技術書典 再来週末(6月25日)開催! 出展に向けて準備中!

今年は、はじめての技術書典が、6月25日(土曜日)に、秋葉原にて開催されます。

技術書典案内

アンテナハウスCAS電子出版グループは、昨年末より、プリントオンデマンド(POD)による出版を始めています。技術書典は、ちょうど良いタイミング! ということで早速、申込み。

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今年出版準備中の本の日程を技術書典に照準を合わせて調整し、次の5タイトルが揃いました。

(1) 『PDFインフラストラクチャ解説ー電子の紙PDFとその周辺技術を語り尽す』
(2) 『XSL-FOの基礎ーXMLを組版するためのレイアウト仕様』
(3) 『スタイルシート開発の基礎』
(4) 『MathML数式組版入門』
(5) 『DITAのすすめ』

技術書典ではPOD版の印刷物の在庫を用意して持参する予定です。見本で内容をご確認いただくことができます。

これらのタイトルの販売は技術書典のみということではなく、アマゾンなどのオンラインブックストアでもお求めいただけます。技術書典ならではのサービスとしまして、当日は、多少の値引き販売も予定しております。お時間の余裕のある方はぜひ、弊社のコマにお立ち寄りいただければと存じます。

アマゾンPODの便利な利用法

5月24日にアマゾンPOD(プリントオンデマンド)で、『スタイルシート開発の基礎』という本を発売しました。

XSLT

発行日:2016年5月
著者:アンテナハウス株式会社
サイズ:B5判 横組み
ISBN:978-4-900552-23-4
ページ数:192ページ(オンデマンド版)
価格(税込):2,462円(オンデマンド版)

★Webページ:スタイルシート開発の基礎―XML と FO で簡単な本を作ってみよう

この本は、XSL-FOを使って簡単な本を作るためのスタイルシート開発方法を解説したものです。早速、社内で若手を集めて勉強会を呼びかけたところ、参加希望者が5人集まりました。

弊社は、本社(東京)、名古屋と伊那に支店があります。さらに都内某所に開発室があります。で、なんと、勉強会参加者希望者が、4か所で5人という状態になってしまいました。

そこでテキストブックを配布する方法として思いついたのが、アマゾンのギフトです。POD本を購入して各事務所宛にギフトで送付しました。

東京本社は翌日に届きましたが、他の3か所は翌々日の昼から夕方にかけて次々に届きました。

勉強会テキストをPODで作ってばらばらの参加者にアマゾンで配達してもらう。これはとっても便利なPODの利用法です。勉強会はSkype会議で行う予定です。うまく行ったら、新しい勉強会スタイルとして紹介したいと考えています。

オンデマンドブックストアでのPOD本の販売のこと

弊社では、昨年末からオンデマンドブックストア経由での本の販売を始めました。まだまだ実験的あるいは探索的要素が強いのですが。

2015年末に出版した2冊『【新装版】DITA CCMS 調査レポート 2013』、『ビジネスを強化する リーディング・プレゼンテーションの技法』は、以前に出していた本のリメイク版です。

今年になってからはブランドニューのタイトルを三つ出版しました。

2016年1月には本ブログでも既に紹介しました『PDFインフラストラクチャ解説』を、5月は『XSL-FOの基礎 – XMLを組版するためのレイアウト仕様』、『スタイルシート開発の基礎』の2冊を出しました。これらは、自社で使っている仕様や技術を普及促進することが狙いです。

PODによって本を作る、ということ自体は以前から、少し行っていました。PODで作った本をアマゾンのe託にて販売もしていました。

そうしたPOD本の自主製作・販売と比べて、オンデマンドブックストアでの販売では、版元がPDFを納品してストアが本を注文によって製作します。例えば、アマゾンe託でPOD本を販売しようとしますと、本の在庫を自分で持ち、アマゾンの倉庫まで納品する必要があります。しかし、アマゾンPODではPDFを用意して渡すだけです。

オンデマンドブックストアでの販売は5タイトルになりました。

現在(5月26日10時)、確認できているところでは、

『【新装版】DITA CCMS 調査レポート 2013』、『ビジネスを強化する リーディング・プレゼンテーションの技法』、『PDFインフラストラクチャ解説』は、三省堂オンデマンド、アマゾン、ウェブの書斎(楽天)、hontoで販売されています。

『XSL-FOの基礎 – XMLを組版するためのレイアウト仕様』は(5月13日配信)、三省堂オンデマンド、アマゾン、ウェブの書斎(楽天)で販売されています。hontoは未発売です。

『スタイルシート開発の基礎』(5月16日配信)はアマゾンのみで発売済み。三省堂オンデマンド、ウェブの書斎(楽天)、hontoは未発売です。

『XSL-FOの基礎 – XMLを組版するためのレイアウト仕様』は三省堂が一番速かったのですが、どうも本のリストの更新のタイミングの関係だったようです。アマゾンでは『XSL-FOの基礎 – XMLを組版するためのレイアウト仕様』、『スタイルシート開発の基礎』の2冊が24日に同時に発売になりました。

