一回使ったら止められない CAS-UBの超便利機能 UBテキストのご紹介

今年発売の『PDF CookBook』シリーズの制作では、UBテキストが大活躍です。2冊とも、アウトライン(章見出し、節見出し、項見出し)の作成はWordで行いました。アウトラインをCAS-UBにインポートして見出しを作った後のテキスト本文編集作業は、USテキスト形式で、ほとんど行なってしまいました。

さらに、Javaのサンプルプログラムを書いた担当者に、UBテキストを渡してプログラム部分を編集(重複している部分を最初に出現した箇所への参照に)してもらいました。UBテキストはwikiを拡張したものですので、プログラマであれば一目で内容が理解できるようです。

ご参考のために、下記に『PDF CookBook第2巻』の先頭部分のUBテキストをご紹介します。ちょっと長いですが、最初に簡単な解説をまとめます。

簡単な解説
(1) +で始まる一連の行ブロックは、UBテキスト全体、および各記事のヘッダラベルです。これはCAS-UBからUBテキストをダウンロードするときに自動的に付加される部分です。記事の階層構造(章⇒節⇒項)を表します。
(2) 各記事の本文にはCAS記法でマークアップしています。ここで使っている主なマークアップを紹介しますと:
・[[www.antenna.co.jp/ptl/]] :[[~]] URLリンクになります。
・[[[:index:key=あんごうかのアルゴリズム 暗号化のアルゴリズム]]] :単純な索引です。
・((:footnote [[https://ja.wikipedia.org/wiki/RC4]])) :脚注です。
・[[[:tbl =ISO 32000規定によるPDFバージョンと暗号アルゴリズム・暗号キー長の関係 ~ ]]] :表のブロック(表のキャプション)
・|=PDFバージョン|=使用できる暗号アルゴリズム|=暗号キー長| :表のヘッダ(セル)
・|PDF 1.3|RC4|40| :表の本体(セル)
・=狙い・効果 :見出し
・{{:width=50% GetCryptInfo-top.png}} :画像(width=50%は画像の幅指定)
・*ユーザーパスワードのみ設定されていると、… :箇条書きの1項目
・*[[[:mindex [[[:nodisp:prim API]]][[[:second setPassword() :暗号化されたPDF文書を読み込む際のパスワードを設定]]]]]] :親子の索引
・{{{ ~~~ }}} :整形済みブロック

CAS記法でマークアップの一覧表はこちらです

テキストエディタは使い易いものがいろいろあります。しかも、無料のものまであります。テキストエディタによる編集は、Webブラウザから操作するよりも、実に素早く便利です。

ここからUBテキストの例

+ updated: 2018-06-02T06:33:47+0900
+ ahax$kind: article
+ author: AuthoringOne
+ title: PDF CookBook 第2巻
+ name: publ

++++++++
+ updated: 2018-06-03T08:46:40+0900
+ ahax$kind: article
+ author: AuthoringOne
+ title: はじめに
+ name: i01-0001
+ ahax$parent: publ
+ ahax$entryClass: preface

『PDF CookBook』は、電子の紙PDFを企業向けのシステムで編集したり、加工したりする方法を紹介する本です。いわば、PDFをメイン素材とする料理本です。

(省略)

PDF Tool APIには無料でお使いいただける評価版を用意しています。次のページをご参照ください。

[[www.antenna.co.jp/ptl/]]

本書のプログラム例はJava で作成しています。本書で紹介しているプログラム例は次のページよりダウンロードしていただけます。

[[www.antenna.co.jp/ptl/cookbook/source/]]

(省略)

本書はシリーズ2巻目にあたります。第2巻では、PDF Tool APIの機能のうち第1章セキュリティ、第2章透かし、第3章しおりをテーマに取り上げています。シリーズ初巻には巻番号が付いていませんが、本書の本文中では『PDF CookBook』第1巻として参照しています。

++++++++
+ updated: 2018-06-03T08:46:40+0900
+ ahax$kind: article
+ author: AuthoringOne
+ title: セキュリティ
+ name: i02-0001
+ ahax$parent: publ
+ ahax$entryClass: chapter

ISO 32000-1:2008(以下、ISO 32000-1)は権限をもたないユーザーによるPDF文書へのアクセスを防止するための暗号化機能として、共通鍵(パスワード)による暗号化と公開鍵による暗号化の2種類を規定しています。本章の第1節ではパスワードによる暗号化の機能と使い方を説明します。PDF Tool APIは公開鍵による暗号化の機能はありません。

