CAS-UBの圏点にKentenGenericフォントを利用開始

CAS-UBのPDF出力のV2では圏点に対応しています。

圏点記号には通常の本文フォントをそのまま使いますと、本文との文字サイズのバランスが悪くなることがあります。そこで圏点には専用のKentenGenericフォントを採用することにしました。

http://sourceforge.net/projects/kenten-generic.adobe/files/
KentenGeneric.otf 2010-11-03 21.4 kB

CAS電子出版第2弾の「魔性のプレゼンテーション」(初版)の圏点は、本文と同じIPAex明朝を使用しています。今回から圏点にKentenGenericフォントを指定するようにしました。IPAex明朝のみのときと、IPAex明朝+KentenGenericを比較したのが次の図です。

圏点の見栄えは今までよりも若干ですが見栄えが良くなります。

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CAS-UB 12月8日に、出版物の中を横断検索する機能を追加

昨日、CAS-UBの本日12月8日の機能追加で、PDF出力機能の追加として、PDFセキュリティの設定、Web最適化、タグ付PDFのことを予告しました。本日、その機能は追加になっていますが、本日の更新で他にも機能を追加しました。

そのひとつは検索機能です。

《検索機能》
1.検索メニュー

検索機能は、出版物の中のテキストを検索して、ヒットした箇所を表示します。出版物が複数の記事から構成されるときも記事間を横断的に検索することができます。

2.検索対象語の入力

メニューで「検索」を選択すると検索対象語を入力するフォームが現れますので、そこに検索したい単語を入力します。

例えば、上の図のように「インライン数式」と入力します。

3.検索結果

出版物の中で「インライン数式」という単語の出現する記事(ファイル)と出現箇所を一覧が表示されます。記事をクリックすることで、その単語が存在する記事を選択できます。

4.検索語の入力方法

検索語の入力規則は次の通りです。

(1)検索語を空白区切りで並べるとAND検索になる
(2)空白を含む検索語は二重引用符で囲む。
(3)二重引用符内での二重引用符は2個続ける(CSVと同じ)。
(4)冒頭に or: と書くとOR検索になる。
(5)or: 自体を検索したい時は、”or:” と書く。

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12月8日CAS-UBのPDF出力にPDFセキュリティ設定などの機能追加予定です

明日木曜日CAS-UBの定期メンテナンスPDF出力にセキュリティ設定機能を追加する予定です。

◎PDF出力の設定メニュー

◎PDFセキュリティ設定メニュー

PDFセキュリティ設定の「文書を開くパスワード」はPDFファイルを開くときにパスワードを要求するものです。「権限パスワード」はPDFファイルを操作する権限を設定するパスワードです。

「タグ付きPDF」は、セキュリティとは関係なく、PDFにHTMLのようなタグを埋め込むことで文書の構造を明確にしてPDFの音声読み上げなどで、間違いなく読めるようにしようというものです。

「Web用に最適化されたリニアライズドPDF」を生成はPDFをダウンロードしたときに高速に表示できるようにする設定です。

◎参考資料
1.PDFの標準セキュリティ機能

2.Web 最適化PDFの意味、用途、効果

3.PDF文書のアクセシビリティ確保の方法

EPUBのネイティブコンテンツと生成コンテンツ

11月27日に「JBasic08を一読。JBasicのテンプレートは不要ではないでしょうか。」(11月27日記事へのリンク)で書いたことと一部重複しますが、もう一度、別の観点から論点を整理してみます。

EPUBコンテンツのオーサリングを効率的に行なうためには、プログラムで生成できるコンテンツと人手で入力するコンテンツを予め分離しておき、プログラムで作り出すことのできるコンテンツはプログラムで生成して付け加えるという方法が有効と考えられます。

一般の書籍を想定して、著者や編集者などが入力するコンテンツをネイティブ・コンテンツと呼び、プログラムで作るコンテンツを生成コンテンツ(generated contents)と呼ぶことにします。

例えばJBasicが対象としているような書籍の中では、次の項目を生成コンテンツとすることができると思います。

1.目次
2.表一覧
3.図版一覧
4.索引
5.章番号
6.節番号
7.図番号
8.表番号
9.注の合印
10.注番号
11.後注一覧
12.番号箇条の項目番号
13.箇条書きの項目ラベル(記号)
14.ヘッダーの内容
15.フッターの内容

このほかにもあるかもしれないですし、どれを自動生成し、どれを手入力とするかは原稿やユーザの好みにも依存します。しかし、一般的には、できるだけ多くの生成コンテンツをプログラムで生成することで制作者の負担を減らすことができるはずです。そして、こういった自動化ができることがXMLによる構造化マークアップを使うメリットといえます。

そこで問題は生成コンテンツをどのタイミングで生成するかということです。大きな分類としては、配布形式であるEPUBに生成結果を含めるのか、それとも生成結果を含めずにEPUBを表示するリーディング・システムに生成をゆだねるかということがあります。

例えば、箇条書きの項目番号や箇条書きの項目ラベルは、Webの場合は、CSSで形式を指定しておき、ブラウザで生成することが一般的と思います。

しかし、書籍の場合はそうはいかないことがあります。例えば、極端な例として、番号箇条の項目を後続段落から参照して、「一項の。。。」などというときは、項目番号:”一”は確定している必要があります。そうでないと、リーディング・システムによっては、”一”とならずに”1”となるかもしれず、そうなると箇条書きブロック中の項目番号とそれを参照している箇所の番号が異なってしまうからです。図表の番号や章番号なども同じことが言えます。

