あくまで日本国内の話ですが、2010年を電子書籍元年としますと、今年、2012年は電子書籍3年となります。
2010年を総括しますと、実体が現れないフィーバーの年だったと想います。次の2011年はパピレスやイーブックイニシアティブジャパンの上場など華々しい話題で電子書籍市場が注目されました。そしてEPUB3の仕様が決まって、いよいよEPUB3のツールがいろいろ出てきてEPUB3の電子書籍が市場の主導権をとるかと期待していました。しかし、振り返ってみますと電子書籍販売店の業績は上向いているようですが、どうも電子書籍の形式はと見ますとどうやらXMDFが増えたのではないかという感触です。
2012年は始まったばかりですが、最近はどうもEPUB人気は少ししぼんでしまったように感じます。でも水面下ではEPUBコンテンツの制作も進んでいるようですし、また、最大の懸案事項である「EPUB3のリーダ」については、このほど、IDPFがWebKitベースのEPUBリーダ開発プロジェクト(http://readium.org/)を開始するというアナウンスがありました。プリントからデジタルへの流れは変わることはないと思います。その要は繰り返しですが優れたEPUB3のリーダです。一刻も早く優れたリーダが登場して欲しいものです。