Amazonでは本のページの数え方が三つある。Kindle Unlimitedは第三のKENPで著者への支払いが行われ、KENP相場が基準になる。

前回「Kindle Unlimited問題とKENPの関係について(続き)」[1]で、KENP(Kindle Edition Normalized Pages)単価の下落のことを書きました。

ではそもそもKENP数はどのように決定されているのでしょうか? KENP数の前に、前々回「ページってどういう意味? 続編 Kindleの紙の本の長さと、KENPについて」[2]でも触れましたが、Kindleの本の紹介には、「紙の本のページ数」という項目があります。

結局、Amazonでは本のページ数カウント方法には三つの基準があることになります。次に『PDFインフラストラクチャ解説』と、もう一つの本の二つの例を挙げます。
スライド1
この二つの例でみますと、POD本の判型&ページ数とKindle版に表示される「紙の本のページ数」の関係は次の表のようになります。おおよそ900文字弱/ページになっています。まだサンプルが少なすぎますが、文字数だけで見ますと、おおよそ四六判に換算したページ数に近いようです。(『PDFインフラストラクチャ解説』は図版と表が大量にありますので、文字数だけでは評価できないはずですが。)

タイトル a. 1ページの文字数 b. POD総ページ数 c=a×b d. Kindle版の紙の本のページ数 e=c/d
例1 1,365 268 365,820 417 877
例2 1,188 202 239,976 269 892

Kindle版の紙の本のページ数は、購入する人にとっての目安です。

一方、KENPは、著者への支払いの基準となります。このKENPがどのように計算されるかについては明確になっていません。ちなみに、上の例2の本を、実際にKindleセレクトで発売し、Unlimitedで100%読了してみたところ417KENPとなりました。この本の紙の本のページ数に対して1.55倍です。

仮に、1KENPあたり50銭としますと、本書1冊を丸ごと読み終えたときに著者に支払われるロイヤリティは約200円となります。これが高いか安いか? という議論は別として、Kindle Unlimitedに出した本へのロイヤリティは、本の定価とは無関係に、Amazonが定める相場によって支払われる、ということにまず注意する必要があるでしょう。

[1]「Kindle Unlimited問題とKENPの関係について(続き)」
[2] ページってどういう意味? 続編 Kindleの紙の本の長さと、KENPについて

★ページに関連するブログ記事の一覧
[1] ページってどういう意味? 紙のページ、Webページ (memo)
[2] ページってどういう意味? 続編 Kindleの紙の本の長さと、KENPについて(上の[2]と重複しています。)
[3] Kindle Unlimited問題とKENPの関係について(続き)(上の[1]と重複しています。)
[4] Amazonでは本のページの数え方が三つある。Kindle Unlimitedは第三のKENPで著者への支払いが行われ、KENP相場が基準になる。
[5] ページっていったい、どういう意味なんだろう? ――Webページ
[6] ページって何? 「ページ」と本のかたちとの関係、「ページ」と「頁」の関係、ブラウザと電子書籍の未来

『本をコンピュータで作る』のは、いま、どこまでできる?

最近、プリントオンデマンド(POD)が流行っているようです。流行っているといっても全国的な流行なのか、私の周りだけの流行なのか、いまのところ、まだはっきりとは見極めがつきませんが。

CAS-UBの目標は、紙の本と電子の本の両方を同時に作りだすことです。

さて、そうしますと、紙の本と電子の本があります。で、この両者について『本をコンピュータで作る』ということをもう少しブレークダウンして考えてみます。

紙の本を作るには、印刷と製本の工程が欠かせません。しかし、これをCAS-UBで完結するのは無理です。そこで、1冊から印刷・製本ができるPODの普及を期待し、また、その使いこなし術を会得したいところです。

一つの論点=課題として、PODに使えるデータをコンピュータで作れるかどうか? があります。ここをもう少し、ブレークダウンすると次の3項目になるでしょう。
・本文のPDF
・包みの表紙のPDF
・POD用のメタデータ(表形式が多い)