さらに、PDF Tool APIは、ISO 32000-1には規定されていない、独自の閲覧制限機能があります。第3節では独自の閲覧制限の使い方について説明します。

++++++++
+ updated: 2018-06-03T08:46:40+0900
+ ahax$kind: article
+ author: AuthoringOne
+ title: パスワードセキュリティ
+ name: i02-0002
+ ahax$parent: i02-0001
+ ahax$entryClass: section

PDF文書の内容はパスワードによって暗号化することで、権限をもたないユーザーによるアクセスを防止できます。ISO 32000-1の用語ではパスワードによる暗号化機能を標準セキュリティハンドラと呼びます。PDFは上位バージョンほど標準セキュリティハンドラの機能が強化されています。

標準セキュリティハンドラは[[[:index:key=あんごうかのアルゴリズム 暗号化のアルゴリズム]]]として[[[:index RC4]]]と[[[:index AES]]]のどちらかを選択します。当初から使われてきたのはRC4ですが、RC4には、既に脆弱性の点で問題が指摘されています((:footnote [[https://ja.wikipedia.org/wiki/RC4]]))。ASE 128の脆弱性は現時点では問題とされていないようです((:footnote [[ http://www.cryptrec.go.jp/topics/cryptrec_20110912_aes_cryptanalysis.html|128ビットブロック暗号AESの安全性について\\ http://www.cryptrec.go.jp/topics/cryptrec_20110912_aes_cryptanalysis.html]]))。

PDFのバージョンによって暗号化に使うキーの長さに制限があります。[[[:index:key=あんごうかのキーちょう 暗号化のキー長]]]はパスワードの文字数(パスワードの長さ)ではなく、標準セキュリティハンドラが内部的に計算して作成する値です。キーの作成方法はISO 32000-1で規定されています。

[[[:tbl =ISO 32000規定によるPDFバージョンと暗号アルゴリズム・暗号キー長の関係
|=PDFバージョン|=使用できる暗号アルゴリズム|=暗号キー長|
|PDF 1.3|RC4|40|
|PDF 1.4|RC4|40/128|

(省略)

|PDF 1.7アドビ拡張|AES|256|
|PDF 2.0|AES|256|

ISO 32000-1の仕様上は、PDF 1.4以降では暗号化のキー長は40ビット超128ビット以下の範囲で8の倍数単位で設定できます。しかし、PDFアプリケーションの多くは128ビットに固定しています。

]]]

PDF Tool APIでは暗号アルゴリズムの種類と暗号キーの長さを指定できます。

PDF Tool APIでは暗号化するときのキー長は40ビット、128ビット(256ビット)のどちらかを指定できます。一方、暗号を解読するときは8の倍数で可変のキー長の指定を受け付けます。

PDF Tool API V5では、AES 40ビットは設定できません((:footnote AESの仕様では暗号のキー長は128ビット以上とされています。ISO 32000-1でAES 40ビットを規定しているのは誤りの可能性があります。いずれにせよ新しく作成するPDF文書に40ビット暗号は使わないことを推奨します。)

(省略)

PDF Tool APIでは、入力PDF文書のバージョンと指定した暗号アルゴリズムと暗号キーの長さの組みによって、出力されるPDF文書のバージョンは、次表のようになります。

[[[:tbl =PDF Tool APIで出力されるPDF文書のバージョン
|=入力PDF文書のバージョン|=RC4 40|=RC4 128|=AES 128|=AES 256
|PDF 1.3|1.3|1.5|1.6|1.7
(省略)
|PDF 1.7|1.7|1.7|1.7|1.7
]]]

PDF文書には、[[[:index ユーザーパスワード]]]と[[[:index オーナーパスワード]]]のどちらか一方または両方を設定できます。ユーザーパスワードはPDF文書を開くためのパスワードです(詳細は[[##e.i02-0004.ユーザーパスワードによるセキュリティの設定]]を参照)。オーナーパスワードはPDF文書の利用権限を設定するパスワードです(詳細は[[##e.201805301211.オーナーパスワード]]を参照)。

ユーザーパスワードとオーナーパスワードは異なっている必要があります。

*ユーザーパスワードのみ設定されていると、ユーザーパスワードを入力してセキュリティの変更や解除ができます。
*オーナーパスワードのみ設定されていると、オーナーパスワードを入力してセキュリティの変更や解除ができます。
*ユーザーパスワードとオーナーパスワードの両方が設定されていると、(省略)

++++++++
+ updated: 2018-06-03T08:46:40+0900
+ ahax$kind: article
+ author: AuthoringOne
+ title: セキュリティ情報の取得
+ name: i02-0003
+ ahax$parent: i02-0002
+ ahax$entryClass: subsection

