CAS-UBは本日の定期保守で、EPUBアクセシビリティ関連の機能追加などを行う予定です。

CAS-UBは、本日18時より定期保守を行います。そのときに次の機能追加と仕様変更を行う予定です。

1. EPUB3.0のカバー(表紙)画像の代替テキストに、書誌情報のタイトルとサブタイトルを設定します。従来は、代替テキストは「カバー」という固定文字列でした。書誌情報は、「編集」画面の「その他のメニュー」で表示される「書誌編集」で入力します。

◎これにより、EPUB3.0を音声読み上げするとき、カバーページで「書名」と「副題」を読み上げるようになります。

2. EPUB3.0の出力設定で、カバー(画像のみの表紙XHTMLページ)を「出力する」「出力しない」を切り替えるオプションを新設します。従来は、カバーは常に出力していました。設定変更は、「生成」画面で「EPUB3」の「一般」より設定できます。既定値は「出力する」ですので、設定を変更しなければ従来と同じ動作となります。

EPUB3.0で表紙を画像ではなくテキストで作成したいとき「カバー」を出力しないで、タイトルページを先頭ページとすることができるようになります。
タイトルページは手作りまたは書誌情報から自動生成します。
・手作りするときは、「編集」画面で記事の種類を「タイトルページ」にします。
・自動生成するときは、「生成」画面で「EPUB3」の「一般」で「タイトルページ」を「生成する」とします。(記事の種類が「タイトルページ」の記事があるときは自動生成するは無効です)。

タイトルページには、bodyに”titlepage” というクラス名が設定されます。
<body class=”titlepage” …>

◎これにより、画像のみの表紙XHTMLページを出力しないで、テキストで作成したXHTMLを表紙として使うことができます。表紙のデザインをカスタマイズするときは、style.cssファイルを作成し、編集画面で「スタイルシート」にアップロードしてください。

3. 新しいCAS記法としてページ分割マーク(page break markers)を追加しました。

ページ分割マークは本文に次のように記述します。

[[[:#N@b ]]] Nに原本(紙・PDF)のページ番号を自然数(1、2、3、…)で設定します。bはページマークであることを意味します。bの後の空白を付けます。

ページマークはXHTMLでは次のようになります。

<span epub:type=”pagebreak” id=”u_2e201506171957_2eN_2eb” role=”doc-pagebreak” title=”15″/>(注)201506171957はファイル名のベースネーム。

ページ分割マークがある場合、EPUB3のナビゲーションファイル(nav.xhtml)にページリストを作成します。

参考資料:EPUB 3 Accessibility Guidelines
Page Numbers
Page List

◎サンプルファイル1
次のサンプルは「暗号舞踏人の謎」(アーサー・コナン・ドイル著、三上於菟吉訳、青空文庫NDC K933)を利用して、PDF版を制作し、PDF版のページ番号をEPUBに設定しています。CAS-UB出版物でのマークアップ方法は、CAS-UB出版物のバックアップ版でお確かめいただくことができます。CAS-UBのユーザーの方は、本バックアップファイルをご自分の出版物としてリストアして、編集画面でマークアップの例をご確認いただくことができます。

(1) 「暗号舞踏人の謎」PDF版
(2) 「暗号舞踏人の謎」EPUB版
(3) 「暗号舞踏人の謎」CAS-UB出版物のバックアップ版 (zip)

◎サンプルファイル2
次のサンプルは、タイトルや見出しにページ分割マークを設定した例です。CAS-UBでPDF(四六判)を作成し、そのページ開始位置をEPUBに設定しています。ページの開始位置に章のタイトルと見出しがあります。そこで、CAS-UBの出版物でも記事のタイトル(章のタイトルになる)と見出しにページ分割マークを設定しています。

(1) 「タグ付きPDF とはなにか」PDF版
(2) 「タグ付きPDF とはなにか」EPUB版
(3) 「タグ付きPDF とはなにか」CAS-UB出版物のバックアップ版 (zip)

4.(仕様変更)CAS記法のIDをEPUB-XHTMLのIDに変換する時のエスケープ仕様を変更します。従来は、エスケープ対象範囲にラテンアルファベットを含めていましたが、ラテンアルファベットはエスケープ対象から除外します。CAS記法上でIDに含まれるラテンアルファベットはXHTMLのID属性値にそのまま出力されるようになります。

5.その他
・外部データ入力のインポートファイル形式に「Smart Source Editor整理済みXML」が追加になります。
・AH Formatterを最新版6.5R1に更新します。

