CAS-UB 6月27日の更新では、新規出版物の作成で、他の出版物の設定をコピーする機能を追加など

CAS-UBの6月27日の定期メンテナンスで次の機能強化を行ないました。

1.出版物新規作成の「作成方法を選択」画面を廃止し、1つの画面で作成方法の指定も行うように変更しました。この新規作成の際に、他の出版物の設定のみをコピーする指定を追加しています。(下の図)

2.PDF生成のレイアウト詳細設定で、節(見出しレベル2)と項(見出しレベル3)の位置およびインデントを、章(見出しレベル1)の設定に合わせるボタンを追加しました。
この機能は、現状、出版物の種類が「書籍1」と「書籍2」のときのみ有効です。

3.PDF生成の出力オプションに「エラーをPDFに出力する(デバッグ向け)」の指定を追加しました。ここで「出力しない」設定にすると、不明な属性指定などについてのPDFにエラーが出力されなせん。

その他障害の修正を行ないました。詳しくはこちらをご参照ください: http://www.cas-ub.com/support/

◇出版物の新規作成では、従来、2枚になっていた画面を1枚にまとめて分かりやすくしました。また、このとき、「作成方法」に、「他の出版物の設定のみをコピーする」を新規機能として追加しました。

20130628-1

「他の出版物の設定のみをコピーする」を選択しますと、次の「設定コピー元出版物」で、自分がオーナーになっている、または、共有している出版物の一覧を表示します。

20130628-2

ここで、設定をコピーしたい出版物を選択すると、新しい出版物に次の設定が引き継がれます。

・出版物情報全項目
・生成の設定・全メディアの全項目
・発行所ロゴ画像(コピー)

CAS-UBでは、さまざまなレイアウトのEPUBやPDFを出すことができるのですが、その分だけ編集・EPUB/PDF生成の過程で非常に多くの設定項目があります。新しい出版物を作る毎にこの多くの設定を繰り返すのはとても煩わしいものです。「他の出版物の設定のみをコピーする」で他の出版物の設定だけをコピーできますので、同じレイアウト設定の出版物を繰り返して作成することができます。

『簡単解説20ヶ条 消費税率アップ~その原則・特例と経過措置~』 (やさしい法律シリーズ)発売、裏話

民主党野田政権が最後に決めた消費税アップ。自民党になってもこれは実現しそうで、そろそろ消費税アップに備えて準備を始めなければなりません。

それなら自分で準備するだけではなくて、電子書籍で本も出してしまおうと思い立ったのが5月も末にちかくなった頃です。

でこの『簡単解説20ヶ条 消費税率アップ~その原則・特例と経過措置~』 が出来上がりました。

『簡単解説20ヶ条 消費税率アップ~その原則・特例と経過措置~』

アマゾンKindle版(消費税込み280円)
楽天kobo版(消費税込み280円)

6月20日発売ですので、思い立ってから1ヶ月で発売です。Kindleストアで検索しても、まだ消費税対策の本はないようです。消費税アップ対策本第1号! かな。

もちろん、CAS-UBで編集制作をしているので素早くできるのです。それだけではなくて、もう紙版(四六版、全文72頁)も印刷に入っています。

紙版は、広告を掲載したスポンサード版として作成しています。来週の国際電子出版EXPOの弊社ブースにて名刺と交換でを贈呈いたします(但し、先着500名さま限りとさせていただきます。)詳しくは別途ご案内しますので乞うご期待です。

さて、重箱の隅をつつくようで申し訳ないですが、このKindle版の裏話を一つ。

本書はCAS-UBで制作しましたが、編集時のファイルは各条毎(通常の本では節に相当します)に分けています。EPUB/Kindleではファイルの先頭が新しいページから始まりますので、ファイルの分かれ目で改ページが行なわれます。しかし、PDF版を作るときは、すべてのファイルを一つに結合します。で、組版時に章の区切りで、自動的に改ページを入れる指定はできますが、節の区切りで自動的に改ページを入れる指定はできないのです。そこで、各条の最後(ファイルの最後)に強制的に改ページを入れてあります。強制改ページは、CAS記法で’++++’(プラス記号4つ)です。

ところがこれを、Kindlegenでmobiに変換して、直接、Paperwhiteにコピー(USB接続)すると条の最後で先へ進めなくなりPaperwhiteがリセットされます。Kindle FireなどのほかのKindleリーダでは問題ないようです。

