CAS-UB V3.0の制作サンプルとして、『シャーロックホームズ選集』のPDFとEPUB3版を公開します。また、CAS-UBでお試しいただけるように出版物のバックアップファイルも一緒に公開します。
(1) PDF版(holms-selected-20140923.pdf)
(2) EPUB3版(holms-selected_epub3-20190923.epub)
(3) バックアップファイル(holms-selected-20150923.p.zip)
書誌情報はバックアップされていませんのでご注意ください。
解説
CAS-UB V3では、縦組本の制作機能を強化しました。強化ポイントの一つは縦組と横組の混在があります。本日はこのあたりを中心に解説します。
CAS-UBは原稿の編集は必要最小限とし、成果物の作成はできるだけ自動的に処理するようにしています。そこで、原稿と成果物でページ構成の違いがでてきます。(原稿にないページが成果物に出力されます。)
原稿の構成
CAS-UBの出版物『シャーロックホームズ選集』の原稿記事構成は次のようになっています。
【記事のタイトル】 | 記事の種類 |
---|---|
暗号舞踏人の謎 | 章 |
タイトルなし | 記事の続き(原稿が長いので分割) |
空家の冒険 | 章 |
タイトルなし | 記事の続き(原稿が長いので分割) |
底本 | 後書 |
著者、訳者プロフィール | プロフィール |
原稿が長い時ブラウザのフォームに入りきらないため分割します。「記事の続き」はPDF/EPUBなどの生成時に前の記事と自動的に結合します。
成果物の構成
PDFとEPUBを生成するときに自動生成ページを生成するかどうかを指定できます。『シャーロックホームズ選集』の成果物は次のような構成になります。◉を付けた記事は自動生成しています。自動生成の際、章番号なども自動付与します。
【構成】 | 内容の作成方法 |
---|---|
表紙◉ | 生成画面で画像を指定して作成 |
本扉(タイトルページ)◉ | 書誌情報から自動生成する(PDFのみ、 EPUBは「出力しない」に設定 ) |
目次◉ | 記事のタイトルから自動生成 |
暗号舞踏人の謎(章扉)◉ | 章のタイトルを扉にする |
暗号舞踏人の謎(本文) | 章の本文 |
空き家の冒険(章扉)◉ | 章のタイトルを扉にする |
空き家の冒険(本文) | 章の本文 |
底本 | 原稿のまま |
注釈一覧 ◉ | 原稿の注マークアップから自動生成する |
プロフィール | 原稿のまま |
奧付◉ | 書誌情報から自動生成する |
ページの縦組・横組
サンプルでは本扉、注釈一覧、プロフィール、奧付を横組に設定しています。
これらのページは必要に応じて縦組に設定もできます。逆に、目次、章扉、底本は縦組ですが、横組にもできます。
【構成】 | 設定 | 他のオプション |
---|---|---|
表紙 | 非該当 | |
本扉 | 横組 | 縦組可 |
目次 | 縦組 | 横組可 |
暗号舞踏人の謎(章扉) | 縦組 | 横組可 |
暗号舞踏人の謎(本文) | 縦組 | |
空き家の冒険(章扉) | 縦組 | 横組可 |
空き家の冒険(本文) | 縦組 | |
底本 | 縦組 | 横組可 |
注釈一覧 | 横組 | 縦組可 |
プロフィール | 横組 | 縦組可 |
奧付 | 横組 | 縦組可 |
自ら本を作りたい専門家や編集者に新CAS-UBが最適です。9月4日に紹介セミナーを開催します。
アンテナハウスのCAS-UBは、CAS-UBは自ら本を作りたい専門家、編集者、制作担当者の方々が原稿の入力からEPUBやKindle用mobiなどの電子書籍や、印刷やPOD(プリントオンデマンド)に使えるPDFの制作までを一貫して行なうことができるWebサービスです。[1]。
V2.2になり、ドラッグ&ドロップで本の構成を編集する機能やマークアップ入力支援ボタンなどで本の編集をより便利で使い易くしました。さらに、参考文献作成、数式機能、フォント埋め込みなどの専門的な書籍を作成するための機能を充実しました。
9月4日に、V2.2を紹介する無償セミナーを開催します。本セミナーでは、ソフトウェア・パートナーが開発したEPUBやPDFを配信するしくみ(CUBE)についても御紹介します。
セミナーの概要・タイムテーブル
対話編集強化でぐっと使いやすくなり、また、数式記述・参考文献・フォント埋め込みなどの専門的機能を強化した新CAS-UBを御紹介。
13:30~14:00 |
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14:05~14:45 |
