『マニュアルEPUB化ハンドブック2015年版』紙版もアマゾンで販売開始。制作期間等を整理しました。

『マニュアルEPUB化ハンドブック2015年版(EPUBマニュアル研究会報告書)』のアマゾン販売準備がすべて整いました。販売リンクは次の通りです。

1.Kindle版
2. 紙(POD)版

以下に、これまでの経過を整理します。ブログで、先日、『マニュアルEPUB化ハンドブック2015(EPUBマニュアル研究会報告書)』をアマゾンのKDPで販売開始をご紹介しました[1]

その後になりますが紙本(プリントオンデマンド版)が納品となりました。
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紙の本はBPIAの総会にて編著者の木村氏より紹介していただき、総会参加の皆様に即売しましたところ、販売予定部数を超えて売れました。お蔭さまで初のPOD増刷決定です。紙の本は現物を手に取ってご覧いただける点が良いですね。それに著者の方々にも喜んでいただけます。

少し遅れましたが、アマゾンのe宅に登録し、紙の本もアマゾンで販売開始です。
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アマゾンのWebでは、現在、在庫なしになっていますが、昨日アマゾンの倉庫に1冊送付しましたので、近々在庫1になる見込みです。e宅販売の場合1冊売れる毎に、弊社の倉庫からアマゾンに送付して在庫とします。

この間の所要日数を整理しますと次の通りです。

1.11月3日(休日) 編著者(木村氏)より最終原稿を受け取り
2.11月4日(火)~11月11日(火) アンテナハウスにてCAS-UBを使い、編集作業。PDFを対象とする図形の大きさ指定。表紙制作、用語の統一(ラテン文字の大文字・小文字記法統一など)、句読点の統一、索引作成など[3]
3.11月12日(水)POD本の制作を外注(~11月19日POD本出来上がり予定)
4.11月12日(水)~13日(木) CAS-UBでKDP用のEPUBを作成。(表紙の調整、Kindleのリーダーで内容を確認など)[4]
5.11月14日(金)KDPに登録
6.11月17日(月)よりKDPにて発売
7.11月19日(水)POD本25冊納品
8.11月20日(木)BPIA総会にて報告・販売
9.11月27日(木)e宅に登録

原稿入手からすべての作業を一通り完了するまで大体3週間程度となります。但し、日程は原稿のボリューム、完成度によります。また、編集作業としては原稿の文章の修正は原則として行っておりません。文章の確認を行うとしますと、著者とのやりとりが必要になりますし、そのための期間が必要になります。

研究会の報告書をPODで制作、KDPで販売するのは、研究会成果を公共的に共有する上で大きな意味があると思います。ちなみに、国会図書館にも2冊の納本を予定しております。

アンテナハウスではCAS-UBによる報告書の制作を受け賜りますので、詳しくはお問い合わせください。予算がない場合はプロフィットシェア・モデルも可能ですので、ぜひご相談ください。

[1] 『マニュアルEPUB化ハンドブック2015年版(EPUBマニュアル研究会報告書)』発刊しました
[2] 『マニュアルEPUB化ハンドブック2015年版  EPUBマニュアル研究会報告書』
[3] 『マニュアルEPUB化ハンドブック2015年版』近日発売(POD版)の索引作りに励みました。CAS記法(簡易マークアップ)でこんな索引を簡単に作れます。索引をうまく作るには内容の理解が欠かせません。索引に完成版はないような気がします。
[4] Kindleの図形の大きさはCSS標準なのでPDFの指定はそのままでOKですが、もしiBooksにするならば図形のサイズ指定の変更が必要になります。電子書籍(EPUB)で画像の大きさを指定したいとき:CAS記法とCSSの書き方まとめ

ニューズレターやメルマガPDF/EPUBのモバイル向け配信サービス 無償セミナー開催

11月28日15時より市ヶ谷にて、iOSアプリによる会員制情報配信に関する無償セミナー開催します。

セミナーは終了しました。ご参加くださった方々にお礼申し上げます。資料はスライドシェアにございますのでご覧ください。

11月28日セミナー資料をスライドシェアにアップしました。

アンテナハウスが紹介するニューズレター配信サービスとは、ニューズレターやメールマガジン(以下、メルマガ)をモバイル向けに電子書籍で配信するサービスで、確実に読者の手元に届きます。オフラインでも、込み合った電車の中ででも、いつでもどこでもゆっくり読んでもらえます。会員認証への対応も可能です。

11月17日から、この応用例の一つとして、『E-Book 2.0 Magzine』のiOS版をアップル社のApp Storeより配布が始まりました。本セミナーでは、このアプリやソリューションの仕組みなどについてもご紹介します。ソリューションを一緒に推進することに関心をお持ちの方もぜひご参加ください。