Paperwhiteのmobiリーダはページの最後に強制改ページがあると無限ループに陥ってしまうというバグがあるようなのです。このことは前から気がついていたのですが、今回PDFを同時につくるためどうしても改ページをはずすことができません。

で、そのまま、アマゾンのKindleストアに入稿してしまいました。

6月20日に発売されたKindle版を早速購入して、Paperwhiteで読みましたが、くだんのリセットはしないのですね。たぶんアマゾンの社内でmobiファイルを修正しているのではないかと疑っていたのですが、やはりね。

ということで、アマゾンは、内部でmobiファイルをチェックして修正しているのではないかという疑念がますます深まった次第です。

EPUBのナビゲーション目次とランドマークの使い方の再検討が必要。

従来の紙の本では、目次は通常1箇所、書籍の先頭の方に配置する。目次を読めば書籍の大よその構成を理解することができる。紙の本では現在読んでいるページと目次のページは簡単に行き来できる。

EPUBでは、紙の本における目次と類似の機能は、次の二つを使うことができる。

1.ナビゲーション目次
2.目次ページ

1.ナビゲーション目次

ナビゲーション目次は、EPUB2ではNCX形式で作成した目次である。EPUB3でNCXが廃止となり、HTML5のnav要素を使って同様の内容を表現するようになった。「Kindle Publishingパブリッシング・ガイドライン」などは論理TOCと表現している[1]。

多くのEPUBリーダはナビゲーション目次を表示する専用のパネルまたはウインドウをもっている。

ナビゲーション目次の長所は専用のパネルで表すので、現在開いて読んでいるページから目次ページに遷移することなく表示できることである。但し、これはEPUBリーダによって異なり、例えばiBooks3.1ではナビゲーション目次を表示するときもページを遷移する必要がある。

ナビゲーション目次の欠点はパネルの表示レイアウトがEPUBリーダ毎にてんでんばらばらであることだ。iBooks3.1のように縦書き表示できるものもあるが、Kindleのように横書きしかできないものもある。レイアウト機能は低レベルである。例えば、iBooks3.1は縦書きができるが縦中横は指定できない。また、ルビなどを使えないものも多い。

2.目次ページ

目次ページは本文ページと同様に書籍を前からめくっていくと表示するページである。

この長所は、本文ページと同様のレイアウト指定ができることである。CSSスタイルシートを駆使すればかなり見栄えの良いレイアウトもできる。また、目次ページの見出しと本文ページの見出しに相互のリンクを張るような作り方もできる。

欠点は、目次ページを表示するためには、現在読んでいる本文ページから目次ページに遷移する必要があることだ。
マルチウインドウのEPUBリーダができれば、両方表示できるだろうが、まだマルチウィンドウのEPUBリーダは見当たらない。

3.ランドマーク

EPUB3ではナビゲーション目次と同じファイル中に、ランドマークを記述することもできる。ランドマークとは、表紙、目次、奥付け、などの書籍の構成を表す一般的なパーツの並びを示したものである。

4.サンプルEPUB

次のところにナビゲーション目次、目次ページ、ランドマークを設定したEPUBファイルのサンプルを作成した。

EPUBサンプル3.3 Landmarksを指定したEPUB3を参照。

このEPUBファイルはKindlepreviewerでは次の図のように表示される。

KindleLandmark
※Kindlepreviewer2.9では、NCX表示メニューでナビゲーション目次(epub:type=”toc”)の内容を表示する。

5.ナビゲーション目次に盛り込む項目の再検討が必要

現在販売されているEPUB版電子書籍ではナビゲーション目次と目次ページの扱いが版元によってばらばらになっている。このことは過去にブログでも指摘した[2]。

ナビゲーション目次(epub:type=”toc”)をランドマーク(epub:type=”landmarks”)のように使うことがある。例えば、電子書籍出版社協会の「電書協 EPUB3制作ガイド」(V1.1.2)では次のようになっている。

○ナビゲーション目次(p.26)
・リンク項目やリストの階層構造は作品内容により変更
・版元から特に指示がないかぎり、カバーページ、目次ページ、奥付けページへのリンクのみとする。

