縦組の本では、本文への注を傍注とする場合、左ページ(奇数ページ)の左側に付けるのが良いと思います[1]。
ときに、下の図のように右ページ(偶数ページ)の左側に傍注を付けている本を見かけます。
(『プーチンの国家戦略 岐路に立つ「強国ロシア」』(小泉 悠、東京堂出版、2016年10月)より。本書には数カ所このような傍注配置があります。)
上のような配置はあまり良い配置とはいえないと思います。
その理由としては次のことがあります。特に縦組は、見開きページの右ページから左ページへのテキストの連続性を横組よりも強く配慮する必要性があると思います。
(1)本文の間に傍注が配置されることとなり、右ページから左ページに読み進めるときの文章のつながりを分断してしまいます。
(2)視覚的には注と本文を混同する可能性は少ないと思いますが、読み上げなどでは途中に入ってしまう可能性があります。