「日本語組版処理の要件」W3C 技術ノート 2012年4月3日公開

「日本語組版処理の要件」の第2版が正式に公開されました。昨年11月に作業ドラフトとして公開されたものに対するコメント・意見を反映して正式版としたものです。

日本語組版処理の要件(日本語版)
W3C 技術ノート 2012年4月3日

第1版は2009年4月に公開され、欧米の専門家の間で高い評価を得ました。そして、CSS3の仕様に日本語組版の機能を盛り込む上で大きな貢献を果たしました。

第2版は、第1版で盛り込むことができなかった「第4章見出し・注・図版・表・段落の配置処理」を追加したもので、第2版をもって完結となります。

W3CのWebページで公開されているのはHTML版ですが、第2版の公開にあわせて4月10日にプリント版が東京電機大学出版局から発売になります。アマゾンで予約の受付が始まっています。

アマゾンの書籍案内ページ

このプロジェクトは日本語組版をプリントの世界からWebや電子書籍にまで広げていくためには、スタイルシートの仕様に日本語組版の指定機能を盛り込んでいく必要があり、そのためには、W3CのCSS(Cascading Style Sheets)やXSL-FOスタイルシートのワーキング・グループに日本語組版について理解してもらうための英文資料を用意する必要がある、というところから始まったものです。

プロジェクトが始まったのは、2006年の春ですので、ちょうど満6年かけて完成したことになります。長期間にわたり作業を続けてこられたタスクフォース・メンバーに敬意を表したいと思います。

CAS-UBは、この成果をソリューションとして実現することを目標の一つとしています。既に、CAS-UBのPDF生成のV2レイアウト指定で「日本語組版処理の要件」に沿ったページ組版を自動的に行なうような機能を組み込んでいます。しかし、まだ完全とはいい難いので今後もっと磨きをかけていく予定です。

○印刷技術協会において出版記念セミナーも開催予定です。
電子書籍と日本語組版
「W3C技術ノート 日本語組版処理の要件」出版記念

○関連Webページ
日本語組版処理の要件を作ったJapanese Layout Task Forceのホームページ:http://www.w3.org/2007/02/japanese-layout/