ナビゲーション目次の既定値になっている3項目は、EPUB3のランドマークで指定できる項目である。このようにナビゲーション目次にランドマークのみを表示すると、ナビゲーション目次の現在読んでいるページを開いたまま本の全体を目次でみることができるという長所が生きてこない。現在読んでいるページから目次ページに遷移して、そこでさらにEPUBで読みたい箇所にジャンプするということが必要で、ナビゲーション操作が煩雑になり、EPUBを参考資料として使いにくくなる。

EPUBの欠点の一つは柱を表示できないことである。このため、ユーザーは現在どの場所を読んでいるのかが非常に分かりにくい。これを解消するのは今のEPUBの機能のみではなかなか困難であるが、ナビゲーション目次を使うことが一つの解決策となるだろう。

こうした点を考慮するにつれ、ナビゲーション目次に本文のアウトラインを詳しく示す方が良いのではないかと考えている。

カバーページ、目次ページ、奥付けページはランドマークで表すことができるので、ナビゲーション目次を使う必要はない。

EPUBリーダでランドマークの表示機能の充実しているものは、まだ少ないようだが、ナビゲーション目次とランドマークの使い方については考え直す必要があると感じている。

[1] 「Kindle Publishingパブリッシング・ガイドライン」2013年3月版 p.17 3.3.1.1
[2] ナビゲーション文書と目次の使い分けについて検討する―EPUB3をiBooksで読むとき
[3] EPUBのナビゲーションを理解しよう

iBooksで外字画像の大きさを文字サイズに追随させる方法の整理

EPUBのリーダに搭載されているフォントで表示できない文字があったとき、これを表示するための一番単純なやり方は、その文字をイメージ画像(外字画像と仮に呼びます[1])で表すことです。

さて、EPUBではリーダで読むときに文字の大きさを変更できます。そこで外字画像の大きさも文字の大きさ変更に追随して変化することが必要です。

このために一般には外字画像(img要素)の大きさを1em(emは文字の大きさを示す相対単位)になるように指定します。ReadiumやKindleはそれで問題ないようです[2]。

しかし、iBooksでインラインの外字画像の大きさを文字サイズに追随させる方法はやや複雑です。いくつか方法が分かっていますので、ここに整理しておきます。

方法1.外字画像(img要素)をラップするspanタグにイメージのサイズを1emで指定して、imgタグには100%サイズを指定する[3]。

なお、これはiBooksでブロックの画像の大きさを設定する方法と同じ考えです。ブロック画像はだいぶ前に自分で調べてブログを書いたことがあります[4]。

方法2. opfに特殊なメタデータを設定する[5]。
メタ情報に<meta property=”ebpaj:guide-version”>1.1</meta>があると、外字画像が文字サイズと連動する。

この方法は「iBookstore Asset Guide 5.1 Revision 1」(2013年3月版)に次のようにドキュメント化されています。

・dc:languageでjaを指定すること。
・<meta property=”ebpaj:guide-version”>1.1</meta>
・イメージ要素に”gaiji”または”gaiji-“を含むクラス名を付与して、CSSでそのクラスに1emの大きさを指定する。

《注意》なお、方法1と2を同時に指定すると外字画像の大きさが1emになりません。どうやら、ebpaj:guide-versionのプロパティがあると、imgに指定したサイズだけを見てしまうようです。

方法3.「iBookstore Asset Guide」には方法2の代わりとして’gaiji’をカスタムプロパティとして宣言する方法も規定されています。

<meta property="ibooks:respect-image-size-class">gaiji</meta>

どうやら、’gaiji’がiBooksの世界で市民権を得たようです。

《注意》文字を外字画像として表現したときは、アクセシビリティの観点からaltテキストに適切な文字列をセットしておかなければなりません。

《注》
[1] 外字という言葉は、もともとはJIS X0208などに規定されていない文字をワープロなどで独自に定義して使う(システム外字)やユーザ自身が字形をデザインした文字(ユーザー外字)を示す言葉として使われていました。現在では、JIS X0208以外の文字コード基準(JIS X0213など)も普及し始めていますし、Unicodeで大量の文字が標準化されており、さらにUnicodeはバージョンがあがるごとに収録文字数が増えています。既に、外字という言葉の意味が曖昧または不明になっています。いったん廃止(Obsolete)して別の言葉を探す方が適切になっています。
[2]電子書籍出版流通協議会資料による。
[3]【EPUB】iBooksで外字画像が本文サイズにならない①
[4] EPUBで画像の大きさを指定する方法を調べた:①iBooks (1.2)はちょっと特殊だ!②続き(結論)
[5]【EPUB】iBooksで外字画像が本文サイズにならない②