セミナーの詳細とお申込みはこちら:http://kokucheese.com/event/index/231847/

■iOSアプリはこちらからダウンロードできます(無償)。
『E-Book2.0 Magazine:出版メディアの現在をグローバルに読む週刊ニューズレター』(iTunesよりダウンロード)
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11月28日セミナーの資料です。Slideshareでご覧いただけます。

1.アンテナハウス電子出版サービスのご案内(石井)

2.ニューズレター配信サービスのご案内(小林)

【関連情報】
1. 会員情報をEPUBとPDFとして、iOSアプリで配信するソリューションを開発、サービス開始
2. 確実に・いつでもどこでも・ゆっくりとニューズレター配信サービス

『マニュアルEPUB化ハンドブック2015年版(EPUBマニュアル研究会報告書)』発刊しました

アンテナハウスのCAS電子出版は、『マニュアルEPUB化ハンドブック2015年版(EPUBマニュアル研究会報告書)』のアマゾンKindle版を発売開始しました。

本書はビジネスプラットフォーム革新協議会(BPIA)に設置されたEPUBマニュアル研究会の2014年度の研究成果の集大成です。EPUBマニュアル研究会は、木村修三座長(片貝システム研究所)のもとに、主に業務マニュアルにEPUB採用を検討する企業・団体の有志、マニュアル専門家、およびベンダー(アンテナハウス。ソフトウェアパートナー)などの代表で構成された研究会です。

2014年度は研究会の第2年度にあたり、今年は各社で作成している、あるいは、新たにEPUB化を検討している業務マニュアルを持ち寄ってEPUB化してみる、ということを中心に実践的な研究を行いました。

業務マニュアルは、現在、Microsoft Wordを使って執筆されていることが多いことから、Wordを使って作成した業務マニュアルを、CAS-UBでEPUBにする方法を実際に試してみていろいろな問題を抽出して検討するということが中心になりました。

具体的な内容は、ぜひ、本報告書をお読みいただければと思います。

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Amazon Kindle 版のリンクはこちらです:http://www.amazon.co.jp/dp/B00PM0963K/

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図1 第1章の先頭(Android版Kindleアプリの画面)

テクニカルライティングの専門家である高橋慈子氏による業務マニュアルの企画から執筆の方法についてのレクチャーも有意義でした。本書第2章にはレクチャーの内容を整理した形で文章としても記載されています。この章もお勧めです。

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図2 第2章の先頭(同上)

本書の詳しいご案内はこちらにもございます。

『マニュアルEPUB化ハンドブック2015年版  EPUBマニュアル研究会報告書』

会員情報をEPUBとPDFとして、iOSアプリで配信するソリューションを開発、サービス開始

11月17日、アンテナハウスとオブジェクトテクノロジーと共同でニューズレターなどの会員情報をEPUB形式にしてiOSアプリの配信を始めたことを発表しました。

E-Book 2.0 Magazine の iOSアプリを提供開始

詳しい内容は、ニュース・リリースをお読みいただくとして、iOSアプリにすることで何が変わるかを整理してみましょう。

1.e-メールからアプリへ

ニュースレターやメルマガなどの会員制情報は定期的発行されます。従来は、毎号、購読会員向けに記事の見出しや本文を電子メールで通知しているものが多いでしょう。

しかし、ご承知のように電子メールは無償ということもあり大量のスパムが配信されています。折角会員向けに配信したメールはスパムメールの山にうずもれてしまいます。この結果、読んでほしい記事を読んでもらえる割合、あるいは、クリックレートは低下の一方です。

会員向けのニューズレターが読んでもらえないことでは意味がありません。また、ひいては契約更改にも影響があります。

そこで、モバイル向けのアプリの登場です。専用のモバイルアプリを使って情報を配信すれば会員に情報が見られない、ということはほとんどなくなります。

2.テキスト・WebからEPUB/PDFへ

本アプリの特徴は、配信コンテンツをEPUBとPDFで表していることです。

従来のコンテンツは。テキスト(文字のみ)か、Webページで配信されていました。

コンテンツの形式として、EPUB/PDFにすると何が良くなるでしょうか?

