディションのサポート(Should)
・注釈のインポートと可視化できる

○文書モデル
・リフロー型の利用を強く勧める
・固定レイアウトについては中立
 XHTMLベースの固定レイアウトを強く勧める。デフォルトがイメージのときは、アクセシブルなレンディションを含める
・複数のレンディションを含めてもよい
・教師のためのガイドのための意味構造は含まない。(将来のバージョンとして検討中)。当面、注釈を使う。

■コンテント文書に関する構造
・関連する内容をセクション要素でグループ化しなければならない
・タイトルと見出し。タイトル付セクション、タイトルなしのセクション、深いネスト、に関する制約が厳しい。
・印刷版があるなら、ページ区切り記号を含めることを推奨、そのときpage-list nav要素を含めること。
・イメージの要件
・配布可能な教育オブジェクト(EPUB Distributable Object)

■意味構造
・意味構造を示すための用語をEDUPUB Structural Semanticsで定義し、これを出版物内のマークアップと用語で示す。

■ナビゲーション
・完全な目次(toc nav)を含めること
・簡易目次(toc-brief nav)を含めてもよい。
・図版、表、ビデオ・オーディオのリストを含めるべき
・ページリスト

■ウィジット
・ウィジットを含めるときは、EPUB Widget Packaging and Integration仕様に準拠する。

■評価、成果、分析
・IMS Caliper, QTI, LTIの統合

■出版物のメタデータ
EDUPUBを含める
・教育メタデータ
・アクセシビリティ・メタデータ

■注釈
・Open Annotation in EPUBに準拠する注釈を表示できること

[1] EDUPUB ボストン・ワークショップとその後の展開

2014年7月8日に「AH Formatter 事例紹介セミナー」を開催します。今回は、XSL-FO の第一人者である Tony Graham 氏をアイルランドから招き、学術情報誌組版への『AH Formatter』の利用経験を踏まえての特別講演(同時通訳付)を行っていただきます!通常の事例紹介セミナーでは聴く機会がないビッグチャンスです。参加費は無料です。是非ともご参加ください。
事例紹介セミナーの詳細とお申し込み方法

EPUB標準化関連活動のアップトゥデイト 2014/6/15

EPUB標準化関連活動について、前回、1月までの進展を整理しました。[1]今日はその続きです。

1.EPUB 3.0 本体
EPUB 3.0.1 概要
変更点

○進捗
2月28日にドラフト仕様からIDPFのProposed Specification(February 28, 2014)となる。
~4月25日 パブリックレビュー
現在、勧告仕様化のためのIDPFメンバー投票中。投票期間は6月11日~6月25日まで。

2.関連プロファイル仕様
1)EPUB Index(索引)
EPUB Indexes 1.0
2月28日にProposed Specificationに進んだ。

2)ハイブリッドレイアウト (Advanced-Hybrid Layout Working Group)
3月26日にパリでワークショップを開催。
IDPF Workshop on EPUB Comics/Manga – March 26 (Paris)
内部的に改訂されているが、公開されている仕様はドラフトの状態から進展していない。

3)EPUBの辞書と用語集(Dictionaries and Glossaries working group)
EPUB Dictionaries and Glossaries
2月に公開ドラフト第一版が発表された。

4)注釈:Open Annotation (EPUB)
Open Annotation in EPUB
5月28日に公開ドラフト第二版が発表された。

5)EDUPUB
EDUPUBはもっとも活発です。2月から5月までの進捗は次の通りです。
① ワークショップ
a.2月にソルトレークシティで第2回ワークショップを開催
EDUPUB Salt Lake City Workshop Report
ポイントは次の通り。
*第一回のBoston ワークショップからの進展について。最初のパネルでEPUBを教育コンテンツの配布媒体として利用することが実践的かどうかを議論。
*評価、結果、分析に関して。たとえば、IMSのQTI、Caliper分析フレームワークにより、結果を集めたり、リアルタイムのレベル付けすること、などについてプレビュー。
*第一回ワークショップ後にIDPFに二つのサブグループができた。各WGからの報告があった。
**コンテント・グループはEPUBのマークアップ・プロファイルを作成中で、ワークショップ前に最初のEditor’sドラフトを出した。
**二つ目のグループは学習オブジェクトのような、分離したオブジェクトの配布を検討している。ドラフトは近々出す予定(2/27時点)。(5/28公開のEPUB Distributable Objectsが該当するのだろう)。
**shcheme.orgのメタデータを統合するガイドができた。
JEPAによる日本での報告会
b.6月にオスロでの第3回ワークショップを予定
EDUPUB Europe 2014
EDUPUB Europe Program June 19, 2014

