CAS-UBの概要の紹介ー2 オーサリングの必要性

CAS-UBでは電子書籍を制作するためのオーサリング操作をブラウザから行なうことができます。

ここで、オーサリング操作とはどういうもので、なぜ必要かを考えてみましょう。

まず、CAS-UBの反対例として、オーサリングなしのEPUB作成の例を取り上げます。

EPUB自動変換のツールやサービスが随分沢山あります。たとえば、Microsoft Wordで作成した文書をアップロードすると自動変換でEPUBにするサービスです。これでEPUBができて、それを流通させることができるなら、手間がかからなくて良いというわけです。

こういう話は、一見その通りですが、実はそうは問屋がおろしません。つまり、オーサリングなしではあまり良いEPUBは作れないのです。

なぜかというと、Wordで作成した文書は、よくできた文書でも紙に印刷することを想定して見かけを整えています。そうしますと、そのままHTMLに変換しても必ずしも期待した通りのタグがつかないことがあります。従って期待した通りのできばえにならないことが頻繁にあります。

また、通常の文書はWord文書一つで完結するわけではなく、複数のWord文書をまとめてひとつのEPUBにしたり、あるいは、図版を別のツールで作ってテキストの中にはめ込むことが必要になります。そうした場合、変換だけではことがすまないことになります。

つまり、変換だけでEPUBを作ることができるのは、簡単な文書の場合だけで、図版や表を別のソースから取り込んだり、複数の著者が文書を作った場合、変換だけではお手上げとなります。

こうして、出版物を制作する場合には、次のようなオーサリング操作は必須と思います。

1.原稿の大きな構造、つまり、本文の章・節構造立て、前付け、後付けの記事の並びを決めます
2.図版を適当な位置にはめ込みます。
3.文章の章立てを変えてしまうと、参照先が思わぬところに行ってしまうことがあるかもしれません。そんなとき、参照元と参照先の関係を正しく整合性をもつように調整します
4.全体が固まったところで、章番号・節番号、図番号、表番号をつける
5.目次、図版目次を作り、目次から本文の見出しへのリンクを設定する
6.索引語を拾い、索引を作る。索引語から本文へのリンクを設定する

CAS-UBは、上の1~6項に箇条書きしたようなオーサリング操作を、ブラウザから簡単に行なうことができます。

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