Word 文書をCAS-UBでEPUBに~Wordのアウトライン機能を使おう!

これから3回連続で、WordファイルをEPUBに変換する簡単なやり方をご紹介します。

CAS-UBを使いこなすには、(X)HTMLやCSSの知識は不要ですが、代わりにCAS記法という、CAS-UB独自のマークアップの使い方を覚える必要があります。こういうと、「なんだ、結局別の言葉を覚えないといけないのか…」となってしまい、マークアップに拒否感を覚える人はそれだけで引いてしまいます。

そんな時、Microsoft Office Wordをお持ちの方なら、こうしたマークアップ操作を極力避けてEPUBやPDFの制作が可能です!

1.Wordのアウトライン機能

Wordには、「アウトライン機能」というものがあるのをご存知でしょうか?

「アウトライン」とは、文書の構造化を示す段落書式のことです。文書構造を一覧で見渡すことができるので、文書全体の整理ができます。(マイクロソフトのWebページでは、アウトラインモードで詳細機能を確認できます。)

CAS-UBは、Wordファイルのインポート時に、これらを読み取って「CAS-UB」の出版物に反映することができるのです。

2.アウトラインの設定されていないWord文書

さっそく、Word文書を編集しましょう!次のようなWord文書があります。

この文書は一見すると、文書のタイトルがあって、その下に見出しや本文が並び、文書は構造化されているようなレイアウトになっています。しかし、このWord文書を、アウトライン表示すると、すべて「本文」で成り立っていることがわかります。

3.アウトラインの設定

これを、「アウトライン」機能を使い、タイトルや見出しにアウトラインレベルを設定します。ここではファイルのタイトルをレベル1、大見出しを「レベル2」に設定します。さらに、「段落の設定」で箇条書き、フォントの設定で「太字」を個々に設定します。

一通り終了したところで保存し、Wordを終了させます。

4.CAS-UBに出版物を作る

次に、ブラウザーを立ちあげ、CAS-UBへログインします(ログインするにはユーザー登録が必要になりますので、ご注意ください)。

(1) ユーザーの著者ページ左上のタブ「新規出版物作成」→「空の出版物を作成」リンクをクリックします。

(2) 出版物名、出版物のタイトルをそれぞれ入力し「作成」ボタンをクリックします
(3) 記事編集画面に移行するので、ページ上部のリンク集からドラフトを選択します。
(4) ドラフト画面の一番下に、ファイルのインポートがあるので、インポート形式としてMicrosoft Wordを選択し、編集したWordファイルをCAS-UBへインポートします。

なお、Microsoft WordからCAS-UBにインポートする際には、指定したアウトラインレベルでWord文書を複数の記事に分割できます。たとえば、「記事に分割するアウトラインレベル」を「1」とすると、Wordでアウトラインレベル1の見出しから次の見出しまでをひとつの記事になるように分割します。

(5) ドラフトの記事一覧に、インポートしたファイルの記事一覧が表示されます。

いかがでしょうか?この時点で、設定した「レベル」ごとに、記事が分割されてエントリーしています!このまま、本編集の「主原稿」へ移行させましょう!

(6)「記事編集」画面で確認すると、図のように、文書構造がツリーで表示されます。

これでWord文書をCAS-UBに取り込むことができました。

CAS-UBはWord文書を自力で解読します。他の人の作ったMicrosoft Word文書をWordなしで取り込むこともできます。但し、Wordのアウトライン機能などでスタイル付けしたWord文書でないと単にテキストの取り込みとなってしまいます。

クラウド型EPUB/電子文書リーダ “AH Reader Preview” を公開しました

アンテナハウスは、クラウド型EPUB/電子文書リーダ“AH Reader Preview”を公開しました。AH Readerを使うとEPUBをiPad、iPhone、Android端末やPC画面で読むことができます。お使いいただくには、次のAH Readerについてのページにアクセスして、「AH Reader Preview を使ってみる」をクリック。

○AH Readerについて http://r.cas-ub.com/

次の画面で「読む本を追加」をクリックします。すると次の画面が現れますので、EPUBのファイル名またはURLを指定します。

EPUBを指定して「読む」をクリックするとEPUBの内容を画面に表示します。次はWindowsのPC画面にEPUB表示した画面の例です。

AH Readerは、サーバ側でXML自動組版ソフトAH Formatter[1]のCSS組版機能を使ってEPUBを組版しています。そこで、現在の多くのEPUBリーダよりはかなり高度なページレイアウトを指定した文書を表示することができます。

AH Readerは現在プレビュー版の位置づけですので、今後はCAS-UBを初めとするEPUBソリューションに組み込む形で提供することを予定しています。

関心をお持ちの方は、営業窓口(cas-info@antenna.co.jp)までお問合せください。

[1] AH Formatter

CAS-UB V2.1リリース予定のご案内 ますます充実する電子書籍編集・生成機能

CAS-UBは12月20日木曜日の定期メンテナンスにて次の内容のバージョンアップを行なう予定です。このバージョンアップによって現在の出版物のデータには影響はありません。