{{:width=50% GetCryptInfo-top.png}}

=狙い・効果

PDF文書のパスワードによる[[[:index:key=セキュリティのじょうほうをしゅとく セキュリティの情報を取得]]]します。

=処理の概要

PDF文書のセキュリティ設定は、PDF文書のトレイラーにある暗号辞書に記録されています。暗号辞書からユーザーパスワードの設定状況とオーナーパスワードの権限設定内容を取得して画面に表示します。入力PDF文書にユーザーパスワードが設定されているとき、PDF文書を開くには正しいパスワードの入力が必要です。

=PDF Tool APIの主な機能

*[[[:mindex [[[:nodisp:prim API]]][[[:second setPassword() :暗号化されたPDF文書を読み込む際のパスワードを設定]]]]]]

(省略)

*[[[:mindex [[[:nodisp:prim API]]][[[:second getType() :権限設定タイプ取得]]]]]]

=プログラム例

{{{
package cookbook;
import jp.co.antenna.ptl.*;
public class GetEncryptInfo {

(省略)

}
}
}}}

=プログラムファイル名

GetEncryptInfo.java

=入出力操作の例

{{:width=80% GetEncryptInfo.png}}

次は暗号化キー長256ビットのAESでオーナーパスワード設定したPDF文書の例です。

{{:width=80% GetEncryptInfo1.png}}

次は暗号化キー長256ビットのAESで添付ファイルのみ暗号化したPDF文書の例です。

{{:width=80% GetEncryptInfo-2.png}}

UBテキストによるフローは次のようになります。特に難しく考えることはなくテキストファイル(UBテキスト)のダウンロードとアップロードが追加になるだけです。

参考資料
[1] UBテキストの使用例 ― 記事の構成を変更する
[2] CAS-UBで編集中の出版物をダウンロードし、テキストエディタで編集し、元に戻す
[3] CAS-UBで編集中の出版物をダウンロードし、テキストエディタで編集し、元に戻す(2)UBテキスト
[4] CAS-UB V5にアップグレードしました。レスポンシブなWebページ生成や、UBテキスト機能の公開などが目玉です。
[5] CAS-UBで編集中の出版物をダウンロードし、テキストエディタで編集し、元に戻す

CAS-UBで編集中の出版物をダウンロードし、テキストエディタで編集し、元に戻す(2)UBテキスト

(前回)
今回はUBテキストについて解説します。

UBテキストは、CAS-UBの一つの出版物全体を表すテキスト形式です。UBテキストを理解するには、最初にCAS-UBの出版物の構成方法を理解する必要があります。

次の図は、例として『投資信託による資産運用のイロハ』という書名の出版物を対象に、CAS-UBの編集画面の記事一覧を示したものです。

CAS-UBの出版物は複数の記事から構成しており、この出版物は7つのファイルから構成されています。記事一覧では各記事に1~7の番号が付いていますが、番号は仮に付けているものです。

記事一覧には各記事のタイトル、ファイル名、記事の種類を表示しています。

タイトルは記事単位で見たときの最上位の見出しになります。例えば、記事の種類が「章」のときタイトルは章見出しに相当します。ファイル名はサーバー側で記事を管理するときの名前です。出版物の中ではユニークでなければなりません。
記事の種類は、出版物の中での記事の位置付け/役割を表します。どのような記事の種類があるかは、ユーザーガイドの「4–1 記事の種類一覧」を参照してください。

ユーザーガイドの「4–1 記事の種類一覧」

この出版物のUBテキストは次のようなテキストファイルです。ダウンロードしたファイルの一部のみ示しています。

+ updated: 2017-08-01T05:36:46+0900
+ ahax$kind: article
+ author:  
+ title: 『投資信託による資産運用のイロハ』
+ name: publ
+ ahax$entryClass: book3

++++++++
+ updated: 2017-07-25T05:47:43+0900
+ ahax$kind: article
+ name: i01-0001
+ ahax$parent: publ
+ ahax$entryClass: body-title

.

.

.

.

.