CAS-UB 6月20日の保守更新 アンカータグ内のインラインマークアップサポート、EPUB内部リンク有効化、PDF詳細レイアウトの変更など強化

CAS-UBは6月20日の保守更新で次の機能強化を行ないました。CAS-UB V2.2用に開発していた機能の一部を先行してクラウド・サービスに追加しました。

1.CAS記法の強化

CAS記法のパーサーを改良し、アンカー要素の内容に次のインライン要素をマークアップしたとき、これを正しく処理できるようにしました。
・strong(強調)
・em(強調)
・注意
・ルビ
・上付
・下付
・注釈
・画像
・インラインの範囲指定[[[…]]](アンカーの文字列に縦中横を指定できるようになりました)。
・インラインの整形済み{{{…}}}
・インライン数式 $$…$$

2.PDFとEPUBの整合性配慮

PDFの表では先頭行のセルに:width=”xxx”の方式で列幅を指定できます。これをこのままEPUBに出力するとEPUBCheckでエラーになります。そこで、その設定値をCSSのstyle属性値に変換するか、別途style.cssで設定するかを選択できるようにしました。(図のサイズ指定については従来より同様の機能を用意しています。)

2.EPUB内部リンクの有効化

EPUB3で図表一覧掲載の図・表のリストから本文の図・表の位置へのリンク、あるいは本文の中でほかの本文中の箇所へのリンクをクリックしたとき、hrefで指定した位置に正しくジャンプするようにしました。これまではiBooks、Adobe Digital Editionsなどではhrefで指定した位置にジャンプせず、ファイルの先頭にジャンプしていました。これはEPUBリーダ側の問題ですが回避策を施して正しくジャンプするようにしました。

3.PDF詳細レイアウトの設定機能強化・変更

PDFレイアウトの詳細設定の仕様の追加と変更を行ないました。この結果PDFレイアウト詳細設定については一部のレイアウトが従来と変更になりますのでご注意ください。

(1) 前書き、目次、後書き、図表一覧、注釈一覧、参考文献、索引などの本文以外の記事タイトルの行取りが2行のものと4行のものが混在していましたので、3行取りに統一しました。
(2) 囲み記事(コラム)のキャプションが囲みの外にありましたが、囲みの中に置くように変更しました。
(3) キャプションのない注記には、既定のキャプションとして「注記」を挿入するように変更しました。
(4) 図表キャプションの位置(上か下)指定を、図と表を個別に指定できるように変更し、初期値を図は下、表は上に設定しました。
(5) 図と図のキャプションの間の空きが詰まり過ぎていたので、0.5em空けるように変更しました。
(6) 見出しが複数行になるとき、2行目以降を見出し番号の位置にインデントするように変更しました。
(7) 章番号、または章・節番号と見出しの間の字間が広すぎたので狭めました。
(8) 章番号、節番号、項番号などをハイフンで繋いだ場合、そのハイフンで改行しないように分割禁止を設定しました。
(8) 図表番号とキャプションの間の字間が広過ぎたので、章節番号とタイトルの空き幅と同じに変更しました。
(9) 表内の行間が空き過ぎていたので、行の高さの初期値を1.5emに変更しました。さらに設定の変更もできるようにしました。
(10)参考文献のレイアウトを番号なし箇条書きから1字突き出した(ハンギング・インデント)の形式に変更しました。

4.障害修正
その他、障害の修正を行ないました。
詳しくは「CAS-UB 最近の修正」を参照してください。

CAS電子出版・リリース情報とAmazon Kindle Storeで気がついたこと

1.CAS電子出版の「はたらく人のための転職の実学」第3版2013年6月10日発行しました[1]。

やさしい法律シリーズ第1弾として本書の第2版を発行したのは2011年6月ですので、それから約2年経過です。第2版はEPUB版を売る方法をなかなか見つけることができず、かろうじてDLマーケットから発売したのが夢のようです。

2年間でAmazon、Koboから簡単にリリースできるようになりました。

この本の特徴は、表紙以外の本文画像はすべてSVGファイルを使っていることです。たぶん、画像にフルSVGを使っている電子書籍は数少ないと思います。但し、この本は、Kindle FireとPaperwhiteに転送できますが、iPadのKindleアプリには転送できません。(画像にSVGファイルを使っているためではないかと想像しています。)

