このところ、CAS記法[1]の便利さになれてHTMLを作る他のオプションを忘れかけていました。
しかし、まだ巷ではHTMLを簡単に作る方法で苦労しているようです。そういう方には、CAS記法を使ったら如何ですか? と言いたいところです。しかし、いきなり結論を出しても、ということで、まずは久しぶりに現状を調べてみましょう。最近は、どんなのがあるんだろうねぇ。
こういうときはググるというわけで、「Office HTML 変換」で検索! 最近のGoogle検索はパーソナライズされていますので、すべての人が同じ結果になるかどうかは分かりませんが、私の画面でトップに来たのはこちらです。
○「ワード文書を Web ページに変換する」
Last Update:12/22/2016 21:58:35
となっていますので新しいですね。どれどれ。
どうやらマンション管理組合関係のWord文書をHTMLに変換する話のようです。Word2007/2010の「名前を付けて保存」でHTML形式に保存しているようです。ああ、これはもう10年以上前に試した記憶があるなあ、と思って読んでみました。
この「ワード文書を Web ページに変換する」というWebページを作成された方は、Wordで紙に印刷するようにレイアウトした紙のページをWebページでも再現しようと考えておられるようです。そして、変換前のWordのレイアウトをWeb化したときのレイアウトを比較して「レイアウトが崩れること、その原因」についてのまとめがあります。
これはまさにWordで文書を作成している人の典型のパターンです。
まず、Wordの文書は紙に印刷することを想定しています。そして一定のサイズをもつ紙の印刷面にうまく適合するように、そして分かりやすいように画像や文字の大きさを決めてレイアウトするわけです。
しかし、Webページはコンピュータの画面で表示するものです。で画面はWebページを読むコンピュータの種類、最近ではスマホで見る方が多いと思います。スマホの画面でみるかタブレットの画面で見るかなど、使う人の時間やあるいは通勤途上、会社、自宅などの場所によって千差万別になります
ですので、そもそもWebを作るときには印刷レイアウトをそのままWebで再現したい、という発想はあまり良くないんですね。
ではどうしたら良いでしょうか?
まずは、Webページ=様々な画面で見たときに問題がない、というようなWord文書の作り方をする必要があります。このWebページで紹介しているようなチラシ的なレイアウトをした文書はWebに持って行くのはあまり適切ではないでしょう。
WordでHTMLを作るといったときは、まずWord文書の作り方を次のように変える必要があると思います。
・見出しと本文を明確に使い分ける。
・そして見出しの階層は文字の大きさではなくスタイルで表す。
・本文は段落を意識して書く。
・段落の種類(例えば、引用、箇条書きなど)はレイアウトで区別するのではなく、スタイルで区別する。
こうなると、結局、Wordで簡単にHTMLを作る=まずガイドラインの作成から? そのガイドラインはいままでのWord文書の作り方の発想転換を迫るものになって、結局は受け入れられるまでに時間がかかる? やれやれ。
[1] CAS記法リファレンス
[2] 前回:ワンソースマルチユースの課題:HTMLソースのオーサリング問題を改めて考えてみようと。
■シリーズ
(1) ワンソースマルチユースの課題:HTMLソースのオーサリング問題を改めて考えてみようと。
(2) HTMLを手軽に作る方法を再検討します。手軽といえば、まずWordでHTMLを作ることが思いつきます。
(3) Word2013のWord文書をHTML形式で保存を試してみる。その問題点は?
(4) HTMLを簡単に作る方法:h1要素の話(1)