②仕様案
EDUPUB関連の公開資料リスト

5月28日に、EDUPUBプロファイルなどのドラフト仕様が公開された。これらの仕様をオスロのワークショップでレビューする予定である。

EPUB 3 EDUPUB Profile
EDUPUB Structural Semantics
・Open Annotation in EPUB (上記)
EPUB Distributable Objects
EPUB Widget Packaging and Integration

[1]EPUB標準化関連活動のアップトゥデイト 2014/1/18

Kindleストアで販売する電子書籍の目次や移動メニューの作成方法。特に、ランドマークの扱いの後退について。

アマゾンのKindleストアで販売する電子書籍(KF8形式、拡張子はmobi)を作るには、アマゾンが配布しているKindleGenという変換ソフトを使ってEPUBからmobiに変換します。KindleGenはEPUB以外の入力も受付ますが、EPUBが一般的です。

最新のKindleGen2.9を使うならば、変換元とするEPUBの作り方には二種類あります。

(1) EPUB2をベースに、Kindle独自の機能を追加した独自EPUBを準備する。
(2) EPUB3仕様に完全準拠のEPUBを準備する。

KindeGenは2013年2月18日に比較的大きなバージョンアップを行い、KindleGen2.8となりました[1]。KindleGen2.7以前は(1)のEPUBを用意する必要がありましたが、KindleGen2.8以降は(1)と(2)のいづれかのEPUBを入力形式として扱えます。KindleGen2.8から2.9のバージョンアップは小さな機能追加であり、入力EPUB形式については変わっていません。

以下、本ブログのテーマは、(2)の方法でEPUB3を作成するときを対象にします。そして、その目次がKindleGenとKindleのリーダーでどのように扱われるかに関して、最近の状況を整理するものです。

EPUBにおける目次の種類

紙の書籍では目次のレイアウト形式や製本時の配置は確立しています。しかし、EPUBでは目次のレイアウトや配置は確立していません。

現在、EPUBリーダーで使える目次機能には、主に次の種類があります。

(a) EPUBの本文コンテンツと同じ扱いのXHTML形式ファイルで目次を用意し、本文の一部として配置する。
(b) EPUB専用のナビゲーション用の目次という機能を使って目次を作成する。
(c) さらにEPUB3のランドマークという機能で、表紙、目次、まえがき、本文、などのような書籍の構造の骨組みをあらわす。

(b)、(c)はEPUB2の頃からの歴史的な機能をEPUB3でナビゲーション文書仕様として設定し直したものです。[2]

この(a)~(c)の目次機能の実際の使い方については、版元やEPUBリーダーによってばらばらになっています。このことは過去に何回か本ブログで説明しています。たとえば、「EPUBのナビゲーション目次とランドマークの使い方の再検討が必要。」を参照してください。[3]

KindlePreviewerでの表示

アマゾンはmobiファイルの内容をPC上で表示確認するツール「KindlePreviewer」を配布しています。これはKindleGenで作成したmobi形式の電子ファイルを販売前にチェックするためのツールです。KindlePreviewer2.9でmobi形式を表示するとき、(a)~(c)の目次を確認するメニューがあります。次の図は3種類の目次をKindlePreviewerで表示したところです。

KinPre-toc
(a) KindlePreviewerの本文目次画面

KinPre-ncx
(b) KindlePreviewerのナビゲーション目次画面

KinPre-ido
(c) KindlePreviewerの移動メニュー
KindlePreviewerの移動メニューは、もともと設定されている項目と、ランドマークに指定した項目を合成して構築されます。

CAS-UBでの3つの目次の生成設定方法

CAS-UBではV2.2以降、(a)ナビゲーション目次、(b)本文目次、(b)ランドマークの3種類を自動生成する機能を用意しました。これについては、「EPUB目次自動作成機能を大幅に強化! CAS-UB V2.2 を正式版としました。」を参照してください。[4]

CAS-UBでEPUBを生成する際に、編集画面で「生成」→EPUB3「一般」で、EPUB3に(a)~(c)を含めるかどうか、含める場合どのような内容にするかを設定できます。次の図は「一般」メニューの一部で、朱枠が目次関連の設定項目を示しています。

landmark1
図 CAS-UB V2.2のEPUB生成「一般」設定

これらの設定を変更してから「保存」し、EPUB3を出力すると指定した目次をもつEPUBを作ることができます。

次回はCAS-UBで設定したこれらの目次が、最近のKindle電子書籍リーダーでどのように扱われているかを説明します。(続く「CAS-UB上級テクニック: Kindleストアで販売する電子書籍の目次や移動メニューの作成方法。」)

[1] KindleGen リリースノート
[2] 2.2.4 EPUB Navigation Document Definition
[3] EPUBのナビゲーション目次とランドマークの使い方の再検討が必要。
[4] EPUB目次自動作成機能を大幅に強化! CAS-UB V2.2 を正式版としました。