CAS-UBで制作したEPUB版のKindle、Koboでの販売について(メモ)

楽天Koboに続き、Amazon Kindleによる電子書籍の販売が始まったことで、ようやく、CAS-UBなどで制作したEPUB版電子書籍を広く販売することができるようになりました。

EPUB電子書籍を取り扱うWeb販売サイトはこれまでもありましたが、やはり、Amazon Kindleの登場により、EPUB書籍の販売が初めて本格化したと言えます。

折角作った書籍も、流通・販売する手段がないのでは、宝の持ち腐れです。CAS-UBは、書籍をゼロから自分で作る人たち向けのサービスですので、流通・販売までの環境が整って、ようやくその真価が発揮できるというもの。

多数のタイトルをもつ出版社であればAmazonと直接契約して電子書籍を販売することができます。そうでない個人の著者や小さな出版社にとっては、どうなのでしょうか。

こうした人達のための情報として、自分で制作したEPUB書籍をAmazonなどで流す方法について簡単に整理してみました。まだまだ経験不足ですが、今日の時点でわかっていることをとりあえずご紹介します。

1.Amazon Kindleの場合

(1) Amazon Kindleから販売する場合、編集・制作者ご自身がKindle Direct Publishing(KDP)と契約して販売する

実際の体験例:「CAS-UBで制作したEPUB3をAmazon KDPで販売してみました

(2) Amazon Kindleへの流通契約を結んだ代理店を経由する方法。

  • エクスイズム、Kindleへの代理店として取り扱いを開始[1]

KDPの入稿形式は、EPUBのみではなく、Microsoft Word(主に英文)、HTML、XMDFも扱っています。しかし、EPUBの方がトラブルが少なく、また、最終版に近い形式で入稿できるという点で、Microsoft Wordによる入稿より遥かに優れているといえます。

KDPで本格的に販売することを目指すならば、カバー画像を制作するべきなのでしょう。しかし、たとえば、技術情報やちょっとしたノウハウを伝授したい人あるいは情報を共有するとこを目的にするのなら、カバー画像までプロに頼んで制作するのはなかなか大変です。そこで、このあたりはCAS-UBで自動的にできるように準備中です。

KDPは日本在住の場合、ロイヤリティは定価の35%になります。さらに、米国のIRS(日本の国税庁に相当)に30%の源泉税を納めることになりますので、手元にはいるロイヤリティは24.5%となります[2]。あとは、銀行に入金するのはロイヤリティが1,000円溜まってからとなります。

KDPを使うか、代理店を使うかは、どうでしょうか?

代理店のロイヤリティは、15%~20%(CAS-UBのアカウントなし)、25%~30%(CAS-UBのアカウントあり)となっています。Kindleので、KDPによる販売と大よそ同じです。代理店を使う場合の最大のメリットは、Webでいろいろな手続きを行なったり、書籍のメタデータの登録などの手間が省けることでしょう。また、Kindleだけではなくて、他の販売サイトへの取次なども一元化できることになります。

代理店の場合は、カバー画像の制作などの相談にも乗ってもらえますので、相談相手がほしい場合も、代理店経由の方が便利でしょう。

2.楽天Koboの場合

(1) Googleで検索してみますと、Kobo Writing Lifeという自費出版サービスがあり、日本語も使えるようになっているようです。但し、まだ試していません。

(2) エクスイズムで、Koboへの配信も行なっています。

3.その他

もうひとつの大所は、Google Playです。Google Playでの配信についても試してみたいと思っていますので、また後日整理いたします。

[1] EPUB3の制作代行からストア販売支援まで【eXism Short Magazine】スタート
[2] 源泉税は、日米租税条約にもとづく書類を提出すれば不要になります。また、Amazonから源泉徴収票を入手して日本で確定申告すれば、還付されるのではないかと思いますが、未確認です。税のことは税務署で相談してみると良いと思います。