Amazonでは本のページの数え方が三つある。Kindle Unlimitedは第三のKENPで著者への支払いが行われ、KENP相場が基準になる。

前回「Kindle Unlimited問題とKENPの関係について(続き)」[1]で、KENP(Kindle Edition Normalized Pages)単価の下落のことを書きました。

ではそもそもKENP数はどのように決定されているのでしょうか? KENP数の前に、前々回「ページってどういう意味? 続編 Kindleの紙の本の長さと、KENPについて」[2]でも触れましたが、Kindleの本の紹介には、「紙の本のページ数」という項目があります。

結局、Amazonでは本のページ数カウント方法には三つの基準があることになります。次に『PDFインフラストラクチャ解説』と、もう一つの本の二つの例を挙げます。
スライド1
この二つの例でみますと、POD本の判型&ページ数とKindle版に表示される「紙の本のページ数」の関係は次の表のようになります。おおよそ900文字弱/ページになっています。まだサンプルが少なすぎますが、文字数だけで見ますと、おおよそ四六判に換算したページ数に近いようです。(『PDFインフラストラクチャ解説』は図版と表が大量にありますので、文字数だけでは評価できないはずですが。)

タイトル a. 1ページの文字数 b. POD総ページ数 c=a×b d. Kindle版の紙の本のページ数 e=c/d
例1 1,365 268 365,820 417 877
例2 1,188 202 239,976 269 892

Kindle版の紙の本のページ数は、購入する人にとっての目安です。

一方、KENPは、著者への支払いの基準となります。このKENPがどのように計算されるかについては明確になっていません。ちなみに、上の例2の本を、実際にKindleセレクトで発売し、Unlimitedで100%読了してみたところ417KENPとなりました。この本の紙の本のページ数に対して1.55倍です。

仮に、1KENPあたり50銭としますと、本書1冊を丸ごと読み終えたときに著者に支払われるロイヤリティは約200円となります。これが高いか安いか? という議論は別として、Kindle Unlimitedに出した本へのロイヤリティは、本の定価とは無関係に、Amazonが定める相場によって支払われる、ということにまず注意する必要があるでしょう。

[1]「Kindle Unlimited問題とKENPの関係について(続き)」
[2] ページってどういう意味? 続編 Kindleの紙の本の長さと、KENPについて

★ページに関連するブログ記事の一覧
[1] ページってどういう意味? 紙のページ、Webページ (memo)
[2] ページってどういう意味? 続編 Kindleの紙の本の長さと、KENPについて(上の[2]と重複しています。)
[3] Kindle Unlimited問題とKENPの関係について(続き)(上の[1]と重複しています。)
[4] Amazonでは本のページの数え方が三つある。Kindle Unlimitedは第三のKENPで著者への支払いが行われ、KENP相場が基準になる。
[5] ページっていったい、どういう意味なんだろう? ――Webページ
[6] ページって何? 「ページ」と本のかたちとの関係、「ページ」と「頁」の関係、ブラウザと電子書籍の未来

Kindle Unlimited問題とKENPの関係について(続き)

先日のブログ「ページってどういう意味? 続編 Kindleの紙の本の長さと、KENPについて」[1]の、最後で出した鈴木みそさんのコミックが1KENP 0.50銭と私の『PDFインフラストラクチャ解説』の1KENP 0.83銭についてどう考えたら良いんでしょうか?の続きです。自問自答ですが。

前回のブログではあまりはっきり書いてなかったのですが、『PDFインフラストラクチャ解説』をKindle Selectに登録していたのは1月~7月です。それ以降はSelectを解除して他の電子ブックストアにも出したのです。この本の販売実績は次のようになっています。

20161027a

20161027b

この間、8月にKindle Unlimitedが開始されているのですが、関連情報をぐぐっていたら、こんな記事がありました。

「Kindle Unlimited で生じた本の売れ方の変化と Amazon の狙い?」[2]

この記事によると、「Kindle Unlimited リリース以前はだいたい 1 KENP = ¥0.8 だった。 それが、リリース後の 8 月では 1 KENP = ¥0.5 ほどに落ちたみたいだ。」とあります。

ということは、1KENP 0.50銭と私の『PDFインフラストラクチャ解説』の1KENP 0.83銭は、ジャンルの差によるものではなくて、Kindle Unlimitedの開始で総KENP数が増えたためのデフレのようです。

Kindle Unlimitedの支払いは、基金から行われると書いてありますので、このように総KENPが増えると単価が変動するんだろうとは、予想していたのですが。やはりそうなんだ。

いまのところ出版社との間で「1割読んだら1部の売上に相当する支払いをする」という特約のために、アマゾンの予算超過になっていろいろ騒がれる問題がでているようですが。本来、Kindle Unlimitedの著者や出版社への支払いは、総基金からなされるらしいから、アマゾンの予算を超過するはずはないと思っていたのですが。やはりKENPのデフレになるんだ。

[1] ページってどういう意味? 続編 Kindleの紙の本の長さと、KENPについて
[2] Kindle Unlimited で生じた本の売れ方の変化と Amazon の狙い?

★ページに関連するブログ記事の一覧
[1] ページってどういう意味? 紙のページ、Webページ (memo)
[2] ページってどういう意味? 続編 Kindleの紙の本の長さと、KENPについて(上の[1]と重複しています。)
[3] Kindle Unlimited問題とKENPの関係について(続き)
[4] Amazonでは本のページの数え方が三つある。Kindle Unlimitedは第三のKENPで著者への支払いが行われ、KENP相場が基準になる。
[5] ページっていったい、どういう意味なんだろう? ――Webページ
[6] ページって何? 「ページ」と本のかたちとの関係、「ページ」と「頁」の関係、ブラウザと電子書籍の未来