6月25日は、TechBooster/達人出版会の主催による技術書典[1]が秋葉原で開催されました。以前にお知らせしました通り[2]、アンテナハウスCAS電子出版グループも5冊のタイトルをもって参加しました。以下、簡単に報告します。
主催者によりますと当日の入場者は約1,200人とのことでした。何回かにわけて整理券発行となったため、入場を諦めて帰ってしまった人もいるのではないかと思います。目標は動員1,000人と聞いていましたが、目標を上回る大盛況でした。
参加グループの数も予定より多かったようです。コミックマーケット(コミケ)を筆頭に同人誌の展示即売会は他にもありますが、技術書に的を絞ったものとしては初めてではないかと思います。
当日は、私の方は、本を売るのに精一杯で他のサークルの様子を見たりできませんでしたが、お立ち寄りいただいた参加者の方々は大変熱心で、大成功だったと思います。すばらしいイベントを企画していただいたTechBoosterの日高さん、達人出版会の高橋さんを始め、大勢のボランティアの皆様に深く感謝申し上げます。
当グループで出品しましたのは次の5点です。
(1) 『PDFインフラストラクチャ解説ー電子の紙PDFとその周辺技術を語り尽す』
(2) 『XSL-FOの基礎ーXMLを組版するためのレイアウト仕様』
(3) 『スタイルシート開発の基礎』
(4) 『MathML数式組版入門』
(5) 『DITAのすすめ』
上記5タイトルを延べ39冊、金額で66,400円を販売致しました。また、本のちらしは250枚程度配布しました。どの位の数が売れるか見込みが立たなかったためやや控え目な部数を持参しましたが、一番の売れ筋はスタート1時間28分で完売、二番目が2時間39分で完売でしたので、機会損失がやや大きかったかもしれません。
隣のサークルはたぶん150冊(@1,000円)売ったようです。弊社の売上は多い方ではないでしょう。タイトルがニッチということもありますが、同人誌の展示即売会としては価格帯が高い方にずれていたように思います。その理由はもともとアマゾンなどオンラインストアのプリントオンデマンドにより販売することを目的にしたもののためです。
弊社の場合は、出版が目的というよりも、技術の普及が目的です。このためジャンルの変更は難しいですが、その中でもタイトル設定とプライス設定が大きな課題です。
アマゾンを初めとするPODオンラインストアは売り手にとっては大変便利です。しかし、買い手にとっては内容を事前に確認できない、というかなり大きな弱点があります。そうかといってニッチなタイトルの本は、書店に在庫を置いてもらうのも難しいものです。その点、こうしたイベントは現物を手に取って内容を確認できる、というのが買い手にとっての大きなメリットです。
いずれにしましてもXMLというニッチな世界で、印刷技術というニッチの二乗の技術分野の本を、大勢の方に手に取ってご覧いただけたことには勇気づけられました。