iBooksのテキスト配置(text-align)の続き―英語でも同様に両端揃え(Justify)になる

昨日はiBooksのテキスト配置について気がついたことを報告しました。で、もしかするとこれは日本語のEPUBだからそうなっているのかもしれないと考えまして、英語のEPUBを作ってみました。自分でも忘れてしまわないよう、結果を簡単にメモしておきます。

1.日本語のEPUBと英語のEPUBとは

ここで、日本語のEPUBというのは、EPUBのメタ情報に<dc:language>ja</dc:language>を登録してあるものです。
英語のEPUBとは、同じくEPUBのメタ情報に<dc:language>en</dc:language>を登録してあるものです。

2.結果

段落のテキスト配置をなにも指定していないとき、iBooks用のメタ情報(com.apple.ibooks.display-options.xml)があるものでは、段落のテキスト配置は左になります(図1)。しかし、iBooks用のメタ情報がないときは、段落のテキスト配置は両端揃えになります(図2)。

English1
図1 段落のテキスト配置の指定なし、iBooks用のメタ情報あり

English2
図2 段落のテキスト配置の指定なし、iBooks用のメタ情報なし

これは日本語と一緒です。

3.KindlePreviewer

なお、KindlePreviewerでは、「段落のテキスト配置の指定なし」の状態では、テキストは左寄せになります。

KindlePreviewer
図3 Kindle Previewerによる表示

4.まとめ表

iBooksとKindleではテキスト配置のデフォルト値が異なっていることになります。

表 段落のテキスト配置を指定していないときの、リーダによる段落のテキスト配置の相違

iBooks3.1で日本語のEPUBを表示 同英語のEPUBを表示 KindlePreviewer
iBooksメタ情報あり 左寄せ 左寄せ 左寄せ
iBooksメタ情報なし 両端揃え 両端揃え 左寄せ

[1] 動作環境はiBooks:3.1(iOS6)、KindlePreviewer:2.9(Windows7)
[2] 「iBooksメタ情報あり」のとき、フォントを「オリジナル」から変更すると日本語EPUBも英語EPUBもともに左揃えから両端揃えになります。これを見ますと、iBooksはデフォルトを両端揃えと考えている印象を受けますね。

iBooks 3.0のちょっとびっくりな挙動。iBooks向けメタ情報の有無でテキストの配置が変わってしまう。

現在、CAS-UBのV2テーマを開発しています。V2のテーマでどんなことを変更しているかということは、また別途、報告します。

V2テーマのことはさておいて、その新しいテーマをチェックしていてiBooks3.0のおかしな挙動に気がつきましたので、同じ落とし穴に嵌る人がでないように、ここにメモしておきます。もしかするといらぬおせっかいかもしれませんが。

いま、チェックしていたテーマでは、次のように通常の段落には両端揃えを設定していません。

p {
font-size: 100%;
font-weight: normal;
line-height: 1.7em;
margin: 0 0 0 0;
padding: 0;
text-indent: 1em;
}

このテーマで作成したEPUB3をReadiumで表示しますと、次の図のように段落が両端揃えになりません。それはそうです。両端揃えをしてないんだから。

Justify-ReadiumWin

ところが、同じEPUBをiBooksで見ると、両端揃えで表示です。

Justfy-iPad

不思議ですね~。指定していないのに両端揃えとは・・・ということで一晩はまりました。

で、わかったことですが。どうやら、iBooks向けメタ情報「com.apple.ibooks.display-options.xml」の有無で、両端揃えになるかどうかの挙動が変ってしまうようです。

「com.apple.ibooks.display-options.xml」がないと、CSSで段落に両端揃えを指定していなくても、iBooks3の表示が両端揃えになります。

しかし、「com.apple.ibooks.display-options.xml」があると、CSSで段落に両端揃えを指定していないと、iBooks3の表示が両端揃えになりません。

これは、どうもどこにもドキュメントがないようですが、バグなのか仕様なのか?一体なんなんでしょうね。

一応、エビデンスです。次の二つは、iBooks3.1(iOS6)による表示です。

1)「両端揃えなし」(com.apple—あり)
pdfinfla-rag

EPUB3ファイル:http://www.cas-ub.com/samples/blog/thepdf_epub3-simple22-rag-with-com.epub

2)「両端揃えあり」(com.apple—なし)
pdfinfla-js

EPUB3ファイル:http://www.cas-ub.com/samples/blog/thepdf_epub3-simple22-js.epub

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メルマガEPUB版をiBooksで読んでみると・・・

以前にCAS-UBにメルマガをEPUBにするインポート機能をつけていることを書きました。

今日はその続きですが、メルマガをEPUBにしたものをiBooks(新しいiPad)で表示してどうしたら読みやすくなるかを考えて見ます。

材料としては次の2種類のメルマガを使わせていただきました。

1.小寺信良の「金曜ランチボックス」 2012年6月15日 Vol.030 「夜間飛行」から配信のもの
2.津田大介の「メディアの現場」 2012年6月13日 Vol.36 「夜間飛行」から配信のもの

「夜間飛行」はメルマガをテキスト形式の他にEPUB形式でも配信しています。「金曜ランチボックス」は「夜間飛行」のシステムで自動的にEPUB形式に変換しているようですが、「メディアの現場」は、津田大介氏の事務所(ネオローグ)が独自にEPUB形式にしてから、それを配信しているようです。

そこで、現在、それぞれのメルマガで配信されているEPUB版(オリジナル版と略記)と、CAS-UBでEPUB形式に変換したもの(本文ゴシック、本文明朝)2種類とを比較してみました。なお、CAS-UBのスタイルシートは現在開発中のアルファ版ですので、正式提供時は変更になることがあります。(スタイルシートは、本日現在クラウドから指定できません)。

1.小寺信良の「金曜ランチボックス」の場合
a) オリジナル版

b) CAS-UB本文ゴシック

c) CAS-UB本文明朝

2.津田大介の「メディアの現場」の場合
a) オリジナル版

b) CAS-UB本文ゴシック

c) CAS-UB本文明朝

3.備考

2種類のメルマガEPUB版についてそれぞれ1画面だけ紹介しました。少し特徴を挙げます。

1)iBookは、特に指定しないと本文がかな漢字はゴシック体、英数字がプロポーショナルの明朝系フォントになります。オリジナル版はそのような表示になっています。

印刷の場合はこういう使い方はしないのではないかと思いますが、URLのような長い英数字列が頻繁に出てくる場合、これでも良いかという気がします。

2)CAS-UB本文ゴシック版は、見出しも本文もゴシック体を有効になるように指定しています。

本文の行送りが少し狭いような印象があります。また、メルマガを自動的にEPUBにするとURLがそのまま見えてしまいますので、URLの表示に工夫が必要なように思います。

3)CAS-UB本文明朝版は、見出しはゴシック、本文が明朝体に指定しています。

新しいiPad位の解像度になりますと、本文を明朝にしても十分読むことができるように思います。ただ、ちょっと画面が白すぎるのが気になりますね。

さて、読者の皆様はこの3種類でどれが一番読みやすいと感じますか。いかがでしょうか。コメントをいただけるとありがたいです。

《注意》現在、CSSスタイルシートは開発中のため実際のサービスで提供されるものは変更になると思います。ご了承ください。