:center 『投資信託による資産運用のイロハ』

:center 毎月分配型を中心に

++++++++
+ updated: 2017-07-24T11:07:11+0900
+ ahax$kind: article
+ title: はじめに
+ name: i01-0002
+ ahax$parent: publ
+ ahax$entryClass: preface

どんなひとでも普通に生活していくには、…
(省略)
…

++++++++
+ updated: 2017-07-19T07:43:57+0900
+ ahax$kind: article
+ title: 投資信託とは
+ name: i01-0003
+ ahax$parent: publ
+ ahax$entryClass: chapter

投資信託(ファンドとも呼ばれます)は、…
(省略)
…

++++++++
+ updated: 2017-07-25T09:31:13+0900
+ ahax$kind: article
+ title: 基本知識
+ name: i01-0004
+ ahax$parent: publ
+ ahax$entryClass: chapter

本章では投資信託のリターン…
(省略)
…

++++++++
+ updated: 2017-07-24T08:17:43+0900
+ ahax$kind: article
+ title: 最後に
+ name: 201707240759
+ ahax$parent: publ
+ ahax$entryClass: postface

Webなどのニュースやブログを見ますと、…
(省略)
…

:end 著者

8個の‘+’の並んだ行と、それに続く‘+’で開始する行が記事の先頭(記事のヘッダー)です。

‘+ title’に記事のタイトル、‘+ name’に記事のファイル名、‘+ ahax$entryClass’に記事の種類(記事クラス名)が設定されます。

UBテキストのファイル形式についての説明は、ユーザーガイドの「5–2 UBテキスト」の項をご参照ください。

ユーザーガイドの「5–2 UBテキスト」

(続く)

CAS-UBで編集中の出版物をダウンロードし、テキストエディタで編集し、元に戻す

先日のバージョンアップで追加した二つ目の新機能を紹介します。

CAS-UB V5からクラウドで編集中の出版物を外部に取り出し、使い慣れたテキストエディタで編集して、元に戻せるようになりました。

このテキスト形式はUBテキストという名前です。UBテキストを取り出したり元に戻したりする画面は、編集画面の「ダウンロード」をクリックして表示します。

「ダウンロード」をクリックすると次の画面になります。この画面でUBテキストを取り出したり、戻したりします。

UBテキストとはCAS-UBの出版物全体を表現できるテキスト形式です。
UBテキストZIP形式を使うと、画像ファイルも一緒に入出力できます。

UBテキストでできること
1.出版物の取り出しと戻し
・ダウンロードで保存すると出版物全体を取り出します。
・テキストエディタで出版物全体を編集してアップロードで元に戻すことができます。

2.一部の記事だけの更新
・出版物全体から、一部の記事だけを切り取って編集して戻すことができます。
・記事をテキストエディタで、新しく書いて既存の出版物に追加することもできます。

3.全部の記事をテキストエディタで書く
・UBテキストをゼロからテキストエディタで作成することもできます。

上記の1.のような使い方ではUBテキストについて詳しい知識は必要ないでしょう。しかし、2.、3.のような使い方をするには、CAS-UBの出版物の記事とUBテキストの構造について詳しく知っていることが前提になります。

次回は、UBテキストについて少し詳しく説明します。

CAS-UB V5のプレゼン資料:デジタル出版物制作Webサービス CAS-UB V5による シングルソースパブリッシング
関連記事:CAS-UB V5にアップグレードしました。レスポンシブなWebページ生成や、UBテキスト機能の公開などが目玉です。

本、マニュアル、報告書などのブック形式出版物のWebページをどのように作成するか?

本、マニュアル、報告書などをWebページとして公開するにはどういう風にWebを構成したら良いか?

これがCAS-UB V5のバージョンアップにおけるテーマの一つです。

今年の春先に、いろいろな本のWebページの作り方を調べて、次のブログ[1][2]で簡単に整理してみました。

[1] 本はWeb化するか? PDFとブック型WebページとEPUBを考える
[2] 本はWeb化するか? (続き)Webアプリケーション化したオンライン版の本 vs シンプルなHTML+CSSの本

その結果は次のWebページに整理しています。

[3] ワンソースマルチユースで拓く、ブック型Webページの未来

Webページの目的あるいは種類として「ブック型Webページ」があります。本は、ずっと長いこと紙に印刷して製本する形態で提供されてきました。そして、現在、本の内容が電子媒体で提供されはじめています。そこでブック型Webページをどのように構成すると良いか、が重要な検討課題になっています。

CAS-UBのV5では、そのブック型Webページの形態として3つのポイントを考えました。

①表紙に相当する「タイトルページ」(書名や版元・発行日・著者名など)を作るかどうか。
②本の目次はナビゲーションのためには重要な要素です。これをどのように画面に表したら良いか。
③読み進める順序をナビゲーションとして表す。

