CAS-UBは5月23日のアップデートでEPUBの中に収容するXHTMLファイル単位の縦組み・横組みの指定ができるようにしました。
これは、日本電子書籍出版社協会の「電書協EPUB 3 制作ガイド」[1]に準拠するスタイルシート(CSS)を適用するために用意したものです。
以下に簡単に説明します。
EPUBでは、表紙、目次、まえがき、本文(章・節など)、あとがき、奥付けなどの単位でXHTMLファイル(CAS-UBでは「記事」と呼んでいますので、以下、記事といいます)を作ります。
これらの記事単位に縦書きか横書きかを指定できるようになりました。
CAS-UBの記事入力・編集ページの下に「文字進行方法」を指定するメニューがあります。
また、表紙(カバーページ)、タイトルページ、目次、索引などの自動生成記事は、構成編集メニューのページに「自動生成ページの文字進行方向設定」のリンクがあります。
以上のメニューを使用することで、各記事の文字進行方向を「なし」(指定なし:デフォルト)、「横書き」、「縦書き」のいずれかに設定できます。[2]
指定なしは従来通りの動作ですが、横書き、縦書きを指定すると記事XHTMLルートのhtml要素に次のようなクラス属性が設定されます。
・横書きでは、<html class="hltr" …>
・縦書きでは、<html class="vrtl" …>
CAS-UBではstyle.cssに次のような設定を追加することで、記事単位で横組み・縦組みを切り替えることができるようになります。
/* 横組み用 */
.hltr {
-webkit-writing-mode: horizontal-tb;
-epub-writing-mode: horizontal-tb;
}
/* 縦組み用 */
.vrtl {
-webkit-writing-mode: vertical-rl;
-epub-writing-mode: vertical-rl;
}
「電書協EPUB 3 制作ガイド」では、縦組みを指定したEPUB書籍の中に、記事単位で横組みを指定することができるようになっており、htmlのクラス属性でこれを指定するようになっています。この方式を採用するEPUBを生成できるようにしたものです。現在のところ、この設定はPDF生成では適用されません。
なお、CAS-UBのデフォルトテーマには、現在、「電書協EPUB 3 制作ガイド」方式のCSSはありません。お客さまがご要望される場合に限り、「電書協EPUB 3 制作ガイド」方式のCSSを用意して、そのお客さまだけのメニューに表示する機能を追加しています。
この機能はお客さま毎の個別対応となります。詳しい情報につきましては、cas-info@antenna.co.jpまでお問合せください。
[1] 「電書協EPUB 3 制作ガイド」
[2] メニューの配置位置、メニューのテキスト(表示文字)につきましては、今後、変更する可能があります。