電子の本は、現在、EPUB3.0がデファクトスタンダードになっています。

と言ってしまうと話が終わりそうです。しかし、もう少し現実に戻りますと、最近、弊社の電子出版サービスにEPUBを作ってもらえないかという引き合いが増えてきています。その内容を聞いてみますと、EPUB3.0ではなく、電書協ガイドだったり、別のガイドだったりします。EPUB2をベースにした独自仕様もあります。そうそう、Kindleも独自仕様だったりします。

EPUB3.1の標準化が進みつつあります。EPUB3.1ができても、それで終わりではなく、今後も変化するでしょう。

そうしますと、電子の本についての論点=課題の一つは多様なフォーマットにどう対応できるか? ということになるのでしょうか。

まだ、タイトル課題への回答にはなっていませんが、今日は、この辺で。

続きは:『本をコンピュータで作る』のは、いま、どこまでできる? (2)紙の本と電子の本をワンソースで作りたい

■PDF関連情報
流通によるプリントオンデマンドでの出版が現実のものとなった今、その活用の課題を考える。(2017年1月時点)

『PDFインフラストラクチャ解説』 0.55版を公開。無料配布の最終版となります。

2005年10月にブログ「PDF千夜一夜」を開始してから既に満10年を経過しました。

「PDF千夜一夜」はブログを1000日間連続で書き続けるというものでしたが、大勢の方にご愛読いただきました。

PDF千夜一夜 全記事一覧

その記事を中心に、さらに新しい話題を追加し、編集・執筆してきました『PDFインフラストラクチャ解説』。本書は、CAS-UBによるワンソース・マルチユースのユースケースとして、PDF、EPUBの形式で同時に作成するほか、随時プリントオンデマンドで紙の本をサンプルとしても作ってきました。

現在、0.55版を公開しています。

『PDFインフラストラクチャ解説』0.55版(EPUB,PDF)無料ダウンロード ~12月初旬まで
2016年1月に本書発売となり、無償配布を終了させていただきました。(『PDFインフラストラクチャ解説』POD版とKDP版が揃い踏みとなりました

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12月には1.0版として発売する予定です。

今般、弊社では、アマゾン、三省堂書店、ウェブの書斎、honto.jp、楽天ブックスなどのストアから、CAS-UBで制作した本をPOD方式で販売するサービスを始めることになりました。

お知らせ: CAS-UBで作ったPDFを、アマゾンなどから紙の本として出版するサービスを始めます。

12月には『PDFインフラストラクチャ解説』をそのルートで販売開始します。本書は、現在、内容の最終チェックと索引整備の作業に入っています。12月にストアで販売開始後は、勝手ながらPDFとEPUB版の無償ダウンロードは終了させていただきます。いまが、最後のチャンスです。

微力ながら、満10年かけて作りました。手に入らなくなる前にPDFとEPUBのダウンロードをお急ぎください。

手持ちのEPUBをプリントオンデマンド用PDFに変換。 ツールと変換サービスを提供開始!

アンテナハウス株式会社は、2015年1月28日より『EPUB to PDF 変換ツール』(本ツール)を発売します。

本ツールは、出版社や制作会社が持つEPUB形式の電子書籍をPDFに自動変換します。

電子書籍ストアやアマゾンのKindleで販売されている電子書籍のタイトルが増えてきました。電子書籍のタイトルの中にはWebページやブログから制作されたもののように、電子版はあっても紙版がないタイトルが多くあります。

一方、読者の間には電子版だけではなく紙でも欲しいというニーズもあり、こうしたニーズに応えるためEPUBからPDFを作ってプリントオンデマンドで紙の書籍で販売する形態に注目が集まっています。