次はCAS-UB V5で制作したブック型Webページの見本です。

『XSL-FOの基礎 第2版』

上の見本では目次のフレームをレスポンシブにしており、ノートPCなどの広い画面では次のように、目次のフレームと本文のフレームを横に並べて表示します。

画面の幅が狭くなったときは、目次のフレームをアイコンとして表示します。

目次のアイコンをクリックしますと、目次のフレームを本文の上にオーバラップして表示します。

CAS-UB V5にアップグレードしました。レスポンシブなWebページ生成や、UBテキスト機能の公開などが目玉です。

12月7日(木)の定期メンテナンスにて、CAS-UBのシステムをアップグレードしました。昨年(2016年)12月以来の大幅な機能強化です。今回でCAS-UB V5となりました。

12月7日に追加した機能の一覧は次の通りです。

Webページを生成の強化

1.フレームによる目次の表示をレスポンシブ方式に変更

目次と本文を分割したindex-multiview.htmlを廃止して、目次のメニューアイコンを追加しました。目次のメニューアイコンを生成すると、広い画面のときは目次を左側に常時表示し、スマホや画面幅が狭いときはメニューアイコンのクリックやタップで目次をオーバーラップ表示します。

動画をこちらに用意しています:レスポンシブなWebページ生成

2.出版物全体を通しての全文検索機能を追加

全文検索機能を追加できるようにしました。目次に「全文検索」のリンクが追加され、クリックすると目次が全文検索画面になります。検索ワードを入力して[検索]ボタンをクリックすると、ヒットした記事と該当部分周辺のテキストが一覧されます。

3.WebページのレイアウトをEPUBとは別に自由にカスタマイズ

style_epub3web.css というファイルをスタイルシート画面にアップロードしておくと、Webページを生成したときに、すべてのファイルにリンクされます。この場合、style.cssはリンクされませんので、EPUBとはまったく別にカスタマイズできます。ユーザー・ガイドにWebページのカスタマイズ方法を追加しています。

4.タイトルページの追加

タイトルページを最初のページ(index.html)にできるようにしました。

5.生成設定をEPUB3と分離

従来は、Webページの生成設定はEPUB3の設定を適用していましたが、EPUB3と分離して、Webページ生成専用の設定をできるようにしました。

UBテキスト形式のダウンロードとアップロードを追加

「UBテキスト」は、CAS記法でマークアップして、出版物の構成を示せるようにしたテキストファイルです(UBはUniversal Bookの略)。「UBテキスト」では、出版物の構成とツリー構造を表現できます。各記事の内容は、CAS記法でマークアップします。

ダウンロード画面で、「UBテキスト」のダウンロードとアップロードをします。ダウンロード画面は、記事編集画面などの[その他のメニュー]のクリックで表示されるメニューの「ダウンロード」で表示されます。

バックアップ/リストア機能の操作性改善

1.バックアップファイルのリストアで、書誌情報もリストアできるようにしました。
2.[その他のメニュー]に バックアップ を追加しました。ホーム画面に戻らなくても、編集画面などからバックアップ画面に遷移できます。
3.出版物新規作成で、バックアップファイルをリストアして作成できるようにしました。

その他の強化強化と改善

1.記事編集画面のCAS記法入力支援ボタンを変更

[インクルード]ボタンを廃止して[引用]ボタンを追加しました。[引用]ボタンで、ブロック引用 と 整形済みブロック をマークアップできます。

2.画像画面の変更

画像画面で、各画像のファイルサイズと更新日時を表示するようにしました。

3.スタイルシート画面の変更

スタイルシート画面で、各ファイルのサイズと更新日時を表示するようにしました。

4.生成の一般設定の変更

PDFやEPUBの生成で、書誌編集画面でISBNが登録されていても、ISBNなしを選べるようにしました。

5.PDFの生成設定の複製を強化

PDFの生成設定の複製で、他の出版物の生成設定も複製できるようにしました。

FormatterClub
12月8日のFormatterClubでは主要な機能に絞って紹介させていただきました。

FormatterClubセミナーのプレゼン資料は次のSlideShareにて公開しています。
Slideshare:デジタル出版物制作Webサービス CAS-UB V5による シングルソースパブリッシング(2017年12月8日)
個別の機能強化ポイントについて、順次、ブログでも紹介して行く予定です。よろしくお願いします。

FormatterClub 2017 ―冬― セミナーのご案内

12月8日開催の『AH Formatter』や XSL、CSS、XML 多言語組版について会員交流の場「FormatterClub」のセミナーにて、公開予定の CAS-UB V5 新機能を紹介します。