1.編集機能の強化
・記事のタイトル(編集メニューの「タイトル」)、本文の見出し(’=’によってマークアップする見出し)、図・表のキャプションへのマークアップができるようになります。
・検索メニューに置換機能を追加します。
・表の埋め込み。XHTMLの表(table)を記事の中に埋め込むことができるようになります。
・履歴機能で、過去の二つの記事を比較する機能を正式サービスとします。(現在もメニューには表示されますが、正式機能ではありません。)

2.出版物の種類
・「ノート1」を正式サポート。ノート1は、表紙(カバーページ)や奥付のない簡単なレポート形式の文書用です。メルマガ変換を使った場合、出版物の種類はノート1になります。(出版物の種類は、作成後に変更もできます。)
・「マニュアル1」を正式サポート。マニュアル1は、ソフトウエアのメニューにあわせて深い階層構造の記事ツリーを作るための出版物クラスです。Windowsアプリケーション用のHTMLヘルプのソースファイルの生成にも使うことができます。

3.メルマガEPUB変換
・変換開始のメニューで設定できる項目にISBN、出版所、カバー画像などの項目を追加します。
・メルマガ変換の開始画面で設定できるメタ情報は次になる予定です。(図参照)

・出版物タイトル
・著者名
・ISBN
・発行所(会社名、住所、電話番号)
・発行所ロゴ

4.生成出力機能
(1) EPUB・Kindle
・出版物固有識別識別子にISBN、UUIDを追加。現在はTagURIですが、ISBN>UUID>TagURIの優先順位とします。
・カバー画像に任意のファイル名を指定可能とします。現在は、cover.*のみです。
・カバー画像が指定されていないとき、出版物の表題などから画像を自動生成します。
・カバーページ(カバー画像をXHTMLに指定したページ)とタイトルページ(現在の表紙)を分離して別々に指定可能とします。
・Kindleのmobiファイル生成を正式サポートします。

(2)PDF
・「ノート1」のPDFレイアウトをサポートします。
・ノート1ではカバーページがない代わりに、タイトルなどを集めた表題ブロックを作ります。2段組をサポートします。

(3)生成設定メニューの変更
・生成設定のメニューをより使いやすいメニュー項目と配置に変更します。

5.その他

○CAS-UBを使うことで、出版社の社内で制作した原稿から直ちにEPUBやKindleのmobi形式を作成できるようになります。さらに、これをPDFとしても出力ができるようになり、本格的なデジタルファーストの出版ができるようになります。ご期待ください。

□■□■□■□■□■□■ご案内□■□■□■□■□■□■

CASオンラインショップでCAS-UBのユーザー登録することで、誰でも30日間だけ無償でご利用いただくことができます。
CAS-UB評価ライセンス

11月のブログ記事をEPUBにまとめました。

11月のブログ記事をEPUBにまとめました。

EPUBファイルは、こちらにございます。

CAS-UBサンプル・ページ

11月のブログ記事(EPUB3版)

もとの(この)ブログはWordPressです。

手順は次の通りです。

1.WordPressから投稿のエクスポート機能をつかって、1か月分のファイルをエクスポート

2.CAS-UBの[ドラフト]⇒[インポート]でインポートファイルの形式をWordPpress(WXR)とします。

3.1.でエクスポートしたファイルを、指定してアップロード。

4.記事をすべて選んで「主原稿」に移します。

5.画像がエクスポートされないので、画像を直接アップロードします。

6.あとは細かい編集調整をおこなっってEPUB3に出力。

これで出来上がりです。10月は1時間でしたが、11月は3時間近くかかってしましました。

まず、第一にカラムスパン・ロースパンを使った表がいくつかあります。CAS記法では従来こうした表に対応できなかったのですが、表の埋め込み機能(12月20日公開予定)を使って表をそのまま表現できるようにしたのですが、ブログの表が正しくなかったので調整に手間取ったこと。

第二にiBooks3.0の画像(新しいiPadのスナップショット)をそのまま利用しましたが画像が大きいため小さくする方法を再度チェックして、版面の65%幅にするように調整しました。その際、画像とキャプションを左寄せにするCSSを作りました。

CAS-UBの標準テーマに加えて、次のようなスタイルシートを作ってカスタマイズしています。

○ファイル名:style.css

.ibooks {
width:65%;
margin-left:0;
margin-right:auto;
}

.ibooks img {
width:100%;
}

○CAS-UBでCSSレイアウトを自分で調整・カスタマイズする方法は次のWebの「CSS レイアウトのカスタマイズガイド」をご覧ください。
http://www.cas-ub.com/howto/support.html

○iBooksで画像の大きさを指定する方法は次のブログにあります。
EPUBで画像の大きさを指定する方法を調べた、の続き