CAS-UBはデジタル技術を活用して本を作るWebサービスです。その特徴は、次のような点にあります。
(1)小説のようなほぼ文字だけの本ではなく、図版や表などを多用する専門書も編集・制作できること
(2)EPUBだけではなく、プリントオンデマンドのためのPDFを簡単なパラメータ設定のみで作ることができること
特に紙の本は、できあがったものを見ますと、一見簡単にできていそうに見えます。しかし、実際に本を作ってみますと、まず本の編集・制作作業はかなり複雑です。紙の本には長い歴史があり、表紙・扉・前書・目次・本文・後書・索引などの多くの構成要素があります。さらに日本語の本は横組・縦組があり、綴じ方(開き方)が反対になります。他にどんな点が難しいかは下記の参考資料(本のワンソースマルチユース制作〜その理論・実践・未来)をご覧ください。本の制作にあたっては、このような諸要素を予め配慮する必要があります。
こうしたことから、商業出版社では、専門的な知識をもつDTP制作者や制作会社に制作作業を外注していることが多いようです。しかし、本の制作を外注して行うと日程や費用が掛かってしまいます。さらに、DTPで制作するとPDFに特化してしまうため、EPUBなどの電子書籍にするのに別途の日にちがかかります。
CAS-UBは、コンピュータを使って、本の編集・制作作業をできるだけ自動的に行い、知識の伝搬・技術・産業の発展に欠かせない専門的な本の生産性を高めるのが目標です。
やや複雑なCAS-UBの編集操作やPDFの作成を、直感的に理解していただくために、次のミニ動画を用意しています。それぞれ1~2分ですので、ぜひご覧ください。なお、この中の動画の多くは、ECMJ石田社長のブログを、ECMJ流Eコマースを勝ち抜く原理原則 シリーズという本にする過程を録画したものです。
CAS-UB紹介動画一覧
新しい出版物の作成
編集機能について
- ブログのタイトルをコピーして節のタイトルとし、ブログの本文をコピーして節の本文とする。節の本文に項の見出しをマークアップする
- ブログの本文をコピーして節の本文とする。節の本文に項の見出し、箇条書きをマークアップ。段落先頭の空白を削除(置換)。PDFにしてみる
- 青空文庫の記法のルビ、縦中横、リンクをCAS-UBのマークアップにする
- 用語を検索する。用語検索・置換する、そのとき記事の先頭の用語はそのままにする
- Word文書を外部入力(インポート)する操作の例。この操作ではWord文書をWordML(XML)形式で保存したものをインポートする
- 索引の項目(索引語)を選択し、索引の読みを入力して索引をマークアップする操作
- 『XSL-FOの基礎』より、サンプルプログラム(整形済み)の文字サイズ・行間を狭め、整形済みの文字に色を指定する操作
図版と画像の扱い
本の構成を編集する
- 本文の5章の最後に、新しい節を追加。内容をコピー&ペースト・編集して保存。節の順序をドラッグ&ドロップで入れ替える(11月29日追加)
- 記事一覧で選んだ節の後ろに3本の節を挿入し、ブログから内容をコピー&ペーストする(11月30日追加)
- 本文と目次の前に前書を追加。Word文書で作成した「前書」を追加する
- 奥付を追加する。奥付の内容は書誌情報で入力する
PDF生成
- 青空文庫『蕎麦の味と食い方問題』を、表紙の書名・著者名の設定と判型など基本設定しただけでPDF生成する
- 青空文庫のPDF生成:続き。レイアウト調整(最初の見出しを出さない、段落先字下げ、など)
- 青空文庫のPDF生成:その三。縦中横を箇条書きに、青空文庫の書誌(後書)を横組でテキストをページ内下部に配置する
- 目次に出す見出しのレベルを二つ(デフォルト)から一つに変更し、目次の項目を減らす
- プリントオンデマンド(POD)用PDFの作り方。表紙、PDF生成をPOD用設定に変更する
なお、動画の内容は随時追加・改訂していく予定です。
参考資料
・本のワンソースマルチユース制作〜その理論・実践・未来
・CAS-UB Webページ
・ミニ動画作成のきっかけになった10月24日セミナーのプレゼンテーション