本ツールをお使いいただければ、出版社・制作会社の社内で簡単にEPUBをプリントオンデマンド用PDFに変換できます。

EPUB to PDF 変換ツールの特長

  • DRMのかかっていないEPUBから、プリントオンデマンドに対応する高品質なPDFを出力できます。
  • 縦書き・横書きを自動で判別し、各組み方に対応したPDFを出力します。
  • フロー型EPUB、固定型EPUBに対応できます。
  • 印刷用ページレイアウト(できあがりサイズ、版面、フォント指定など)を、パラメータで柔軟に設定できます。
  • 目次にページ番号を自動付与(※)します。
  • アマゾンPOCガイドに準拠した表紙PDFを自動生成できます。

この他、社内で変換する体制を作るのはまだ早いとお考えの出版社向けにアンテナハウスで本ツールを使って変換サービスも承っております。

※EPUB内の目次ページが画像であったり、目次テキストが画像になっているとページ番号は付与されません。

動作環境

下記のクライアントOSに対応しています。

・Linux、Macintosh(OS X~)、Windows
・perl

本ツールは、コマンドラインからの操作変換になります。

お問い合わせ先

アンテナハウス・電子出版サービスグループ
 Eメール:cas-info@antenna.co.jp

詳細

本製品の詳細は次の Web ページをご覧ください。
 → http://www.antenna.co.jp/epub/epubtopdf.html

EPUBをプリントオンデマンド用のPDFに変換するツール「EPUBtoPDF」のご紹介(スライド)

スライド1

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スライド9

スライド10

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・関連記事1:EPUBをアマゾンPOD用PDFに変換するツール、EPUB vs PDFの相違点など
・関連記事2:EPUBtoPDF変換ツール+CAS-UB V2.3のちらしができました

EPUBをアマゾンPOD用PDFに変換するツール、EPUB vs PDFの相違点など

アンテナハウスはEPUBをアマゾンPOD用のPDFに変換するツールを開発しました。

このツールはEPUBを入力とし、EPUBのコンテンツ(XHTML)を自動組版してPDFを出力します。

PDFのレイアウトは、EPUBに指定されているレイアウト指定(CSS)情報を生かして行います。しかし、EPUBに指定されているCSSだけでは印刷物を作るには情報が足りません。そこで足りない項目は外部からパラメータを指定して、CSSの指定に追加したり上書きしたりできます。詳しくは、後述のツールの概要を参照のこと。

EPUBをお持ちの場合、ツールをお求めいただければドウイットユアセルフ(DIT)でEPUBをPDFに変換できます。また、テスト変換もございます。最初からDITは無理かな? という向きには弊社でEPUBをPDF化するサービスも承ります。EPUBをお持ちで、アマゾンプリントオンデマンド(POD)で販売することを検討中の出版社の方は、cas-info@antenna.co.jp までお気軽にご連絡ください。

1.本ツールの概要

1.1 動作環境
ツールにはグラフィカル・ユーザーインターフェイスは付いていません。コマンドラインで操作します。Windows、Linux、MacOS/Xなどでお使いいただくことができます。

コマンドラインでは、変換元のEPUB、パラメータ、出力先PDF(名)などを指定します。

1.2 扱えるEPUB
リフロー型、固定レイアウト型EPUBを両方とも扱えます。

但し、変換元のEPUBを本ツールで解凍して中のコンテンツを自動的にPDFに変換しますので、DRMが付いているEPUBは扱えません

その他詳細はお問い合わせください。

1.3パラメータの説明
PDFを作るのに必要で、EPUBには無いレイアウト指定情報などをパラメータで追加します。
(1)PDFのバージョン(PDF/Xなども可)
(2)判型(必要に応じて塗足しの有無と塗足しの寸法)
(3)マージン(小口、のど、天、地)
(4)デフォルト・フォントサイズ 
(5)デフォルト・フォントファミリー
(6)デフォルト行の高さ
(7)柱のテキスト、柱の位置
(8)ノンブルを付けるかどうか、ノンブルの位置
(9)その他項目を、多数、設定ができます

1.4 目次の扱い
EPUBにはEPUBリーダー用の目次(論理目次)と、本文と同じ扱いの目次(本文目次)があるのが一般です。本ツールは本文目次をPDFの目次にします。

