『CSSページ組版入門 第4版』プリントオンデマンド版発売。技術書典5にも出品しますのでどうぞよろしくお願いします。

『CSSページ組版入門 第4版』の日本語版できあがりました。本書はAH FormatterのCSS組版機能をご利用いただくための解説書です。

CSS は,ブラウザ,エディタ,その他のWebアプリケーションで広く使用されています.CSSは,Webデザインのためだけではなく,広範な印刷アプリケーションやPDFとして配布される電子的なページ組版のスタイルシートとしても使えます.

CSS 2.1(と2.2)はページ媒体への出力サポートは最小の提供であり,ページレイアウト機能は力不足です.CSS3は,現在W3Cによって依然として開発中ですが,高度なページレイアウト,多段組,縦組,ハイフネーション,多言語の文字レイアウトなどの専門的な品質の組版に必要なさまざまな機能を定義しています.

CSSをXMLやHTMLのページ媒体デザインのために使うことはまだ一般的ではありませんが,CSS3の開発が進むにつれて増えるものと期待されています.

Antenna House Formatter は,XSL-FOとCSSのふたつのスタイルシートでレイアウトされたHTMLファイルを印刷用のページ上にレイアウトしてPDFを出力します.
W3CのCSS標準プロパティに加えて,ベースライン・グリッドなどの印刷用レイアウトや日本語レイアウトのために独自に拡張した追加プロパティ機能を使って,高度なレイアウト指定を施したページを作成できます.

さらに,独自開発のMathML 3,CGM,SVGの描画機能, PANTONE®スポット・カラーなど精細なグラフィックス指定,PDF/A,PDF/X,PDF/UAなど多用途なPDF作成機能を提供しています.

多くの人はブラウザ上のWeb制作では CSS に精通しており,その中でも非常に精通している人もいれば,それ程でもない人もいます.しかし,ページ組版に CSS を使用するのにあたって精通している人はほとんどいません.本書は,既にCSS を知っているが,ページ組版のために CSS を使用したことがない人を対象として,Antenna House FormatterのCSSページ組版機能を概説しています.

目次
はじめに
第1章 Web とページ媒体
第2章 ボックスによるレイアウト
第3章 オブジェクトの装飾
第4章 段落設定
第5章 段組
第6章 改ページ・ページコンテンツの維持
第7章 文字設定
第8章 MathMLとSVGグラフィクス
第9章 画像配置
第10章 表組
第11章 色指定
第12章 カウンタ
第13章 リスト
第14章 クロスリファレンス(相互参照)
第15章 脚注・傍注
第16章 PDFブックマーク
第17章 日本語文字組版
第18章 ページ設定
第19章 ヘッダとフッタ
第20章 PDF出力
セレクタと疑似要素
参照仕様
索引

販売
10月8日(月)開催の技術書典5に出品、販売いたします。また、アマゾンなどのオンラインストアからプリントオンデマンドで販売いたします。

第4版は英語版を2月のXML Pragueで配布、その後、英語のWebサイトなどで配布を開始しました。日本語版につきましても準備が整い次第、日本のWebサイトよりダウンロードで配布する予定です。

オンラインストア
アマゾンより販売中

デジタル版(PDF)
Webページでデジタル版(PDF)を公開・配布しています。
CSSページ組版入門 第4版

技術書典5(終了しました)
技術書典5の情報
アンテナハウスCAS電子出版は(す02)です。

AH Formatter 事例紹介セミナー CSS組版とXSL-FO組版

7月8日AH Formatter事例紹介セミナーが無事終了しました。久しぶりの事例紹介セミナーでしたが多数のご参加をいただき盛況でした。

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アンテナハウスの村上によるAH Formatterの機能紹介に続いて、各発表者より6つの事例紹介がありました[1]。事例は皆大変参考になるもので、発表いただいた方々にお礼申し上げます。

