ページってどういう意味? 続編 Kindleの紙の本の長さと、KENPについて

アマゾンKDPに詳しい人はご存じかと思いますが、Kindleストアにはページという言葉が二つ登場します。

一つは、KDPの本の紹介で表示される「紙の本の長さ」という項目の値です。図の赤枠で囲った部分です。説明文には「推定の長さは、Kindle で表示されるページ数を使用し、印刷本に極力近い表現になる設定で計算されます。」と表示されます。

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「印刷本に極力近い表現」ってどういう意味なんでしょうか? 図の『PDFインフラストラクチャ解説』Kindle版の場合、417ページと表示されます。ちなみに、『PDFインフラストラクチャ解説』には、POD本が別にあります。POD本はページ数を極力抑えるためにB5判型にしていることもあり、本文268ページなんですが。

もう一つのページ概念は、KENP(Kindle Edition Normalized Pages)というものです。KENPは、Kindle Unlimited[1]とKindleオーナー ライブラリー[2]の利用料支払いの基準になるページ数です。Kindle Unlimitedは「初めて読まれたページ数に応じて KDP セレクト グローバル基金の分配金を受け取る」とあり、オーナーズライブラリーも「初めて読まれたページ数に応じて」ロイヤリティを受け取るとされています。

つまり、ページ数はロイヤリティの支払い基準なので重要な概念なのです。

KENPは、現在、v2.0だそうです。「KENPC v2.0 では、フォント、行の高さ、およびスペースなど本の長さを標準化する計算方法に多くの改良が加えられています。」[3]という説明があります。

それでは、実際のKENPの単価はどうなっているのでしょうか? これに関してはあまりデータがないんですが;

『PDFインフラストラクチャ解説』は発売した1月から7月までKindle Selectに登録しており、この間で、稼いだKENPが延べ8,279ページでした。KENPによるロイヤリティ収入は、6,875円です。計算すると1 KENPが83銭となっています。

ちなみに、鈴木みそさんのブログ[4]には11冊のコミックのKENP数とロイヤリティ収入が公開されていますが、11冊すべて1KENPが50.7銭となっています。コミックは、たぶん、紙と同じページでしょうから、紙版と同等ページが、1ページ読まれたら約50銭の収入が得られる、ということになるのでしょう。

さて、この83銭と50銭をどう考えたら良いんでしょうか?

[1] Kindle Unlimited
[2] Kindleオーナー ライブラリー
[3] Kindle Unlimited およびKindleオーナー ライブラリーのロイヤリティ
[4] 鈴木みそは「アマゾン読み放題」で儲かったのか!? 金額発表!

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★ページに関連するブログ記事の一覧
[1] ページってどういう意味? 紙のページ、Webページ (memo)
[2] ページってどういう意味? 続編 Kindleの紙の本の長さと、KENPについて
[3] Kindle Unlimited問題とKENPの関係について(続き)
[4] Amazonでは本のページの数え方が三つある。Kindle Unlimitedは第三のKENPで著者への支払いが行われ、KENP相場が基準になる。
[5] ページっていったい、どういう意味なんだろう? ――Webページ
[6] ページって何? 「ページ」と本のかたちとの関係、「ページ」と「頁」の関係、ブラウザと電子書籍の未来