1.4.1 目次頁(XHTML)の識別
EPUBの中の本文目次頁を(できるだけ)識別します。次のように指定もできます。
(1)目次ファイル名を指定
(2)目次頁の先頭テキストを指定(デフォルト:目次)
※指定がないときはデフォルトを使います。

1.4.2 目次項目の識別とページ番号の付加
EPUBの目次項目には、本文の該当章などへのリンクが設定されているのみです。本ツールでは目次頁の目次項目を識別して、その項目にページ番号を付加します。

目次項目にクラス名が付いているとき、そのクラス名を指定して該当項目を目次項目にします。

1.5 表紙
表紙画像をもとにアマゾンPOD入稿仕様に準拠した表紙のPDFを作ります。
背表紙の画像または文字列を指定したとき、(本文の100頁超のとき)背表紙に入るように自動調整します。

2. EPUBとPDFの相違点
EPUBとPDFでは本質的な相違があります。次に主な相違点を述べます。

2.1 寸法
EPUBでは相対寸法が基本ですが、PDFでは絶対寸法になります。例えば、EPUB(リフロー)では本文のデフォルト・フォントサイズは一般には指定しないで、読者がEPUBリーダーで変更できます。それに対してPDFではデフォルト・フォントサイズを、xxpt(単位はいろいろ)のような寸法で指定します。

2.2 フォント・ファミリー
EPUBでは、普通、本文全体のフォントファミリー名はserif、sans-serifなどのジェネリック名を指定します。しかし、PDFでは本文全体に適用するデフォルト・フォントとして具体的なファミリー名を指定します。

2.3 画像
画像の大きさは、アマゾンPODでは300dpi以上でなければなりません(それ以下だとエラーにされます)。本ツールでは、画像を300dpiに強制する機能がありますので、これを使えばとアマゾンの必要条件はクリアできます。

3.注意点
現在のEPUBは、EPUBリーダー(Kindleを含む)を想定して作られており、そのまま印刷物にするにはレイアウト情報が不足しています。本ツールでは不足しているレイアウト情報をパラメータで補います。ただし、必ずしも十分なコントロールはできません。例えば改頁、改丁処理などは自由に指定できません。また、書籍では章の見出しを柱の内容にすることが多いのですが、章を自動的に識別して柱にするにはどの見出しが章であるかを識別しなければなりません。それは、現在、未対応です。

関連記事1:EPUBをプリントオンデマンド用のPDFに変換するツール「EPUBtoPDF」のご紹介(スライド)
関連記事2:EPUBtoPDF変換ツール+CAS-UB V2.3のちらしができました
関連記事3:EPUB校正用、プリントオンデマンド用PDF出力 EPUB to PDF 変換ツール
関連記事4:流通によるプリントオンデマンドでの出版が現実のものとなった今、その活用の課題を考える。(2017年1月時点)
関連記事5:アンテナハウス 電子出版サービス

『マニュアルEPUB化ハンドブック2015年版』紙版もアマゾンで販売開始。制作期間等を整理しました。

『マニュアルEPUB化ハンドブック2015年版(EPUBマニュアル研究会報告書)』のアマゾン販売準備がすべて整いました。販売リンクは次の通りです。

1.Kindle版
2. 紙(POD)版

以下に、これまでの経過を整理します。ブログで、先日、『マニュアルEPUB化ハンドブック2015(EPUBマニュアル研究会報告書)』をアマゾンのKDPで販売開始をご紹介しました[1]

その後になりますが紙本(プリントオンデマンド版)が納品となりました。
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紙の本はBPIAの総会にて編著者の木村氏より紹介していただき、総会参加の皆様に即売しましたところ、販売予定部数を超えて売れました。お蔭さまで初のPOD増刷決定です。紙の本は現物を手に取ってご覧いただける点が良いですね。それに著者の方々にも喜んでいただけます。

少し遅れましたが、アマゾンのe宅に登録し、紙の本もアマゾンで販売開始です。
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アマゾンのWebでは、現在、在庫なしになっていますが、昨日アマゾンの倉庫に1冊送付しましたので、近々在庫1になる見込みです。e宅販売の場合1冊売れる毎に、弊社の倉庫からアマゾンに送付して在庫とします。