セミナーお申し込み:http://www.kokuchpro.com/event/AH_winter/

<<CAS-UB V5 すこしだけ紹介:新機能>>

━━━━━━━━━━━━━
●Web生成機能を強化●
━━━━━━━━━━━━━

■目次ページのレスポンシブ対応
——————————-
スマホ用では目次アイコンを作成して、目次アイコンタップによる目次表示ができるようになりました。

■出版物全体での全文検索
————————
1冊まるごとからの全文検索ができるようになりました。
html ファイル毎に検索する手間がなくなります。

■タイトルページ
————————
出版物の Web ページの表紙に代わるページとしてタイトルページを生成できるオプションを追加しました。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●テキスト形式のエクスポート機能を追加●
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ブラウザ越しの長期時間編集もラクではありません。
V5 では、そうしたブラウザ上の編集記事をテキスト(UB テキスト)としてエクスポートし、外部テキストエディタで編集、再アップロードできるようにしました。

†UB テキスト†
出版物を構成する単位である記事について、全ての記事または一部の記事を一つに結合したテキストファイルのこと。
出版物の構成とツリー構造を表現でき、各記事の内部は、CAS 記法でマークアップすることができます。

┏━┓
┃★┃ FormatterClub 2017 ―冬― お申込み詳細
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 開催日時: 2017年12月8日(金)14:00~18:30
 会  場: 中央区月島区民館
   東京都中央区月島二丁目8番11号
 詳細・お申込みURL: http://www.kokuchpro.com/event/AH_winter/

CAS-UBは本日の定期保守で、EPUBアクセシビリティ関連の機能追加などを行う予定です。

CAS-UBは、本日18時より定期保守を行います。そのときに次の機能追加と仕様変更を行う予定です。

1. EPUB3.0のカバー(表紙)画像の代替テキストに、書誌情報のタイトルとサブタイトルを設定します。従来は、代替テキストは「カバー」という固定文字列でした。書誌情報は、「編集」画面の「その他のメニュー」で表示される「書誌編集」で入力します。

◎これにより、EPUB3.0を音声読み上げするとき、カバーページで「書名」と「副題」を読み上げるようになります。

2. EPUB3.0の出力設定で、カバー(画像のみの表紙XHTMLページ)を「出力する」「出力しない」を切り替えるオプションを新設します。従来は、カバーは常に出力していました。設定変更は、「生成」画面で「EPUB3」の「一般」より設定できます。既定値は「出力する」ですので、設定を変更しなければ従来と同じ動作となります。

EPUB3.0で表紙を画像ではなくテキストで作成したいとき「カバー」を出力しないで、タイトルページを先頭ページとすることができるようになります。
タイトルページは手作りまたは書誌情報から自動生成します。
・手作りするときは、「編集」画面で記事の種類を「タイトルページ」にします。
・自動生成するときは、「生成」画面で「EPUB3」の「一般」で「タイトルページ」を「生成する」とします。(記事の種類が「タイトルページ」の記事があるときは自動生成するは無効です)。

タイトルページには、bodyに”titlepage” というクラス名が設定されます。
<body class=”titlepage” …>

◎これにより、画像のみの表紙XHTMLページを出力しないで、テキストで作成したXHTMLを表紙として使うことができます。表紙のデザインをカスタマイズするときは、style.cssファイルを作成し、編集画面で「スタイルシート」にアップロードしてください。

3. 新しいCAS記法としてページ分割マーク(page break markers)を追加しました。

ページ分割マークは本文に次のように記述します。

[[[:#N@b ]]] Nに原本(紙・PDF)のページ番号を自然数(1、2、3、…)で設定します。bはページマークであることを意味します。bの後の空白を付けます。

ページマークはXHTMLでは次のようになります。

<span epub:type=”pagebreak” id=”u_2e201506171957_2eN_2eb” role=”doc-pagebreak” title=”15″/>(注)201506171957はファイル名のベースネーム。

ページ分割マークがある場合、EPUB3のナビゲーションファイル(nav.xhtml)にページリストを作成します。

参考資料:EPUB 3 Accessibility Guidelines
Page Numbers
Page List

◎サンプルファイル1
次のサンプルは「暗号舞踏人の謎」(アーサー・コナン・ドイル著、三上於菟吉訳、青空文庫NDC K933)を利用して、PDF版を制作し、PDF版のページ番号をEPUBに設定しています。CAS-UB出版物でのマークアップ方法は、CAS-UB出版物のバックアップ版でお確かめいただくことができます。CAS-UBのユーザーの方は、本バックアップファイルをご自分の出版物としてリストアして、編集画面でマークアップの例をご確認いただくことができます。

(1) 「暗号舞踏人の謎」PDF版
(2) 「暗号舞踏人の謎」EPUB版
(3) 「暗号舞踏人の謎」CAS-UB出版物のバックアップ版 (zip)