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24日夜9時に確認して即注文しましたところ、25日の15時30分に製本された本が届きました。驚きのスピード感です。実施に手に取ってみますと、こうした技術書は、EPUB/KindleよりPDFが良い、さらにPDFより紙が良い、と実感します。

[1]『XSL-FOの基礎 – XML を組版するためのレイアウト仕様』POD出版顛末記
[2]『PDFインフラストラクチャ解説』
[3]『XSL-FOの基礎 – XMLを組版するためのレイアウト仕様』、『スタイルシート開発の基礎』

JATS-CON 2013より NLM-dtdのXMLからEPUBに変換するワークフローのメリットと課題(サマリー)

2013年のJATS-CONは、米国政府機関閉鎖の影響で半年遅れて4月1日と2日開催となりました。発表資料をみていましたら、EPUB関係の話題が二つあります。

Mike Dean, “The Challenges and Benefits of Automating NLM-to-ePub3 File Conversion”, CFA Institute

Gerrit Imsieke, “A Publisher’s InDesign to BITS and EPUB Infrastructure: Conventions, Configuration, Conversion, Checks”, le-tex publishing services GmbH

今年の発表資料はほかにも面白そうな話が満載です。ということで、とりあえず、Mike Dean さんの資料を一読。内容をかいつまんで紹介します。

内容はざっとメモしただけですので、関心をお持ちの方はぜひ全文をお読みください。
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CFAは、グローバルな投資家向けの情報提供を行なっている機関で、NLM-dtd形式のXMLによる出版を行なっている。近年はモバイル、対話的な出版を重視している。印刷主体から、提供形式多様化を図っており、HTML5ベースのEPUB3が有力候補である。既に、NLM3.0とMathMLを使っているので、XSLTでEPUB3を作ることができる。これは簡単なワークフローのはずであるが、いろいろ問題がある。

1.EPUBリーダーのフラグメンテーションが大きな問題である。これは同じコンテンツでもリーダーによって見え方が異なるので困るという話で、見出しは日本でも共通である。但し、本文で指摘している問題は、日本で言われる問題とは結構異なっている。できるだけ、印刷の本と同じレイアウトになるように工夫しながらも、次の対応策をとっている。

1.1 全般的対応策
・レイアウトを単純にする。フロートを使わない。
・リストのインデントはカスタマイズしない。
・表の幅や、行分割はリーダー任せとする。
・できるだけ多くのリーダーでチェックする。

1.2 個別問題
○EPUB3の後方互換性
・<figure>タグをうまく処理できないEPUBリーダーがある。
・<section>タグへのリンクを処理できないEPUBリーダーがある。
・epub:switch要素を使えないEPUBリーダーがある。新しい機能と後方互換機能を切り替えできない。
・NCXの@playOrder属性をXSLTで設定できないのでPerlで処理している。
○Kindleについては若干の配慮が必要である。
○eInkデバイスの限界
・画面からはみ出した大きな表をスクロール表示できない(表を一部表示できない場合が出てくる)ものがある。

1.3 表
・キャプションやラベル要素をもつ表は、<figure>で囲み番号か名前で参照する。
・OASIS形式の表を使っているので、HTMLの表に変換する。

1.4 テキストボックス
・<figure>要素で囲むか、<div>で囲むか

2.セマンティックスの扱い
EPUB3ではHTML5を採用し、セマンテックスを表現できるはずだが、EPUB2と比べるとややこしくなることがある。

2.1 セクションとdiv
NML-dtdには構造があるので、HTML5の構造にマップするのは容易であるが、セマンテックスタグは良く考えてマークアップする必要がある。また、NML-dtdからマップできないセマンティックスタグもある。

2.2 ePUB文書構造
NLM-dtdのsecは大よそXHTML5のsectionに、book-partはarticleにマップした。

2.3 Math
MathMLのマークアップは面倒である。一方で、EPUBリーダーでMathMLを表示できるものは少ない。epub:switch要素が機能しないの、フォールバック画像もいれにくい。ということで、Webから配布しているEPUBはMathMLを使わずに、数式を画像とした。

特定の流通ルートを通す教科書は、MathMLを使った。この場合、かなり慎重にチェックしたが、いくつか注意事項がある。

・カンマ区切りとmoオペレータ
・等号の位置揃え
・通貨記号
・上配置のキャレット記号

2.4 一部のセマンティックスタグの使い方に注意
・<blockquote>
・epub:type属性のスコープが狭すぎて教科書のコンテンツでサポートできないものがある。例えば、教科書の各章先頭の「学習成果」、巻頭の「使い方」、「問題と解答」

2.4.1 インラインのフォーマットの使い方
・<em>, <strong>, <b>, <i>

2.5 HTML5のセマンテックスタグの欠点
・オプションコンテンツを表せない
・数式のラベル
・参考文献
・NML-dtdの著者名タグを表現できない

3.課題
・10進数の桁ぞろえができない
・印刷ページ番号
・数式
・表のセマンテックスを表す方法がない
・ワークフローの全自動化

4.XSLによるEPUB3のメリット
XMLでコンテンツを作り、XSLワークフローでEPUB3を作成する方法には大きなメリットがある。
・一貫性
・信頼性
・速度と柔軟性