この間の所要日数を整理しますと次の通りです。

1.11月3日(休日) 編著者(木村氏)より最終原稿を受け取り
2.11月4日(火)~11月11日(火) アンテナハウスにてCAS-UBを使い、編集作業。PDFを対象とする図形の大きさ指定。表紙制作、用語の統一(ラテン文字の大文字・小文字記法統一など)、句読点の統一、索引作成など[3]
3.11月12日(水)POD本の制作を外注(~11月19日POD本出来上がり予定)
4.11月12日(水)~13日(木) CAS-UBでKDP用のEPUBを作成。(表紙の調整、Kindleのリーダーで内容を確認など)[4]
5.11月14日(金)KDPに登録
6.11月17日(月)よりKDPにて発売
7.11月19日(水)POD本25冊納品
8.11月20日(木)BPIA総会にて報告・販売
9.11月27日(木)e宅に登録

原稿入手からすべての作業を一通り完了するまで大体3週間程度となります。但し、日程は原稿のボリューム、完成度によります。また、編集作業としては原稿の文章の修正は原則として行っておりません。文章の確認を行うとしますと、著者とのやりとりが必要になりますし、そのための期間が必要になります。

研究会の報告書をPODで制作、KDPで販売するのは、研究会成果を公共的に共有する上で大きな意味があると思います。ちなみに、国会図書館にも2冊の納本を予定しております。

アンテナハウスではCAS-UBによる報告書の制作を受け賜りますので、詳しくはお問い合わせください。予算がない場合はプロフィットシェア・モデルも可能ですので、ぜひご相談ください。

[1] 『マニュアルEPUB化ハンドブック2015年版(EPUBマニュアル研究会報告書)』発刊しました
[2] 『マニュアルEPUB化ハンドブック2015年版  EPUBマニュアル研究会報告書』
[3] 『マニュアルEPUB化ハンドブック2015年版』近日発売(POD版)の索引作りに励みました。CAS記法(簡易マークアップ)でこんな索引を簡単に作れます。索引をうまく作るには内容の理解が欠かせません。索引に完成版はないような気がします。
[4] Kindleの図形の大きさはCSS標準なのでPDFの指定はそのままでOKですが、もしiBooksにするならば図形のサイズ指定の変更が必要になります。電子書籍(EPUB)で画像の大きさを指定したいとき:CAS記法とCSSの書き方まとめ

会員情報をEPUBとPDFとして、iOSアプリで配信するソリューションを開発、サービス開始

11月17日、アンテナハウスとオブジェクトテクノロジーと共同でニューズレターなどの会員情報をEPUB形式にしてiOSアプリの配信を始めたことを発表しました。

E-Book 2.0 Magazine の iOSアプリを提供開始

詳しい内容は、ニュース・リリースをお読みいただくとして、iOSアプリにすることで何が変わるかを整理してみましょう。

1.e-メールからアプリへ

ニュースレターやメルマガなどの会員制情報は定期的発行されます。従来は、毎号、購読会員向けに記事の見出しや本文を電子メールで通知しているものが多いでしょう。

しかし、ご承知のように電子メールは無償ということもあり大量のスパムが配信されています。折角会員向けに配信したメールはスパムメールの山にうずもれてしまいます。この結果、読んでほしい記事を読んでもらえる割合、あるいは、クリックレートは低下の一方です。

会員向けのニューズレターが読んでもらえないことでは意味がありません。また、ひいては契約更改にも影響があります。

そこで、モバイル向けのアプリの登場です。専用のモバイルアプリを使って情報を配信すれば会員に情報が見られない、ということはほとんどなくなります。

2.テキスト・WebからEPUB/PDFへ

本アプリの特徴は、配信コンテンツをEPUBとPDFで表していることです。

従来のコンテンツは。テキスト(文字のみ)か、Webページで配信されていました。

コンテンツの形式として、EPUB/PDFにすると何が良くなるでしょうか?

