学術情報誌記述形式JATSの解説セミナーを開催、JATS-FOスタイルシートのオープンソース公開を予定

アンテナハウスは2012年5月24日13:30~東京・四谷において、「JATS 解説セミナー」を開催いたします。

今回のJATS解説セミナーでは、(1) 愛知大学教授の時実様をお迎えしまして JATS の解説をしていただきます。また、(2) JATS形式で作成された学術論文を学術誌用PDFに変換するスタイルシートをオープンソースで公開するとともに、その概要とカスタマイズ方法などを解説する予定です。

学術情報誌の分野は、一般書の電子書籍化よりも先行して電子化が進んでいます。特に英語版の学術情報誌は既に全面電子化されています。日本語の学術情報誌はまだ印刷も多いですが、早晩、全面電子化されることになると予想されます。

この鍵を握るのが、学術論文などを記述するための、XML準拠の仕様JATS(Journal Article Tag Suite)です。JATS―旧名はNLM-DTD―は欧米のジャーナル・アーカイブのためのデファクト標準となっています。現在、米国のNISOでNLM-DTDを継承するJATSの標準化が進んでいます。

日本でも科学技術振興機構(JST)が5月から運用開始した電子ジャーナル・アーカイブ J-STAGE3では、JATS0.4 ベースの書誌 XMLが全面採用されました。また論文の全文をJATS形式で搭載することも可能となっております。

現在、先進的な学会では論文全文のJATS化に取り組み始めており、学会誌を担当する制作・印刷会社でもJATS形式の論文制作するサービスを開始しつつあります。

学術論文をJATSで記述することで、論文のアーカイブの全文検索や閲読性を高めることができます。これにより論文が海外を含めて参照されたり、引用されることが増えると期待できます。

JATS形式で記述した論文は、スタイルシートをつかってHTMLに変換した上でブラウザでみたり、FOに変換してAH Formatterなどの自動組版ソフトを使ってPDFにして閲読します。

アンテナハウスは、この度、JATS0.4 に準拠して作成された論文をXSL-FOに変換する XSLT スタイルシートを開発しました。このスタイルシートを使うと、JATS形式の論文をAH Formatterによって高度なページ組版をすることができます。この作業は、従来FrameMakerや3B2などの専用の出版ソフトを使って行なわれていたのですが、それを置き換えることができるようになります。

5月24日のJATS解説セミナーにおいて、本スタイルシートを初公開する予定です。

■セミナー概要
※開催日時
2012年5月24日(木)13:30~16:30(受付開始13:15)
※タイムテーブル
13:30~    主催者挨拶
13:45~14:45 JATSの概要についての解説
  (愛知大学教授 時実象一氏)
学術雑誌出版の特徴
学術雑誌記事の構造
NLM DTD の歴史と利用
わが国での SGML/XML 学術出版の歴史
日本語学術記事の特徴と NLM DTD の問題点
NLM DTD の多言語拡張と JATS
JATS 0.4 の要点
14:45~15:00 休憩
15:00~16:00 JATS DTD仕様解説、JATS XMLデータをPDF化するために  (アンテナハウス株式会社 小林具典)
XSL-FOの基礎知識
XSLTスタイルシートの基礎知識
PDF化スタイルシート(オープンソース)について
概要、使い方
カスタマイズの方法
16:00~ ご出席者 質疑
16:30 閉会
※会場
アクセア第一会議室
東京都新宿区荒木町13の9 サンワールド四谷ビル1F
http://www.accea.co.jp/cr/yostsuya01.html#3
※受講料:10,500円
※定員:30名(事前申込み制)

■お申し込みは、
JATS 解説セミナー(JATS による日本語学術論文の標準化と自動組版)のご案内(株式会社エクスイズム)より、お願いいたします。