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14:45~14:50 休憩 | |
15:00~15:30 |
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15:30~16:10 |
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16:10~16:20 |
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開催概要・お申し込み
主催 | アンテナハウス株式会社 東京都中央区東日本橋2丁目1番6号 東日本橋藤和ビル |
共催 | 株式会社ソフトウェア・パートナー 東京都新宿区住吉町2-11 太田ビル |
開催日時 | 2013年9月4日(水)13時30分~16時00分 |
開催場所 | 山王健保会館・会議室(山王) |
住所・アクセス |
東京都港区赤坂2-5-6
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参加費用 | 無料 |
定員 | 50名(事前予約制) |
お申し込み | 次のページからお申し込みをお願いします:http://kokucheese.com/event/index/104697/ |
ご参加いただいた方に特典
本セミナーにご参加いただいた方には次の特典がございます。
- 『簡単解説20ヶ条 消費税アップ ―その原則・特例と経過措置―』(2013年6月発行) の印刷版を贈呈します。
- CAS-UB特別個人ライセンスをお申し込みいただくことができます(詳細は当日ご案内を予定しています)。
お問い合わせ先
会社・部署名 | アンテナハウス株式会社・S7営業グループ |
電話番号 | 03-5829-9021 |
cas-info@antenna.co.jp |
[1] CAS-UBのWebページ
7インチタブレットには文字ものの固定レイアウト書籍リーダとしては不向き。文字ものには10インチが欲しい
JPO・コンテンツ緊急電子化事業(緊デジ)フォーマットの第一次素案ではターゲットデバイスを7インチタブレットとしています。
そこで、7インチタブレットを書籍のリーダとしてどの程度まで使えるかを調べてみました。
〔結論〕現在主流の7インチタブレットは文字中心の電子書籍を読むためのリーダとしては不十分です。現状では、漫画・イラスト/写真集のように文字の少ない書籍でないと読者にはつらいでしょう。
〔注意〕現在の主流7インチタブレットの画面解像度は縦1024×横600ドットです。そして上の結論は1024×600ドットの場合です。新しい7インチタブレット製品は縦1280×横800ドットのものが出てきていますので解像度が上がると結果はまた変わると思います。
〔計算〕7インチタブレットのひとつであるICONIA Tab A100(縦1024×横600ドット)の画面で、書籍版面上の1文字に割り当てられるドット数を計算すると次のようになります(次の図には比較のためiPadの値を併記。また、余白はトリミングしないという前提です)。
計算式:
画面上の1文字に割り当てられるドット数=文字の大きさ(ポイント)/72 × 横ドット数/判型横幅(インチ)
〔実機確認〕実際の端末で表示すると、文字中心の頁をすいすい読むには16ドット/1文字くらい必要です。上の図では黄色にマークしたあたりが普通に読めると思われる範囲です。ただし、読みにくい・読みやすいというのは個人差があると思います。一般にPCの画面で漢字を表示するには1文字16ライン必要といわれていることと対応するように思います。
・ICONIA Tab A100で、16ドット/1文字になるのは新書の場合です。B6判、四六判では10ポイントの文字が16ドット/1文字となります。市販の書籍の頁を表示すると文字が少し小さくなります。
・iPadは横768ドットありますので、iBooksではA5以下の判型の文字が16ドット/1文字となります。つまり10インチのタブレットであれば市販書籍の頁をそのまま表示して読むことができるでしょう。
・余白をトリミングすると、トリミングしないときよりも版面を大きく表示できます。そこで、電子化にあたって余白量をできる限り小さくするような処理が望ましいことになります。つまり固定レイアウト電子書籍では余白をプリントとは異なる使い方をする必要があると思います。
〔テストデータ〕CAS-UBで判型別に基本版面をPDFで作成してみました。下記よりご覧いただくことができますので、端末をお持ちの方はお試しのうえ、コメントにご意見をお寄せください。