まず、テキストに比べると表現能力が格段に高くなります。

Webページは、綺麗にレイアウトされているというメリットはあります。しかし、Webブラウザはコンテンツをじっくり読むためには向いていません。ブラウザはナビゲーションする、つまり多くのリンク先をざっと見て回るためには良いのですが、じっくり読もうとするとあまり向いていないと思います。じっくり読んでもらうにはWebではなくて、PDF(紙)あるいはEPUBがより向いています。

3.会員向け情報とオープンアクセス(無償)情報

モバイルアプリを使うことで、会員向けの有償情報と誰でも読めるオープンアクセスの情報を相手によってアプリで切り替えることができるようになります。

この他、アプリを使って情報配信するメリットはもっといろいろありそうです。こうしたメリットを勘案しますと、いずれは、会員向けの情報を電子メールで情報を配信するということは少なくなって。モバイルアプリで配信するようになるものと予想します。

ということで、11月28日にセミナーを開催致しますので、関心をお持ちの方はぜひご参加ください。

無料セミナー:ニューズレターやメルマガPDF/EPUBのモバイル向け配信サービス

■iOSアプリはこちらからダウンロードできます(無償)。
『E-Book2.0 Magazine:出版メディアの現在をグローバルに読む週刊ニューズレター』(iTunesよりダウンロード)

【関連情報】
1. ニューズレターやメルマガPDF/EPUBのモバイル向け配信サービス 無償セミナー開催
2. 確実に・いつでもどこでも・ゆっくりとニューズレター配信サービス

ビジネス文書EPUB化普及促進に。ブラウザベースのEPUBリーダーを企業・団体向けに提供開始のご案内

アンテナハウスではWindowsとMac OS X用で使えるEPUBリーダー「AH Reader Preview2」を開発いたしました。本EPUBリーダーは、グーグルのChromeまたはChromiumベースのChrome互換ブラウザに拡張機能として組み込んで使う「Chromeアプリ」です。

スクリーンショット 2014-08-17 08.12.49

「AH Reader Preview2」は、DRMフリーのEPUB3.0ファイルを①ローカルPC(またはインターネット上)から開いて表示、②ライブラリーに登録、③注釈を記入・保存する、といった基本機能をサポートしています。

スクリーンショット 2014-08-17 08.21.23

本EPUBリーダーは、Chromeストアから限定配布するほか、関心をお持ちの方に直接提供致します。Chromeアプリの性格上次の制約があります。

  • Chromeに組み込んで、その拡張機能として使うには、Chrome Storeから配布するバージョンを組み込む必要があります。Chrome Storeから配布するバージョンでは、EPUBをインターネットから開くことができません。
  • IronなどのChrome互換ブラウザを使えば、企業内のURLなどから独自にAH Reader Preview2を配布して、ブラウザの拡張機能としてつかうことができます。

Windowsでは、次のような「Windowsのネイティブアプリっぽい」動作を実現できます。
・ショートカットの作成
・デスクトップ
・スタートメニュー
・タスクバーに固定

(1)「AH Reader Preview2」を企業内で利用されることをご希望の場合、無保証・無サポートならば無料で提供いたします。
(2) 動作保証やサポート支援が必要な場合は、サポート契約(有償)を締結していただくことでサポート・サービスを提供します。
(3) 機能の追加や独自バージョンをご要望される場合は、「AH Reader Preview2」に、有償で機能追加したり、カスタマイズ版EPUBリーダーを制作・提供できます。

関心をお持ちの方は、cas-info@antenna.co.jpまでお問い合わせください。(メールをお送りいただく場合、@を半角形にした上で送信してください)。

2011年に策定されたEPUB3.0から日本語の縦書きをサポートしたことで、EPUB3は電子書店から販売する電子書籍のデファクトスタンダードになりました。

一方、業務マニュアル、製品マニュアル、技術・事務文書などのビジネス関連文書の多くはPDFで配布・交換されています。PDFは画面の小さなタブレットやスマホでは読みにくいため、今後は、ビジネス関連文書をタブレットやスマホでも読みやすいようにEPUB形式で配布するようになると予想されます。例えば、IBMは既にオフィス文書の標準形式としてEPUBを採用しています[1]。また、米国ではカンファレンスなどの発表資料をEPUBで配布するケースが見られます[2]

