CAS-SUPPORT ブログより6年間を振り返る(1)

CAS-SUPPORTのブログは2011年1月より初めて12月末でちょうど6年となります。あっという間に6年経ってしまったのに驚きます。年末でもあり、この機会にいままでのブログの見出しをWebで一覧としました。

CAS-SUPPORTのブログ 目次

なお、このWebももちろんCAS-UBで制作しています。制作の工程から動画として作成し、動画一覧に追加しました。

CAS-UB紹介動画一覧より、「Webページ生成」をご覧ください。

もともと、このCAS-SUPPORTブログは、CAS-UBのサービスを利用されている人や、サービスに関心を持っていただいた方向けの情報を中心として企画したものです。そのためCAS-UBの新しい機能の紹介や関連イベントの情報が多くなっています。

CAS-UBの目的は、ワンソースマルチユース技術を本作りに応用して、いままでよりも簡単・便利に、良い本を作れるようにしようということです。そこで、こうした目的に合致する範囲で、本の制作に関わるデジタル技術の話題も随時取り上げています。こちらの方は、全般的&公平ということではないですが、世の中の出来事や変化を反映しています。

ということで、CAS-SUPPORTブログの6年間の変化を振り返ってみたいと思います。まず、最初の3年間です。

1.2011年はEPUB3の将来性が話題の中心

2010年が電子書籍元年ということで、特にEPUB3の標準化がホットなテーマとなりました。ブログを始めた2011年の頭ではEPUB3の仕様制定作業の途中でした。

そのため、2011年時点では、EPUB3が普及するのかどうかは見通しが付いておらず、またEPUB3をどのように制作するかについての手探りの状態でした。この頃のブログ記事では、EPUB3についての紹介や作り方、Adobe Digital Editionの表示機能などの記事も多く、またセミナーでもEPUB3の将来性についてテーマにしています。この頃がEPUB3の制作や表示という基本機能について、一番ホットな時期だったように思います。

しかし、2011年はEPUBを作っても販売する方法が少なかったのです。一方で、EPUBだけでなく、CAS-UBでPDFを作りプリントオンデマンドで本にすることも行っています[1]、[2]

2.2012年はKindleが日本で営業開始、EPUB3が主流になる

2012年になってEPUB3の話題はやや少なくなり、前半は停滞期でした。2012年の話題はなんと言っても日本でのKindleストアの営業開始でしょう。Kindleストア、KDPのサービス開始により漸く、EPUB3で本を作れば誰でも広く本を売れるようになりました。書籍出版社の間でも準備が進んでいたようで、2012年9月には電書協EPUB3制作ガイド V1.0が発表になりました。

CAS-SUPPORTのブログでも短い記事ですが10月25日よりKindleの営業開始を伝えています[3]。CAS-UBもKindleのmobi形式をサポートしました。ブログでもEPUB3とmobiの相違点などを何度か取り上げています。

やや専門的ですが2012年には縦組のとき英数字の向きの既定値をどうするかについての熱い議論がありました。

2012年から『PDFインフラストラクチャ解説』のEPUB版を制作して配布をはじめました[4]

3.2013年はEPUBを業務マニュアルに使う研究会に取り組む、またPDFも本格的に試作

2012年にKindleや楽天Koboが営業を開始して、EPUB3による電子書籍はポピュラーになりました。

2013年にはEPUBマニュアル研究会に参加して、業務マニュアルのEPUB化に取り組みました。CAS-UBは、当初からPDFの自動的制作、EPUB&PDFによるワンソースマルチユースを目標にしていました。これらの話題をあわせてJEPAで報告会を開催致しました[5]

【続く】

[1] CAS-UBで制作した書籍のPDF版を発売しました。
[2] CAS-UB で制作したPDFからプリントオンデマンドで本ができました。
[3] Amazon Kindle登場、iBooksが縦書きサポート
[4] 「PDFインフラストラクチャー解説」EPUB本の0.1版を公開
[5] 3月1日JEPAにて、「EPUBのビジネス分野での活用を広げる」セミナー開催JEPA 第22回 EPUBセミナーでの「新しい発想の書籍制作ツールCAS-UBのご紹介」スライドなど