2.やさしい法律シリーズ第2弾の「転職の法律があなたを守る」は値下して360円となりました[2]。

こちらは、KindleのPaperwhiteでもiPadアプリでもどちらにも転送できます
「転職の法律があなたを守る」は微小な改訂を行なって2刷としてリリースしています。
最初に出たのが2012年末で、それをすぐに自分で購入してチェックしました。
本日、自分のKindleクラウド書庫をチェックしたところ、クラウドの方の購入済み書籍も2刷に更新されています。クラウド書庫の方はAmazonが改訂版に差し替えているようです。というか、おそらく販売しているものと同じバイナリをリンクしているのでしょう。

[1]「はたらく人のための転職の実学」
[2]「転職の法律があなたを守る」
[3]CAS出版物紹介のページ

CAS-UB 6月13日の更新で、文書内の特定位置を参照するためのID参照をより使いやすくしました。

CAS-UBの6月13日定期メンテナンスでは次の改良を行なっています。

1.記事編集画面のID一覧で、エスケープされている文字をアンエスケープして表示するようにしました(次の説明の4項)。 但し、記事に挿入されるCAS記法にはエスケープされたIDが入ります(同5項)。

CAS-UB上でID参照(スポットへのリンク)を作成するときの処理は次のようになります。

1)IDの自動付与:「記事のタイトル」、「(=から開始する)本文内見出し」、「図・表・コラムなどのキャプション」にはIDを自動で付与します。

2)ID属性による付与:任意の要素に’:#id.x’を指定することでIDを付与できます。xはIDの種類(用途分類)です。

3)「編集」画面で、ID参照を挿入したい箇所にカーソルを置き、下のID参照ボタンをクリックします。

4)すると次のようにID一覧がでます。IDの種類別に一覧になりますので、参照先にしたいスポットに付与されているIDを選択します。
20130614
☆今週の定期保守では、IDの表示のときの文字を(アンエスケープして)見やすくしました。

5)本文にID参照がCAS記法で挿入されます。
20130614a
☆このとき一部の記号類をエスケープしています。

6)編集中にはID参照は次のようになります。
20130614b

7)EPUBやPDFへの出力では、ID参照の表示形式およびID参照のリンク形式を頒布メディア別に最適な形に加工して出力します。

☆EPUB3は、EPUBリーダによってはID参照に日本語を使うと正しい位置にジャンプしない問題があります。これはリーダ側の不具合です。但し、どうやらEPUBリーダでは解決しそうもないので、次週のメンテナンスでCAS-UB側の回避策を施して対応する予定です。

2.出版物の種類を変更したとき、変更後の出版物の種類に存在しない記事の種類が設定されている記事を修正して保存すると、記事の種類が「未定」になっていましたが、記事の種類を変更しなかったときは、元の記事の種類のまま保存するようにしました。

3.記事数が非常に多いときに、記事の編集をしようとしてもタイムアウトになって編集画面に入れない場合がありましたが、タイムアウトにならないよう対策しました。

4.内容表示で、ゴミ箱に入っている記事へのリンクをクリックしたとき、「Link Error: Entry Deleted」と表示されるようにしました。

その他、障害の修正を行ないました。

詳細は、CAS-UB 最近の修正をご参照ください。

EPUB Reader の調査と比較作業を手伝っていただける方を募集します

弊社ではEPUBリーダについての情報を整理してまとめる作業を予定しています。それに関して、作業を行っていただける方を探しています。

関心をお持ちの方は、次の各作業要領をご確認いただいたうえで、7項記載の連絡先までご連絡ください。

1.作業の目的

・EPUBリーダに関する報告書の作成

○資料の用途(予定)
・WebなどにてEPUBリーダの紹介
・資料のEPUB版の配布・頒布(未定)
・EPUBマニュアル研究会などでも使用予定。

2.対象EPUBリーダ

・一般ユーザーが自分で作成したEPUBを表示・閲覧できるEPUBリーダ
(書店で購入したEPUB専用あるいは特定企業内専用のもので一般ユーザーが使えないものは除外します。)
・iOS、Androidのタブレットを中心としますが、それに限定しません。
(スマホを含める可能性があります。相談によります。但し、専用読書端末は除外します。)