こうしてみますと、一般論として、配布形式としてのEPUBについては生成コンテンツはできるだけ配布時に確定させておくべきということが言えると思います。できるだけというのは微妙ですが、いままでの印刷出版では完全に確定していたのに対して、Webの世界では、箇条書きなどはブラウザ任せが普通に行なわれていたという違いがありますので、電子書籍ではどうしたら良いか、ということです。

一方、オーサリングシステムの内部では、できるだけネイティブ・コンテンツのみを編集するようにしておく方が生産性が高くなると予想します。つまり、目次、後注、索引などは手では編集しないで、生成コンテンツとする方が明らかに効率的だし、章番号、節番号、図・表番号も、文書のアウトラインを使ってプログラムで生成することで加除や順序入れ替えのときの付け直しの手間を無くすことができるので良いと思います。

ちなみに、ここで述べた、ネイティブ・コンテンツと生成コンテンツの分離と生成タイミングに関する考え方はCAS-UBによる書籍制作で基本的としている考え方です。

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AH Formatter 事例発表セミナー来週。XMLの真髄を語ります。

アンテナハウスのAH Formatter関連の本年最終イベント「『AH Formatter』事例発表セミナー」開催がいよいよ来週に迫りました。

XML/HTML自動組版エンジン『AH Formatter』事例紹介セミナー(無料)

AH Formatter事例発表セミナーでは、株式会社ベネッセコーポレーションのXML+XSL-FOを使った教材・問題集作成の効率化他多数の発表を予定しています。

弊社のCAS-UBの実体は、XMLオーサリングサービスであり、オーサリングされた出版物のPDF出力には最新の「AH Formatter V6」(Linux版)を用いています。先日、発売しました、「魔性のプレゼンテーション」のPDF版ももちろん、「AH Formatter V6」が生成したものです。

CAS-UBで『魔性のプレゼンテーション~その美学と作法~』PDF版を発売!

セミナーのCAS-UBのパートではこうしたサービスを実装した経験などを通じてXMLの有効活用について、その真髄を語ってみたいと思います

さて、実は、CAS-UBのPDF出力ではAH FormatterV6の最新鋭機能である、「図版の最適配置機能」を活用しています。というか、これなくして縦書きは語れない、というほどの重要技術です。

百聞は1見にしかず、ということで、「魔性のプレゼンテーション」から例として二つの図を示します。

1.図版の最適配置を使わないでPDFを出力
画像の成り行き配置によるぺーじ

2.図版の最適配置を指定してPDFを出力
図版の最適配置を指定した

2ではAH Formatterが図版を自動的に移動しています。1,2をご覧いただきますと、図版の最適配置機能の意義をご理解いただけると思います。

最適配置をしないと88頁、最適配置をすると78頁となります。この頁数の差もさることながら、Webと違って頁の概念があるEPUBでは、図版の最適配置は読みやすさを高める上で極めて重要な意味をもつことになるだろうと思います。

CAS-UBの概要の紹介ー2 オーサリングの必要性

CAS-UBでは電子書籍を制作するためのオーサリング操作をブラウザから行なうことができます。

ここで、オーサリング操作とはどういうもので、なぜ必要かを考えてみましょう。

まず、CAS-UBの反対例として、オーサリングなしのEPUB作成の例を取り上げます。

EPUB自動変換のツールやサービスが随分沢山あります。たとえば、Microsoft Wordで作成した文書をアップロードすると自動変換でEPUBにするサービスです。これでEPUBができて、それを流通させることができるなら、手間がかからなくて良いというわけです。

こういう話は、一見その通りですが、実はそうは問屋がおろしません。つまり、オーサリングなしではあまり良いEPUBは作れないのです。

なぜかというと、Wordで作成した文書は、よくできた文書でも紙に印刷することを想定して見かけを整えています。そうしますと、そのままHTMLに変換しても必ずしも期待した通りのタグがつかないことがあります。従って期待した通りのできばえにならないことが頻繁にあります。

また、通常の文書はWord文書一つで完結するわけではなく、複数のWord文書をまとめてひとつのEPUBにしたり、あるいは、図版を別のツールで作ってテキストの中にはめ込むことが必要になります。そうした場合、変換だけではことがすまないことになります。

つまり、変換だけでEPUBを作ることができるのは、簡単な文書の場合だけで、図版や表を別のソースから取り込んだり、複数の著者が文書を作った場合、変換だけではお手上げとなります。

こうして、出版物を制作する場合には、次のようなオーサリング操作は必須と思います。

1.原稿の大きな構造、つまり、本文の章・節構造立て、前付け、後付けの記事の並びを決めます
2.図版を適当な位置にはめ込みます。
3.文章の章立てを変えてしまうと、参照先が思わぬところに行ってしまうことがあるかもしれません。そんなとき、参照元と参照先の関係を正しく整合性をもつように調整します
4.全体が固まったところで、章番号・節番号、図番号、表番号をつける
5.目次、図版目次を作り、目次から本文の見出しへのリンクを設定する
6.索引語を拾い、索引を作る。索引語から本文へのリンクを設定する

CAS-UBは、上の1~6項に箇条書きしたようなオーサリング操作を、ブラウザから簡単に行なうことができます。

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