◎サンプルファイル2
次のサンプルは、タイトルや見出しにページ分割マークを設定した例です。CAS-UBでPDF(四六判)を作成し、そのページ開始位置をEPUBに設定しています。ページの開始位置に章のタイトルと見出しがあります。そこで、CAS-UBの出版物でも記事のタイトル(章のタイトルになる)と見出しにページ分割マークを設定しています。

(1) 「タグ付きPDF とはなにか」PDF版
(2) 「タグ付きPDF とはなにか」EPUB版
(3) 「タグ付きPDF とはなにか」CAS-UB出版物のバックアップ版 (zip)

4.(仕様変更)CAS記法のIDをEPUB-XHTMLのIDに変換する時のエスケープ仕様を変更します。従来は、エスケープ対象範囲にラテンアルファベットを含めていましたが、ラテンアルファベットはエスケープ対象から除外します。CAS記法上でIDに含まれるラテンアルファベットはXHTMLのID属性値にそのまま出力されるようになります。

5.その他
・外部データ入力のインポートファイル形式に「Smart Source Editor整理済みXML」が追加になります。
・AH Formatterを最新版6.5R1に更新します。

【関連】
EPUB アクセシビリティ

索引について―階層化索引を簡単に作る方法を考えました。

前回[1]は、主に索引の目的について考えてみました。

今回はちょっと実践的に、ECMJ流!のシリーズの制作の際に階層化索引を簡単に作る方法を考案しましたので、それについてご紹介します。

階層化索引というのは例えば次のような形式です。この例では親階層が「Eコマース」、「Eコマース革命」です。その子供の索引として「大企業のEコマース」、「中小企業のEコマース」などがあります。Eコマースが共通ですので、表示を簡素化するためダッシュで代替しています。

○PDFのとき巻末に索引を自動生成し、ページ番号から本文の索引語位置への内部リンクを設定
20170131

○PDFのとき巻末に索引を自動生成し、索引語または(複数箇所あるとき)索引語のカウンターから本文の索引語位置への内部リンクを設定
20170131c

CAS-UBの編集画面には簡単な索引を作る対話式のダイヤログがあり、これを使えば1階層の索引を簡単につくることができます[2]

残念ながら、現在のところ、編集画面のダイヤログでは階層化索引を作ることができません。そこで、CAS-UBの編集画面で手入力でCAS記法のマークアップすることになります。

CAS記法のマークアップの説明はこちら:CAS記法リファレンス

親子の索引は本文に次のようにマークアップします。
[[[:mindex [[[:prim:key=xxx 親の索引語]]][[[:second:key=yyy 子供の索引語]]]]]]
xxxに親の索引語の読み、yyyに子供の索引語の読み

しかし、どうもまだるっこしいので、テキストファイルとして索引を用意する方法を考えてみました。

上の図の例の索引を作るには、次のようなテキストファイルを用意します。

[[[:nodisp:mindex [[[:prim Eコマース]]][[[:second:key=だいきぎょうの―― 大企業の――]]]]]]
[[[:nodisp:mindex [[[:prim Eコマース]]][[[:second:key=ちゅうしょうきぎょうの―― 中小企業の――]]]]]]
[[[:nodisp:mindex [[[:prim Eコマース]]][[[:second パソコンでの――]]]]]]
[[[:nodisp:mindex [[[:prim Eコマース]]][[[:second モバイルでの――]]]]]]

[[[:nodisp:index:key=Eコマースかくめい Eコマース革命]]]
[[[:nodisp:mindex [[[:prim:key=Eコマースかくめい Eコマース革命]]][[[:second:key=――いこうの2ねんかん ――以降の2年間]]]]]]

(:nodispは索引語をPDFとEPUBの本文に表示しないという指定です)

それで索引語検索して、ヒットしたところに、索引のマークアップを貼り付けていきます。こんな感じです。

(1)「大企業のEコマース」を検索します。
20170131a

(2)ヒットした中で索引を付ける箇所を選択します。この場合は(9,76)の位置に付けますので、(9,76)をクリックします。

(3)すると編集画面で(9,76)の位置にジャンプします。テキストファイルから

[[[:nodisp:mindex [[[:prim Eコマース]]][[[:second:key=だいきぎょうの―― 大企業の――]]]]]]

をコピーして、索引語の前に貼り付けます。

(4)貼り付けた結果は次の図のようになります。

20170131b

(5)PDFとEPUBを作成すると索引のページが自動的に作られ、索引の各項目から本文へのリンクが設定されます。本文の索引語が非表示でもリンク先としては有効ですので、索引のマークアップは索引からジャンプしたい箇所に設定して置くのが良いです。