3.作業項目

(1) iOS、Androidを中心に、一般ユーザーが入手可能なEPUBリーダの一覧表を作ります。
(2) (1) 項に取り上げたEPUBリーダについて簡単な機能比較を行ないます。
(3) (1) 項の中から推奨する5種類程度をピックアップして表示性能の評価を行ない結果をまとめます。
(4) 結果を簡単なレポートにまとめます。なお、レポート作成にはCAS-UBを使っていただきます。

4.契約条件

(1) アンテナハウスの規定に従って対価をお支払いします。
(2) 成果物の著作権等一切の権利は対価の支払いをもってアンテナハウスに移転するものとします。
(3) 成果物の作成において、第三者の著作権等の権利を侵害してはいけません。
(4) 端末については作業担当者が用意することを原則とします。

5.作業日程(予定)

(1) 選考または及び詳細打ち合わせ 6月18日~20日の間
(2) 発注予定日 6月21日(金)
(3) 作業期間 6月24日~7月7日(月)AM10:00 (報告書完成) 

6.応募要項

(1) 資格 
  個人・グループ・団体を問いません。
 ・作業を適切に実行できること
 ・虚偽の報告をしないこと
 ・期限を守ることができること

(2) 応募期限
  6月17日 18:00

(3) 発注を決定する前に、費用の見積もりを提出いただき6月18日に選考のための打ち合わせを行ないます。

なお、過去に行なった類似作業の一部は下記に公開されています。
EPUB Reader の紹介と比較(Android編)

7.連絡先

作業実施担当ご希望の方、また関心をお持ちの方は、次までご連絡ください。

郵便番号:103-0004
東京都中央区東日本橋2丁目1番6号
アンテナハウス株式会社
電子書籍サービス担当
電話:03-5829-9021
電子メール:cas-info@antenna.co.jp

昨日のセミナー、盛況でした。多数のご参加をいただきありがとうございました。

昨日は曙橋でエクスイズム主催の「売れる本の書き方を教えます ~電子書籍 “プロの書き方読ませ方” 教えます~」セミナーに参加しました。

20130611

2011年~2012年の前半あたりまでは、電子書籍をどのように作るかがテーマでした。2012年後半に楽天KoboやアマゾンKindle Storeが開店して実際のビジネスが始まった今、セミナーに参加にされる方の関心も電子書籍をどう書くかとか、どのように売るかに変わってきているようです。

今日のセミナーにご参加された方の中でKindle Storeを実際に利用したことがある人が6割位を占めていましたし、電子書籍はブームから、電子書籍を自分で実際に作ってみよう、自社で取り組んでみようという段階になってきているようです。

電子書籍とKDPによる販売の仕組みのおかげで、簡単にだれでも本をだすことができるようになりました。ブログ感覚で本がだせるようになったわけです。メインゲストの舛本 哲郎さんのテーマは「2013年、売れる電子書籍 書き方、読ませ方を考えよう!」ですが、まさに、いまの流れに沿っているものと思います。

舛本さんのお話から、CAS-UBにはもう少しいろいろと工夫しなければいけないと反省する点もあり有意義でした。

一方で、私のほうは、KindleとPODによる本の制作を中心にさせていただきました。CAS-UBは制作サービスに特化していて、書き方、売り方というお話にもっていきにくい面もありますが、今後はもう一工夫が必要です。

『本を作るための新しい仕組みの登場(制作ツールから考える電子書籍論)』

以前にブログなどに書いた記事を少しまとめて、『本を作るための新しい仕組みの登場』というタイトルのEPUB版とPDF版を作りました。

次からダウンロードしてお読みいただくことができます。

『本を作るための新しい仕組みの登場』
(制作ツールから考える電子書籍論)

■目次
第1章 PDF に代わってEPUB が普及する1
第2章 書籍の未来を考える5
第3章 世界の各地で登場。本を作る新しい仕組み9
第4章 CAS-UB とO’Reilly Atlas の機能比較13
第5章 CAS-UB で本の制作支援17
第6章 本の構成の編集と文章の編集

第1版
2013年6月9日発行
EPUB3版とPDF版を用意しました。
それぞれ次でダウンロードしていただくことができます。

EPUB版
PDF版

EPUB版を読むにはEPUBリーダが必要です。