【関連】
EPUB アクセシビリティ

『瞬簡PDF書けまっせ7』プリントオンデマンド版 発売になりました。

今朝、アマゾンで確認しましたところ、『瞬簡PDF書けまっせ7』プリントオンデマンド版が登録発売されていました。

なぜか、27日朝の時点では「一時的に在庫切れ; 入荷時期は未定です」と表示されています。⇒同日13時に確認したところ、在庫ありになっていました。

しかし、実際に注文したところ、無事受け付けられましたので注文はできます。もしかすると、システム上で受け付けたけどプリンタのメモリに送信されてないとか? いずれにせよ、システム上の理由なんでしょう。


(クリックするとアマゾンのページにジャンプします)。

判型はB5で、ページ数は170です。

『瞬簡PDF書けまっせ7』の製品と同梱されているPDFはA4で196ページでした。

若干内容を編集していますが、ページ数って結構変化するものですね。

PDFは、作りようによってはいろいろ変えられるので、一つではないということでしょうか。紙へのリフローといえる??

10月13日時点で、楽天ブックス、hontoからも販売になっています。

楽天ブックス・瞬簡PDF 書けまっせ7 ユーザーズマニュアル
honto・瞬簡PDF 書けまっせ7 ユーザーズマニュアル

『瞬簡PDF書けまっせ7』製品紹介ページへ

CAS-UBで、『瞬簡PDF 書けまっせ7』のマニュアル製作、PDFの行数・文字数設定「一行文字数を増やすとページ数が増えることがある」に驚く

『瞬簡PDF 書けまっせ7』は、先日(9月15日)に7.2となりました。7.2は任意のPDFにフォームフィールドを設定する機能が追加されています。

『瞬簡PDF 書けまっせ7』のWebページ
『瞬簡PDF 書けまっせ 7』 改訂情報・アップデート

『瞬簡PDF 書けまっせ7』は昨年10月リリースで、単品パッケージの他、『瞬簡PDF 統合版9』にも同梱されています。どちらでお求めいただいた方でもアップデート版をインストールすれば最新版にしていただけますので、ぜひアップデートしてみてください。

さて、これに伴い、『瞬簡PDF 書けまっせ7』のマニュアルも全面的に刷新しました。『瞬簡PDF 書けまっせ7』のマニュアルは、製品のCDまたはダウンロードパッケージにPDF、およびWindowsのCHMヘルプの形式で同梱されています。このPDF版、CHM版は、CAS-UBで編集し、CAS-UBの生成機能によって作成しています。


『瞬簡PDF 書けまっせ7』同梱のPDF版マニュアル:A4サイズ、49文字/行、45行/ページ、本文10ポイント、行送り16.5ポイント、196ページ。

同じ内容はCHM形式として作成し、アプリケ-ションのヘルプメニューに組み込んでいます。


『瞬簡PDF 書けまっせ7』のヘルプを表示。

さらに、次のステップとして、同じ内容をWebページとして出力して、製品のページにも公開しています(但し、サポートの連絡先などは除外)。Webページ版のヘルプはこちらです。

Webマニュアル(『瞬簡PDF 書けまっせ7』のWebページ)

さて次のステップとして、マニュアルをプリントオンデマンド(POD)版として有償で販売します。『瞬簡PDF 書けまっせ7』のマニュアルは従来も、アマゾンなどからPODで販売しており、POD版の中では売れ筋でした。これまでの版はB5版135ページで税込み1,600円。今回は内容を大幅に改めたため従来と同じ版面では200ページを超えてしまいそうです。しかし、できるだけ価格は前回と同じにしたいと考えました。そのためにはページ数を減らさねばなりません。

そこでページ数を圧縮するため次のように設定をしました。
・文字サイズを9.5ポイントに変更(従来は10.5ポイント)、行送りは16.3ポイント
・画像の大きさを小さくする。版面に対する幅を(版面に対して60%などに)指定して縮小
・章のタイトルを扉(製品添付版)から改ページの先頭行(POD版)に変更
・節の終りで改ページ(製品添付版)から、成り行き(POD版)に変更
・一ページの行数:38行
・一行の文字数:41文字

このように指定した結果、B5で172ページにまでページ数を少なくできました。

それで、一行の文字数を42文字に増やせばもっとページ数が減らせるのではないかと次のように変更しました。

一行に入る文字数を増やすと、その結果、同じ分量のテキストなら少ない行数で配置できます。すると全体の行数は減って、最終的にページ数が減るだろうと期待したのです。

そうしましたら、なんとページ数が174ページとなり2ページ増えてしまいました。 なんでだろう?

調べてみますと、次の図のように、図版のあるページで42文字/行のときは図が大きくなっているようです。

これは、一行の文字数を増やすと版面の幅が1文字分広がり、図の幅を版面の幅に対する比率で指定しているため、図の幅が広くなります。そうしますと、図の高さがその分高くなるためなんですね。

文字数を増やすと一ページに入るテキストが増えるのは確かですが、図が大きくなるため、ページ数が増えるとは予想外でした。

『瞬簡PDF書けまっせ7』製品紹介ページへ