ところで、今回は奇しくもCSS組版とXSL-FO組版が半々で、CSSとXSL-FOはどう使い分けたら良いのだろうか、と改めて考えさせられるものでした。

シンプルなレイアウトの組版に使えるCSSの事例
①DITAとCSS組版で気軽にシングルソースパブリッシング
②メディカル業界におけるAH Formatter活用事例
③簡易マークアップとAH Formatterによる商業品質を満たした技術書籍制作フローの展望

最初の発表は、DITAをPDF化するのにCSS Formatterを採用した事例です。現在、XMLドキュメントの応用では、DITAがもっとも多いと見られます。DITAで制作したドキュメントをPDF化するフローは、DITA-OTのPDFプラグインを使うのが主流です。PDFプラグインはXSL-FO組版です。これに対して、coolia 土肥氏は、XHTMLを中間生成物とし、それをCSSで組版するというアプローチをとったところがとても斬新です。CSSはCompassで生成しているということなので、あまり複雑なレイアウト指定は難しいと思いますが、レイアウトが簡単な場合は有効でしょう。操作マニュアルでは、必要な情報を素早く見つける・検索しやすさが重要です。この場合はレイアウトはあまりこだわらず、シンプルとなります。こうしたマニュアルを作るにはCSSによる組版レイアウト指定も良い方法です。

高度なワークフローに耐えるXSL-FO組版の事例
①紙印刷からスマフォ対応までワンソースで作る取扱説明書 ~XMLを使いまわす自社開発システム「ITREX」の事例~
②XSL-FOの実践--このTony Graham氏の発表は、前半がXSL-FOがどのように使われているか、後半はJATS組版の事例です。後半の事例は4月に行なわれた米国のJATS Conferenceで発表された論文に基づく発表です。論文の日本語訳を別途公開しています[2]
③AH Formatterを使った日本語JATS XML組版の実践

XSL-FOの発表では二つがJATSドキュメントの組版に採用した事例です。JATSは学術論文のためのXML仕様で、日本ではJ-Stageが採用していますが、まだあまりポピュラーではないようです。Tony Graham氏の事例は、XSL-FOを使ってJATSで記述した学術論文を高度なレイアウトのPDFにするということで自動組版の最先端の利用になると思います。

[1] 7月8日 AH Formatter 事例紹介セミナーのタイムテーブル(敬称は省略させていただきます)

10:30 開会
10:35~ AH Formatter概要説明 アンテナハウス(株)AHFormatter開発担当者 村上真雄
11:05~ DITAとCSS組版で気軽にシングルソースパブリッシング (有)coolia 土肥弘子
11:35~ メディカル業界におけるAH Formatter活用事例 ダイコウクリエ(株) 梶原浩喜
12:05~ 質疑応答
12:15~ 昼休憩
13:15~ 紙印刷からスマフォ対応までワンソースで作る取扱説明書
~XMLを使いまわす自社開発システム「ITREX」の事例~
三和印刷工業(株) 代表取締役 竹内栄司
13:45~ XSL-FOの実践 Mentea Director Tony Graham
(逐次通訳にて講演します)
15:45~ 休憩
16:00~ AH Formatterを使った日本語JATS XML組版の実践 中西印刷(株) 山本剛
16:30~ 簡易マークアップとAH Formatterによる商業品質を満たした技術書籍制作フローの展望 (株)トップスタジオ 武藤健志
17:00~ 「カタログ作成システム」でのFormatter使用 共同印刷(株) 藤森良成
17:30~ 質疑応答
17:45~ 閉会

[2] JATS組版:3つ数えるくらい簡単

7月8日AH Formatter事例紹介セミナーのお知らせ 参加者募集中(終了しました)

2014年7月8日に「AH Formatter 事例紹介セミナー」を開催します。今回は、XSL-FO の第一人者である Tony Graham 氏をアイルランドから招き、学術情報誌組版への『AH Formatter』の利用経験を踏まえての特別講演(同時通訳付)を行っていただきます!通常の事例紹介セミナーでは聴く機会がないビッグチャンスです。参加費は無料です。是非ともご参加ください。
事例紹介セミナーの詳細とお申し込み方法

AH Formatter事例紹介セミナーは終了しました。