CAS-UB多言語化へ向けて 一般フォント設定機能を追加しました

CAS-UBは2012年6月14日のメンテナンスで、PDF生成に、一般フォント(generic font)の設定機能を追加しました。フォント名を指定するとき、従来は、「IPAex明朝」というような具体的なフォントファミリーの指定しかできませんでしたが、本日から、「serif」というような一般フォントでの指定もできるようになりました。これにより多言語混植でより柔軟なフォントの指定ができるようになります。

一般フォントを指定したときに、どの具体的フォントファミリーが適用されるかは、スクリプト(文字の種類)別に予め組み合わせを定めておくことができます。

具体的に使い方を説明します。

1.一般フォントに対するスクリプト別フォントファミリーの指定方法

(1)「生成」メニューのPDFの項の「フォント設定」のメニューを使います。フォント設定は6月14日の新規メニューです。

(2) 一般フォントの設定

「フォント設定」をクリックしますと、下の画面が現れます。serif(明朝)、sans-serif(ゴシック)、monospace(固定幅)の3種類の一般フォントに対して、スクリプト別に適用するフォントファミリーを設定します。

スクリプトとは文字の種類ですが、現在は日本文字、ハングル、キリル、ギリシャ、それ以外(基本ラテンと同じとします)の5種類になっています。

☆中国繁体字、中国簡体字は現時点では使用できません。

2.フォントの設定

「PDF生成」の「レイアウト設定」-「レイアウト設定詳細」で本文、見出し、表題などの項目別にフォント名を指定するメニューを使って、各項目に使用するフォントを選択します。

たとえば、「本文段落のフォント名」は次のようになっています。従来は、具体的なフォントファミリー名だけでしたが、これからは、一般フォントの指定ができます。

3.使用例

和欧混植のページを従来の指定と、新しい指定でPDF化して比較してみました(次の図)。
図上半分は、「本文段落のフォント名」に「IPAex明朝」を指定したものです(従来と同じ)。
図下半分は、同「serif」を指定したものです。serifには、基本ラテンに「LiberationSerif」、日本語に「IPAex明朝」を設定した状態です。

serifを指定した場合、日本語文字にはIPAex明朝が適用され、英数字にはLiberationSerifが適用されます。LiberationSerifは、Times Romanと同じメトリックス情報をもつように設計されたフォントなのですが、IPAex明朝と比較してフォントサイズが同じでも文字が小さくなっているため上半分と比較して欧文部分の字詰数が増えています。