[1] 索引論再訪ー索引の目的とは。索引をどうやってつくるか?
[2] 1階層の索引の作り方は、動画とブログで紹介しています。動画とブログは下記の過去記事をご覧ください。

CAS-SUPPORTブログの索引関連その他の過去記事
[1] CAS-UBの編集デモ動画 新ファイル : 索引を追加する
[2] EPUB・PDFで索引や親子索引を作るためのCAS記法の例
[3] CAS-UBではEPUBに索引を自動的に出力できます。
[4] 索引の作り方を考える。一歩進んで、本文に出てこない索引語や、索引語の階層化の試み。

10月24日 CAS-UB 五周年記念セミナーのスライドと動画をアップしました。

昨日は市ヶ谷にてCAS-UB 五周年記念セミナーを開催致しました。
CAS-UBのWebサービスは、10月20日にV4.0となりました。

今回の機能改善で、編集操作がかなり使い易くなりました。

またPDFレイアウト指定についても、実際にプリントオンデマンドの本を書いて出版したりしながら、問題点を洗い出して改善しています。

セミナーのスライドと、デモに使いました動画をこちらに用意しましたので、ぜひご覧下さい。

1.セミナーのスライド(PDFをダウンロード)

2.動画(MP4ファイルを表示します)
(1)新出版物を作り『蕎麦の味と食い方問題』(青空文庫)をコピーする
(2)ルビ、縦中横、リンクをマークアップする
(3)Wordからの外部入力の操作例
(4)PDF生成の基本設定
(5)PDF生成のレイアウト調整
(6)PDFの後書きのページ内配置と見出しの指定変更
(7)『XSL-FOの基礎』 サンプルレイアウト改善の例

関連ブログ
1. CAS-UB V4.0の公開予定についてのご案内(予告)
2. CAS-UB V4の編集画面を垣間見る。V3では構成編集と編集画面が別でしたが、統合しました。
3. CAS-UB V4.0 デジタルファーストへ向けて、CAS記法の強化
4. CAS-UB のWebサービスV4.0をリリースしました
5. CAS-UBの編集デモファイル 見出しを付ける

CAS-UB のWebサービスV4.0をリリースしました

本日10月21日(金)よりデジタル書籍制作WebサービスCAS-UBはV4.0となりました。

2011年2月のPage2011で初公開[1]、2011年夏からサービスを開始しており、今年夏でサービス開始満5年を経過しました。この間、継続的にバージョンアップを重ねてまいりましたが、今回のバージョンアップにより、より高品質な出版物を、さらに容易に制作できるようになります。

V4.0で追加した機能についてCAS-UB V4.0 2016年10月20日 公開

CAS-UBはデジタルファーストによる出版物制作が狙いです。類似のWebサービスは他にもありますが、CAS-UBは特に専門的な内容の出版物を簡単に制作できるのが特徴です。

例えば次のようなことができます:
・章・節などの原稿の内容をブラウザから簡単に構造化文書として編集します。多言語のテキスト、表や図版を初め数式の設定など専門的な内容も記述できます。索引の作成も簡単にできます。
・出版物の章・節などの構成を後から自在に変更できます。章番号、図番号などは自動付与できますので番号の付け直しは不要です。
・原稿の編集が終了したらクリックだけで、PDF、EPUB、Webページなどの様々な形式の出版物を制作できます。
・レイアウトのテーマを用意しており、テーマを選択するだけでEPUB、PDFのレイアウトができます。さらにレイアウトを簡単にカスタマイズもできます。

CAS-UBの概要やレイアウトのカスタマイズは、PDFとWebで詳しいドキュメントを用意しております:CAS-UB サポート&ガイド

CAS-UBの操作全般についてCAS-UB ユーザー・ガイド(Web版)

PDFの生成手続きとレイアウトのカスタマイズ
CAS-UBによるPDF生成のためのガイド

EPUBとWebレイアウトのカスタマイズCSS レイアウトのカスタマイズガイド

来週月曜日(10月24日)の午後、市ヶ谷にて、今回のバージョンアップの概要や、プリントオンデマンドによる出版の事例などについて報告するセミナーを行います。まだこれからもお申し込みできますので、ぜひ、ご参加ください。

10月24日(月)バージョンアップ内容についてご案内するセミナーを予定しています。お申し込みはこちらからどうぞ:
http://www.cas-ub.com/user/seminar.html

[1] EPUB電子出版!クラウド型汎用書籍編集・制作サービス開発のご案内