現在、EPUBで作成したビジネス文書を表示しようとしてもWindows, Macなどではなかなか良いリーダーがありません。これは、多くのEPUBリーダーが電子書籍ストアから提供されているためです。電子書籍ストアから提供されているEPUBリーダーにはKobo、Book☆Walkerのようにストアとは関係なく制作・配布されている電子書籍を読めるものがあります[3]が、そのリーダーの多くは多かれすくなかれストアの販売促進の役割を担っています。

こうしたことから、今後はビジネス文書を表示するための優れた汎用EPUBリーダーが必要になるでしょう。AH Reader Preview2は、オフィス文書EPUBの表示用途の汎用EPUBリーダーとして位置付けています。

[1] IBM EPUBを社内文書の標準として使う
[2] Balisage: The Markup Conference 2014 Preliminary Proceedings
[3] EPUBリーダーを集めてみる

オープンソース収益化のモデル(メモ)

Gigazineに「オープンソースによる収益化への挑戦」[1]という記事がありました。内容はニューヨークタイムズのブログの記事の紹介のようです。これも一種のオープンソースの利用方法のようなものですが。オープンソースは、利用者には便利この上ないものです。

しかし、オープンソースを提供する立場で考えると、穴の開いたバケツで水(収益)をくむようなものです。収益が穴からこぼれてしまうので、ビジネスモデルとしては難しいところがあります。

ニューヨークタイムズの紹介しているBit Switch Networksの例は、フリーミアムモデルの一種でしょう。つまり、無償の見本と有償の製品を用意して、無償で客を集めて有償製品を売るという方法です。しかし、無料から有料への転換はなかなか難しいものです。

このほかによくあるモデルは補完モデルです。つまり、有償の製品を用意するとともに、無償の補完ツールをオープンソースで提供する方法です。小さな例ですが、アンテナハウスでもPDF5[2]というオープンソースを提供しています。これは、DITAで、AH Formatterという有償製品を選択してもらうためのツールです。PDF5があることによって、DITAのユーザーがAH Formatterを選択しやすくなります。差別化戦略の一つにもなります。

オープンソースの主流は、もっと広い意味での補完モデルでしょう。たとえば、Google がChromeを提供するのも結局は検索エンジンや広告媒体としてのGoogleの利用を増やそうということが目標と思われます。

あとはサービスモデルがあります。つまり、オープンソースの提供者は、自らがそのツールについて詳しいのですから、それを使って企業などに付加価値サービスを提供するというもの。アンテナハウスはDITAのスタイルシートを開発するサービスを行っています[3]が、これはPDF5というオープンソースをお客さんの企業のために自らカスタマイズするサービスです。サービスモデルの問題点は、競争相手も同じオープンソースを使うことができるので、結局、ノウハウを競争相手に提供することになりかねないことです。(続がちょっと:オープンソース収益化のモデル(メモ) 続き

最近、なかなかうまいなと感じたのは、Hypothes.isのモデルです。Hypothes.isについては前回のブログ「注釈実装と注釈サービスの拡大、EPUBリーダーでの実装、および注釈の標準化への動き。」[4]で紹介しました。自らを非営利法人として、スポンサーを募って資金を集める方法です。お金持ちの財団、大学の財団などの慈善団体から資金を集めるというやり方です。これは一種の喜捨モデルと言えます。

ここにいくつかの類型を上げましたが、実際のビジネスではもっといろんなモデルのために知恵を絞っていかねばならないと思います。

[1]オープンソースによる収益化への挑戦
[2]DITAをPDFにするには
[3]アンテナハウスDITAサービス
[4]注釈実装と注釈サービスの拡大、EPUBリーダーでの実装、および注釈の標準化への動き。