本の形を考える―段落のインデント(CAS-UBの場合どうするか(草稿))

CAS-UBでユーザーが段落・パラグラフ(p要素)を配置できる要素について検討してみます。以下は、CAS-UB実装メモであり検討中のものです。

注意)CAS-UBは内部的にはHTMLを主にクラス属性を使って拡張した形式でデータを処理しています。但し、コンテンツを記述するのは簡易マークアップ記法であるCAS記法を用いているため、HTMLで使うことのできるすべての要素の組み合わせを記述することができません。

〇章・節・項など(div class=”level2″~div class=”level9″)の内容
pはh1~h6タグの兄弟となる。

〇引用(blockquote)
pはblockquoteの子供である。
引用の中に見出し(h1~h6)を置いたとき、pはdivの子供でh1~h6の兄弟となる。

1.短い引用は段落の中に取り込む。MLAは散文なら4行以内は取り込む。([1]p.124)
2.散文の長い引用。([1]p.125)
2.1 一段落またはその一部だけを引用するとき、一行目を他の行よりもインデントしない。
2.2 二つ以上の段落を引用する必要があるとき、各段落の一行目を1/4インチだけ追加でインデントする。もし、オリジナルが最初の段落を深くインデントしてないなら、最初の段落をインデントしないで2段落以降のみインデントする。

〇表のセル(td, th)
HTMLのモデルではliの中にpを置くことができるがCAS記法では記述できない。
但し、HTMLの表を直接埋め込んだ場合には、表のセルはパラグラフを複数含むことができる。

〇箇条書きの説明(li)
HTMLのモデルではliの中にpを置くことができるがCAS記法では記述できない。liの内容が二つ以上のパラグラフをもつことはない。

〇用語定義リストの説明(dt)
HTMLのモデルではliの中にpを置くことができるがCAS記法では記述できない。liの内容が二つ以上のパラグラフをもつことはない。

〇特殊なブロック
CAS記法では、次の5種類のクラス属性をもつdiv(ブロック)を特殊化したブロックと言い、それぞれにスタイルをあらかじめ指定しています。
1. サマリー(div class=”sum”)
2. コラム(div class=”col”)
3. 注釈(div class=”ann”)
4. 画像(div class=”fig”)
5. 表(div class=”tbl”)

1~5でpはdivの子供である。
キャプションがあるとき、pは、div class=caption の兄弟となる。

〇検討事項
CAS記法ではクラス属性のないdivの中にパラグラフを記述できます。このときpはdivの子供となります。このdivの最初の子供であるpを先頭の段落とするべきかどうか?

その他例えば、パラグラフとパラグラフの間に、別のブロック要素が挿入されたときブロック要素の後に続くpは一つ目とするべきか、それとも二つ目(以降)とするべきか? →継続する段落はpにcont属性を付ける。

段落と段落の間に空きがあったとき。ポーズの空きがあるとき、空きの後の段落はどうするか?

〇参考資料
“Thinking with Type”[2]に、段落のレイアウト・スタイルの様々な見本が掲載されている。

[1] MLA Style Manual and Guide to Scholary Publishing
[2] http://www.thinkingwithtype.com/contents/text/#Marking_Paragraphs

本の形を考える―箇条書きのスタイル(草稿)

英語の本の箇条書き(リスト)のスタイルについて調べてみました。まだ、調査は不十分で規則として言えるような段階ではないですが。とりあえず整理してみます。この文章では、箇条書きとリストは同じ意味で用いています。

最初にルールブックの記述を見ます。

1.Hart’s rule[1]
・箇条書きにはディスプレイとインラインがある(p.286)

ディスプレイ・リストには3つのタイプがある(p.287)
・番号や文字で印をつける
・ビュレットで印をつける
・マーカーのないリスト

番号・文字・ビュレット(p.288)
・ローマン、イタリック、ポイント有無はデザインによる
・Oxford Style:1、(a)、(i)の順だが、1、(i)、(a)でも良い
・階層が深い時は、大文字のアルファベット、大文字のローマ数字を使っても良い
・項目の階層が無い時はビュレットのようなタイポロジカル記号を使う。ビュレットと項目テキストの間はenスペース。

番号もビュレットもない単純なリストでも良い

2.Chicago Style[2]

テキストの中に入るリストと縦に配置するリストがある。リストを縦に配置するのは次のとき。(6.124)
・タイポグラフィックに目立つようにする
・長い
・階層がある

項目を番号付ける時、番号にはピリオドを付けて、テキストは大文字で開始する。項目が2行以上になるときはハンギング・インデントとする。番号付きリストでは先頭は1行目のテキスト開始位置に揃える。インデントする代わりに項目間を空けても良い。(6.127)

項目が長い時は、番号付き段落としても良い。(6.128)

番号付きリストをさらに階層化するときは、番号と文字の両方を使ってよい。数字は最下位で桁ぞろえする。括弧で括る文字はローマンでもイタリックでも良い。階層が深い時の例:

Ⅰ.>A.>1.>a)>(1)>(a)>i)

(6.130)

3.実際の本におけるスタイル

実際の英語の本(4冊)で縦に配置する箇条書き(ディスプレイ)スタイルをチェックしてみました。まだ、確認したケースが少なく、基本的にデザイン依存ですので一般的な要件とは断言できませんが、次のようになっていました。

(1) ラベルのない箇条書き

実際の本では、番号や記号のラベルをつけないで項目を並べる箇条書きは、事例を挙げるまでもなくかなり頻繁にでてきます。その特徴は:
・ブロック全体の左余白は文脈依存
・ブロックの前・後の空きは文脈依存
・1項目の長さが2行になるとき、2行目以降は字下げする(ハングング・インデント)
・項目が短い時、2段組みされることがある
・項目の内容をいくつかのフィールドに分けることがあり、フィールド先頭をタブで位置揃えできると良い

(2) 番号なし箇条書き

番号なし箇条書きは、各項目の先頭にビュレットを置いて項目を目立つようにするものであり、ビジネス本などでは良く見かけます。その特徴は:
・ブロック全体の左余白は文脈依存である。しかし、敢えて言えばビュレットの位置をブロックのパラグラフ左開始位置に置くのが多いようだ。
・ブロックの前・後の空きは文脈依存である。
・項目と項目の間を項目内の改行幅よりも広くすることがある
・ビュレットと項目のテキスト間には若干の空きがある。項目が長い時、2行目は1行目のテキスト開始位置に揃える。

(3) 番号付き箇条書き
番号付き箇条書きもビジネス書などで頻繁に見かけます。その特徴は:
・ブロック全体の左余白は文脈依存である。しかし、敢えて言えば番号の位置をブロックのパラグラフ左開始位置に置くのが多いようだ。
・ブロックの前・後の空きは文脈依存である。
・番号と項目のテキストの間には若干の空きがある。項目が長い時、2行目は1行目のテキスト開始位置に揃える。
・第一階層の番号は通常はアラビア数字で区切りにはピリオドを付ける。

[1] “New Hart’s Rule” Oxford University Press 2005
[2] “The Chicago Manual of Style. 15th Edition” The University of Chicago Press, 2003