UBテキストの使用例 ― 記事の構成を変更する

弊社では来週26日(月)よりAntenna House PDF Driver V7.5をリリースする予定です[1]。この利用ガイドは、Microsoft Wordで原稿を編集して、Web版はCAS-UBで作ります。

原稿のWordファイルをCAS-UBにインポートしたところ、記事ファイルが次のような構成になってしまいました。

このような記事のタイトルだけのファイルがいくつもできています。これはWordのインポートの時、見出し(スタイル)で記事を分割しているためなのですが、このままWebページにしますと次のようになります。

見出しだけのHTMLファイルができてしまうんですね。こうした見出しだけのHTMLファイルが沢山あると、Webの内容を前から順番にナビゲーションするときなどにクリック回数が増えることになります。こうした構成はあまり使い勝手が良くないのではないでしょうか。

このように分断されてしまった記事を一つに繫げるとき、昨年12月に追加したUBテキスト機能[2], [3]を使うと便利です。

まず、出版物の全体(または記事の構成を変更したい箇所)をUBテキストとして外部のテキストエディタにペーストします(下図左)。次に記事のタイトル部分を取り出して、前の記事の見出しにします(下図右)。

そして、編集後のUBテキストファイルをCAS-UBにアップロードします。

これにより次のように記事が合併できます。

編集後にWebページを生成すると次のようにタイトルだけのHTMLファイルはなくなります。

タイトルだけのHTMLファイルを無くす方が、Webのナビゲーションがし易いと思います。ぜひ、一度お試しください。

[1] PDF出力を行うGDI型仮想プリンタードライバー『Antenna House PDF Driver V7.5』 リリースのお知らせ
[2] CAS-UBで編集中の出版物をダウンロードし、テキストエディタで編集し、元に戻す
[3] CAS-UBで編集中の出版物をダウンロードし、テキストエディタで編集し、元に戻す(2)UBテキスト

ページっていったい、どういう意味なんだろう? ――Webページ

個人的にはずっと長いことページという言葉を紙と連想して使ってきました。もう一方で、ここ20年くらいはWebページという言葉もかなり頻繁に使っています。そうしますと、この二つのページはかなりかけ離れたもののように感じるのですが、ページっていったいどういう意味でしょうか? 

Webの発明者Tim Berners Leeの本[1]によりますと、WorldWideWebプログラムを初めてCERNの限定されたNeXTユーザーにリリースしたのが、1991年3月なのだそうです。そうしますと、Webページという言葉は1991年より前にはなかったはずです。

Webページという言葉を初めて使ったのが誰かは分かりませんが。とりあえず、上記の本でpageに関する文章を拾ってみました。

これらを見ますと、まず、HTMLのソースコードはWebページではないようです。HTMLはページとして整形する方法を記述しているもので、Webページとはブラウザなどでワープロのように可視化した状態を指すようです。

…Hyper Text Markup Language (HTML) I had written, which describes how to format pages containing hyper text links.(p.29)

The browser would decode URIs, and let me read, write, or edit Web pages in HTML. (p.29)

… users could bookmark any place and return to it, and could make links into any place from another document. This would give a feeling of persistence, of an ongoing existence, to each page.(p.37)

I never intended HTML source code (the stuff with the angle bracket) to be seen by users. A browser/editor would let a user simply view or edit the language of a page of hypertext, as if he were using a word processor. (p.42)

[1] 『Weaving the WEB』(Tim Berners Lee, Harper, 1999-2000)

★本ブログの内容をもう少し整理して、次のWebページとしましたので、ぜひご一読ください。
本のかたちを考える ― その2 ページって何? 「ページ」と本のかたちとの関係

★ページに関連するブログ記事の一覧
[1] ページってどういう意味? 紙のページ、Webページ (memo)
[2] ページってどういう意味? 続編 Kindleの紙の本の長さと、KENPについて
[3] Kindle Unlimited問題とKENPの関係について(続き)
[4] Amazonでは本のページの数え方が三つある。Kindle Unlimitedは第三のKENPで著者への支払いが行われ、KENP相場が基準になる。
[5] ページって何? 「ページ」と本のかたちとの関係、「ページ」と「頁」の関係、ブラウザと電子書籍の未来