まず、テキストに比べると表現能力が格段に高くなります。

Webページは、綺麗にレイアウトされているというメリットはあります。しかし、Webブラウザはコンテンツをじっくり読むためには向いていません。ブラウザはナビゲーションする、つまり多くのリンク先をざっと見て回るためには良いのですが、じっくり読もうとするとあまり向いていないと思います。じっくり読んでもらうにはWebではなくて、PDF(紙)あるいはEPUBがより向いています。

3.会員向け情報とオープンアクセス(無償)情報

モバイルアプリを使うことで、会員向けの有償情報と誰でも読めるオープンアクセスの情報を相手によってアプリで切り替えることができるようになります。

この他、アプリを使って情報配信するメリットはもっといろいろありそうです。こうしたメリットを勘案しますと、いずれは、会員向けの情報を電子メールで情報を配信するということは少なくなって。モバイルアプリで配信するようになるものと予想します。

ということで、11月28日にセミナーを開催致しますので、関心をお持ちの方はぜひご参加ください。

無料セミナー:ニューズレターやメルマガPDF/EPUBのモバイル向け配信サービス

■iOSアプリはこちらからダウンロードできます(無償)。
『E-Book2.0 Magazine:出版メディアの現在をグローバルに読む週刊ニューズレター』(iTunesよりダウンロード)

【関連情報】
1. ニューズレターやメルマガPDF/EPUBのモバイル向け配信サービス 無償セミナー開催
2. 確実に・いつでもどこでも・ゆっくりとニューズレター配信サービス

多言語EPUBの作成において考慮すべき技術要件

先日に引き続き、EPUB3で多言語混在の文書を作るために、考慮にいれるべきことを整理してみます[1]

第一:言語の指定

EPUBファイルでは、日本語、英語、中国語というような言語の中でパッケージのデフォルトとなる言語を指定します。これはパッケージのメタデータに言語を指定するdc:languageという要素があり、そこに指定します[2]。このほか、メタデータの要素によっては言語を指定できるようになっています。

本文中で複数の言語を混在させるときには、コンテンツの各ファイル、またはその一部の要素やテキストの範囲に対して言語を指定します。

EPUB3のコンテンツの表現(XHTML5)では、任意の要素にlangまたはxml:langで言語を指定できます。xml:langはHTML形式とXHTML形式に移行しやすくするためのものなので、必ずlangが同時に指定されていなければなりません[3]。XHTMLをサポートしていないXML処理系で使うことを想定するのでなければ、XHTMLとして使うときでもlang属性のみを指定すれば良いことになります。

さらに、言語だけではなくてスクリプトを指定しなければならない場合があります。例えば、日本語文章で良く使われる外来語は、カタカナで表すこともラテン文字で表すこともできます。もっと、極端な例を挙げますと、ウイグル語のように、政治的な理由で、アラビア文字、キリル文字、ラテン文字、アラビア文字による表記強制を変遷している言語もあります。このように言語が同じでもスクリプトが変わることがあるわけです。但し、Unicodeでは文字コードからスクリプトを推定できることが多く、明示的に指定しなくてもあまり問題にはなりません。

第二:ページを読み進める順序

多言語文書では、ページを読み進める方向、ページの中で文字を書き進める方向を指定したいことがあります。日本語では同じ文書を、横書きでも縦書きでも表記できます。

EPUBでは、ページを読み進める順序は、spineの中のpage-progression-direction属性で全体のデフォルト値を指定します[4]。横書き、縦書きといった、文字を読み進める方向は、ファイルごとにwitiring-modeで指定できます。ページ単位で読む進める方向を変更できます。つまり縦組みの書籍(右開き)を指定しておき、一部のページを横組に指定できます。

日本語の縦書き書籍では、本文は縦組み、参考文献や索引は横書きというような例が頻繁に発生します。一冊の書籍に異なる読み進め方向を指定することはファイル単位ではできますが、現在のEPUBの仕様では、縦組みの書籍の中で後付け(たとえば、参考文献と索引)を複数のファイルで表現し、その後付け全体を左開きにするような指定はできません。

同じような理由で、英語(左開き)とアラビア語(右開き)を一つのパッケージにすることは現在のEPUB3仕様ではできません。

第三:文章中の多言語テキストの表示(表記)

第三は、文章の中で多言語の記述が存在していたときに、それをうまく表示できるかどうか、ということが問題になります。EPUBではコンテンツをUnicodeの文字列で表します。その文字列をEPUBリーダーが正しく表示できるかどうかということです。日本語や中国語のように、原則として正方形の文字を並べるだけの表記をするときは、Unicodeのコードポイントから文字の形を表示すれば良いので処理は簡単です。但し、縦書きでは句読点など一部の文字の形を入れ替える必要があります。

しかし、アラビア文字、インドの文字、東南アジアの文字は、Unicodeのコードポイントから文字の形にするだけでは足りません。アラビア文字、インドの文字は複雑なリガチャ処理が必要です。また、東南アジアの文字は文字コードの並びから音節を組み立てる処理が必要です。このような言語はEPUBリーダーがスクリプトを処理する機能を備えていないと正しく表示できません。

Unicodeの漢字は、日本語、中国語(簡体字)、中国語(繁体字)、韓国語で同じ字体の漢字を一つのUnicodeのコードポイントに割り当てているため、Unicodeのコードポイントだけでは言語を決めることができません。漢字の中には、日本語、中国語(簡体字)、中国語(繁体字)で同じ字体であっても、字形が微妙に異なるものがあります[5]

現在のEPUBリーダーの多くは、多言語を表示できるフォントを内蔵しています。しかし、日本語のフォントで中国語の漢字を表示したりすると、現地のユーザーが違和感を感じる結果になります。そこで、特にCJKが混在するときは言語またはそれに代わるタグ・属性の指定が必須となります。

実用的な多言語のEPUBを作成するには、このようなことを考慮してEPUB3を作るにはどうすると良いか、また、そうして作ったEPUBファイルをEPUBリーダーがうまく表示できるかを調べてみなければなりません。

[1] この記事は、10/25:CAS-UB:多言語機能に魂を入れるため、ドキュメントの多言語化と、EPUBの多言語化を考える、10/29:Noto Sans CJK, Source Han SansフォントとAH FormatterによるPDF生成の続きです。
[2] The DCMES language Element
[3] 3.2.5.3 The lang and xml:lang attributes
xml:lang属性はXMLの仕様で定義された汎用属性。lang属性はHTML/XHTML仕様で導入されている属性です。
[4] 3.4.12 The spine Element
[5] 字体とは字の形の抽象的な概念。字形は具体的な字の形。字形はグリフとも言う。

電子書籍(EPUB)で画像の大きさを指定したいとき:CAS記法とCSSの書き方まとめ

EPUBでイメージ(画像)の表示サイズを指定する方法について、CAS記法によるコンテンツの書き方とCSSの書き方を整理してみました。

イメージはブロック配置するときと、インライン配置するときがあります。また、EPUBリーダー毎に挙動が違う(特に、iBooksは特殊[2])ため、できるだけいろいろなEPUBリーダーで有効になる指定方法を工夫する必要があります。

1.ブロック配置のイメージ
(1) コンテンツ(XHTML)
(a) CAS記法のマークアップ
[[[
{{画像ファイル名}}
]]]

(b) EPUB内コンテンツ(XHTML)のマークアップ
<div>
<img src=”画像ファイルへのパス” … />
</div>

(2)レイアウト指定(CSS)
div {
width:X%;
}
div img {
width:100%;
}

(3)説明
img要素に直接サイズを指定するとiBooksでは有効にならないため、イメージをdiv(ブロック範囲指定)要素で囲み、そのブロックの幅を指定します。img要素には幅100%を指定し、イメージがそのブロック内にぴったり収まるようにします。

2.インライン配置のイメージ
(1) コンテンツ(XHTML)
(a) CAS記法のマークアップ
[[[{{画像ファイル名}}]]]

(b) EPUB内コンテンツ(XHTML)のマークアップ
<span><img src=”画像ファイルへのパス” … /></span>

(2)レイアウト指定(CSS)
span {
display:inline-block;
width:Xem;
}
span img {
width:100%;
}

(3)説明
img要素に直接サイズを指定するとiBooksでは有効にならないため、イメージをspan(インライン範囲指定)要素で囲みます。インライン要素に指定した幅はCSS仕様上無視されます[3]のでdisplay:inline-blockとしてインライン要素の幅を指定します。img要素には幅100%を指定し、イメージがその中にぴったり収まるようにします。

3.CSSファイル
CSSの設定内容はstyle.css(ファイル名)で保存し、CAS-UBの「スタイルシート」メニューでアップロードします。すると、EPUB生成では、コンテンツ(XHTML)ファイルにstyle.cssが最優先で有効になるようにリンクされます。

【注意】
div、spanは一般的に使いますので、上のようなCSS指定では、全体に影響を及ぼすことがあります。従って、サイズを指定したいイメージを囲むdiv、spanにクラス属性またはIDを設定して、その属性を指定した要素だけに指定範囲を制限するのが良いでしょう。

4.例
(1) マークアップ
20141108a
図1 ブロック画像、インライン画像 (クラス属性:testを指定)

(2) style.css
20141108b
図2 ブロック画像、インライン画像のサイズを指定

(3) iBooksでの表示例
20111108c
20111108d

【参考資料】
[1] EPUBで画像の大きさを指定する方法を調べた。iBooks (1.2)はちょっと特殊だ!
[2] EPUBで画像の大きさを指定する方法を調べた、の続き
[3] EPUBで画像の大きさを指定する方法を調べた、の続きの続き
[4] iBooksで外字画像の大きさを文字サイズに追随させる方法の整理